2007年08月31日 (金) 19:51:00
美しい文章と効率的なテキスト
8月も最後になって、ようやく、下の子が夏休みの宿題の読書感想文を書き終えました。おにいちゃんの自由研究も終わったようです。下の子の読書感想文は2冊分と決まっていたようで、最初、下の子はとっても面白くて楽しく読めたので、「ダレン・シャン」にしようと考えていたようなんですが、面白すぎて第12巻全部を一気に読んでしまい、2巻に絞ることが出来なくなりました。仕方がないので、「サークル・オブ・マジック」に切り換えて、最初の2冊の「魔法の学校」と「邪悪の彫像/王様の劇場」を題材に感想文を書くことにしました。
なかなか仕上がらないので、私も女房も心配していたんですが、女房は「サークル・オブ・マジック」を読んだことがないため、結局、私が手伝うハメになりました。昨夜は、下の子と差向いで、登場人物やあらすじを思い出させたり、魔法や印象的な場面を確認したり、読書感想文を書く題材を探して、いろいろと議論しました。今日帰ると、何とか原稿用紙に読書感想文が仕上がっており、大いに安心しました。
原稿用紙に書いた下の子の読書感想文を見ると、いかにも、きまじめな小学生の書いた文章らしく、段落の最初は字下げしてありますし、句読点もきちんとマス目を取ってあります。外国の人名なんかの最後の音を延ばす棒も省略していません。私なんかは原稿用紙を埋めるような文章を書いたのは忘却の彼方の昔で、今ではパソコンを使ったテキスト作成しかしていませんので、下の子が書いた読書感想文のような文章を原稿用紙に書く自信はありません。このブログなんかでも、段落の最初でも字下げはしませんし、句読点も適当です。サーバ、プロバイダ、ブラウザなんかは最後を延ばすこともしません。中でも、メールの文章の最後なんか、ちゃんとした署名を入れない場合は、年月と所属と氏名で済ませたりするんですが、字下げはまったくしません。私にメールをくれる人の中には、適当に何字分か字下げした上で、最後に拝の字を入れる人もいたりします。
なぜ、私が字下げなんかをしないかといえば、要するに、文章の体裁を調えるのはムダであって、文章の体裁は情報量には影響を与えない、と考えているからです。それよりも、体裁を調えている時間分だけでも早く伝達する方が重要そうに見えたりもします。やや過大な表現を取れば、効率的なテキストを書こうとしていたりするわけです。サーバと書こうと、サーバーと書こうと、文脈から考えても読む人に誤解を与える可能性はほとんどないので、最後の音を延ばす棒はムダにも見えます。
しかし、少し前に大騒ぎになったコンピュータの2000年問題なんかは、西暦の上2桁の19をムダと考えて省略していたために引き起こされたわけですし、効率的なテキストの書き方が常に優れているとはいえないような気もします。原稿用紙を埋めたきまじめで律儀な下の子の読書感想文を見て、私も今後の文章の書き方を考え直すかもしれない、ちょっとした印象を受けました。
2007年08月30日 (木) 22:05:00
ハリー・ポッター第7話「死の秘宝」のネタバレ第1弾
ハリー・ポッターの第7巻「死の秘宝」、原題は "Harry Potter and the Deathly Hallows" の発売から1ヶ月がたちました。私も全部を完読したわけではないんですが、各種掲示板なんかも参照しつつ、かなり内容が明らかになって来ましたので、内容の真実性を無保証としつつ、少しネタバレで取り上げたいと思います。第7巻の発売前に最も興味を引いたのは誰が死ぬか、なんですが、取りあえず、今夜のところは、ヴォルデモート卿の分霊箱 (horcrux) の行方です。
まず、結論から言うと、第6話の最後で死んだダンブルドア校長先生の予想が正しく、分霊箱は7つあります。しかし、すでに、2つは破壊されていて、1つは持ち出されています。第2話の「秘密の部屋」でトム・リドルの日記はハリーがバジリスクの牙で破壊しました。それから、破壊の場面はそんなに明らかではないんですが、第6巻でダンブルドア校長先生がゴーントの家にあった指輪を破壊しています。さらに、第6巻までの段階ではまだ破壊されていませんが、スリザリンのロケットが R.A.B. によって持ち出されたことが第6巻で明らかになっています。なお、 R.A.B. はやっぱり、シリウスの弟のレギュラス・ブラックでした。もちろん、第7巻で残るすべての分霊箱が破壊されます。当然です。
まず、第7巻「死の秘宝」の章別構成です。36章+エピローグですから、これだけですごく長くなります。
- The DarkLord Ascending/闇の帝王の台頭
- In Memoriam/追悼文
- The Dursleys Departing/ダーズリー家の旅立ち
- The Seven Potters/7人のポッター
- Fallen Warrior/落ちた戦士
- The Ghoul in Pyjamas/パジャマを着たグールお化け
- The Will of Albus Dumbledore/アルバス・ダンブルドアの遺言
- The Wedding/結婚式
- A Place to Hide/隠れ家
- Kreacher's Tale/クリーチャーの物語
- The Bribe/袖の下
- Magic is Might/魔法は力なり
- The Muggle-Born Registration Commission/マグル生まれ登録委員会
- The Thief/盗人
- The Goblin's Revenge/ゴブリンの報復
- Godric's Hollow/ゴドリックの谷
- Bathilda's Secret/バチルダの秘密
- The Life and Lies of Albus Dumbledore/アルバス・ダンブルドアの一生と偽り
- The Silver Doe/銀の雌鹿
- Xenophilius Lovegood/ゼノフィリウス・ラブグッド
- The Tale of the Three Brothers/三兄弟の物語
- The Deathly Hallows/死の秘宝
- Malfoy Manor/マルフォイの屋敷
- The Wandmaker/杖職人
- Shell Cottage/シェル・コテージ
- Gringotts/グリンゴッツ
- The Final Hiding Place/最後の隠し場所
- The Missing Mirror/鏡のかたわれ
- The Lost Diadem/消えたティアラ
- The Sacking of Severus Snape/セブルス・スネイプの解雇
- The Battle of Hogwarts/ホグワーツの戦い
- The Elder Wand/ニワトコの杖
- The Prince's Tale/プリンスの物語
- The Forest Again/ふたたび森へ
- King's Cross/キングズ・クロス
- The Flaw in the Plan/計画の欠点
- Epilogue/エピローグ Nineteen Years Later/19年後
それでは、本日のハイライトで、重複を含めて、7つの分霊箱は以下の通り破壊されます。
- リドルの日記
第2巻「秘密の部屋」でハリーがバジリスクの牙で破壊しました。 - ゴーントの指輪
第6巻「謎のプリンス」でダンブルドア校長先生が破壊しました。その際に、ダンブルドア校長先生は呪いを受けます。杖腕が黒く萎えてしまったのはすでに明らかですが、より詳しくは別の機会に譲ります。 - レイブンクローの髪飾り
ホグワーツ校の必要の部屋にありました。ドラコ・マルフォイの取巻きのクラッブが誤って破壊してしまいます。 - スリザリンのロケット
R.A.B. すなわち、シリウスの弟のレギュラス・ブラックが屋敷しもべのクリーチャーの助けを借りて持ち出し、グリモールド・プレイス12番地のブラック家にありましたが、不死鳥の騎士団の本部として使われている時に、マンダンガス・フレッチャーが盗んで魔法省のアンブリッジ次官(ホグワーツ校の校長だったこともあります)に賄賂として渡します。これをハリー、ロン、ハーマイオニーが取り返し、ロンがグリフィンドールの剣で破壊します。 - ハッフルパフのカップ
ベラトリックス・レストレンジがグンリンゴッツ銀行の貸し金庫に預けたので、ハーマイオニーがベラに変身して持ち出し、バジリスクの牙で破壊します。 - ナギニ
ヴォルデモート卿のペットである蛇のナギニも分霊箱でした。最後の方のホグワーツ校を舞台にした戦いの中で、ダンブルドア軍団のリーダーとなったネビル・ロングボトムがグリフィンドールの剣で殺しました。 - ハリー
第7巻発売前に予想されていた通り、ハリー本人もヴォルデモート卿の分霊箱でした。ヴォルデモート卿自身がハリーをいったん殺害します。しかし、ゴーントの指輪を使って、生死の境でハリーはすでに死んだダンブルドア校長先生と会話し、結果的に、ハリーの中のヴォルデモート卿の部分だけが死んで、ハリーは生き返ります。主人公は死にません。
当然ながら、ハリーは生き残って、ヴォルデモート卿は死にます。次の機会があれば、第7巻の発売前に大いに話題になった、誰が死ぬか、について取り上げたいと思います。
2007年08月29日 (水) 20:05:00
下の子のお誕生日のお祝い
今日は下の子のお誕生日です。小学3年生ですから9歳になりました。プレゼントは来月発売の最新版のニンテンドーDSソフト「ポケモン不思議のダンジョン」です。女房がケーキやご馳走を買って来てくれて、みんなでお祝いしました。1人で立派にボーイスカウトのキャンプに行ってきたり、着々と成長してくれていることを実感します。それでも、男親としては、早く一人前になって欲しい気がします。後、どれくらいかかるのでしょうか?
2007年08月28日 (火) 22:52:00
ダイエットが遅々として進まない
昨年暮れの12月29日のエントリーでも紹介した通り、我が家では体重計を買い換えて、体重だけでなく体脂肪率も計測できる最新のにしてから、私はせっせと毎晩入浴後に体重を測定し、とあるブログでダイエット記録をつけています。体重と体脂肪率はもちろん表示されますし、変化のない身長もあらかじめ入力しておくと BMI も計算してくれます。ムダとは思いつつも、無料のサービスを利用して独自ドメインで運用していたりします。最近30日間のダイエットグラフはサイドにある通りです。
小さくて見にくいんですが、一番上の青のグラフが体重で、次の赤の直線が目標、紫のラインが BMI で、一番下の緑のラインが体脂肪率です。最近の変化の方向だけを明らかにして、絶対値は分からないように設定してあります。そこはプライバシーと考えていたりします。それはともかく、実際の計測された体重を示す青のラインが目標の赤の直線に近づいている兆しがないことは一目瞭然です。しかし、グラフにはないんですが、より長い目で見ると、計測を記録し始めた昨年のクリスマス12月25日から8ヶ月たって、ようやく、3キロ余り減量に成功しました。
この達成した減量の3キロ余りをどう評価するかですが、当初に設定した目標は20キロ減ですから、8ヶ月で目標の約16%を達成したことになり、1月当たりでは約2%になります。逆算すれば50ヶ月で目標をクリア出来ることになるんですが、いくら時間視野の長い私でも、50ヶ月はやや目標達成には長過ぎるような気がしないでもありません。そのうちにリバウンドしないとも限りません。
さらに、私の体重は約90キロもありますから、3キロ余りは3.5%くらいに相当し、統計的な誤差範囲は超えていると思いますが、少なくとも、ズボンのウェストサイズなんかの体感として、決して、体重が減った気がしないのも事実です。要するに、体型の変化は見られません。しかも、これが8ヶ月かかっての変化ですから、周囲の人には全然アピールはないと思います。もっとも、そんなに劇的に体重が減少したりすれば、別のビョーキを疑う必要があるのかもしれません。
最後の不安点として、この3キロ余りの減量が最近時点で達成されていることです。すなわち、私の知り合いにも多いんですが、年間の体重変化のサイクルとして、夏の暑い時期に体重が減って、冬になると体重が増えるパターンは、決して、めずらしくありません。単に年間サイクルの中で減量できているだけかもしれないわけです。これから秋になって、さらにダイエットが進むかどうか、はなはだ不安に感じていたりします。
まあ、何はともあれ、遅々として進まないダイエットなんですが、一応、自分自身を励ますために、このブログのサイドに上のダイエットグラフの縮小版を置いてみることにしました。日々、このグラフを見て、目標体重目指してダイエットに励みたいと思います。
2007年08月27日 (月) 21:47:00
Google Maps API を使ってブログに地図を表示する
このところ、 Google Maps API を勉強して、ブログに地図を貼り付けたりしています。最初は、我が家の近くのこどもの城の地図を、レンタルしているブログに付属していたのを使っていたんですが、最近では、海水浴に行った先とか、遊びに行ったとしまえんの地図を貼り付けています。いままで使った地図は以下の通りです。
- こどもの城
- 内房の海水浴場
- としまえん
基本的には、 Java Script のプログラミングですから、難しいと言えば難しいし、やさしいと言えばやさしいものです。私のようなシロート以上でプロ未満のアマチュア・プログラマーにはちょうどいいレベルのような気がします。そこで、今夜のエントリーはGoogle Maps API の簡単な使い方と作り方について、自分なりのメモを残しておこうと思います。先月の html 4.0 のメモみたいなもんです。関係ない人には関係ないと思います。
まず、手順です。
- Google Maps API のkey を取得する。
Google Maps API のページから取得できます。地図を貼る URI ごとに異なる key が付与されるようですが、ローカルで見る範囲では必要ないみたいです。 - サンプル・プログラムを入手する。
key を取得すると、同時にサンプル・プログラムがもらえます。ただし、日本語だけの注意点なんですが、charset、すなわち、文字コードを日本語のデフォルトである s-jis ではなく、 utf-8 にする必要があります。サンプル・プログラムの html のメタ部分や Java Script のヘッダで、そのように指定してありますので、実際の html ファイルを utf-8 で保存できるテキストエディタが必要です。何のことだか分からない人は、このあたりで脱落します。 - 操作ボタンを配置する。
ズーム、スクロール、概要マップ、標準地図と衛星写真の切替え、なんかのボタンを趣味に応じて配置します。また、マーカーも表示したりします。詳しくは後述します。
Google がくれるサンプル・プログラムそのままではそっけない地図になりますから、上のリストにも書きましたが、操作ボタンなんかを配置します。でも、その前に、地図の中央とズーム比を決めるところから始まります。それから、私が好きなボタンなどを以下に取り上げます。
- 地図の中央とズーム比率を決める。
緯度と経度で指定します。緯度については北緯がプラス、南緯がマイナス、経度については東経がプラス、西経がマイナスです。ズーム比は数字が小さいほど広域地図になります。
こどもの城の例は以下の通り、北緯35.66239度、東経139.70749度、ズーム比は15です。
var point = new GLatLng(35.66239, 139.70749);
map.setCenter(point, 15); - 中央にマーカーを配置する。
var mp = new GLatLng(point.lat() , point.lng() );
var marker = new GMarker(mp);
map.addOverlay(marker); - ズームとスクロールのボタンを左上に配置する。
map.addControl(new GLargeMapControl()); - 地図・衛星写真・ハイブリッドの切替えボタンを右上に配置する。
map.addControl(new GMapTypeControl()); - 右下に概要地図を表示する。
私はこれは好きではないので、通常は使いません。
map.addControl(new GOverviewMapControl()); - 地図の初期タイプを決める。
地図・衛星写真・ハイブリッドの初期表示を決めます。当然、3種類あります。
map.setMapType(G_NORMAL_MAP);
map.setMapType(G_SATELLITE_MAP);
map.setMapType(G_HYBRID_MAP);
もちろん、サンプル・プログラムを見れば、大きさを width と height で設定したり、表示位置を margin や padding を使ってピクセル単位で指定することも出来ます。上の写真は list タグで整理してから、400*400 で表示してあります。しかし、インパクトのある素材ではあるんですが、ブログを開くのが重くなってしまうのは欠点です。頻繁に使うべきではないのかもしれません。
何となく、ネタ切れの今夜は、Google Maps APIに関するトリビアな日記です。
2007年08月26日 (日) 20:01:00
下の子がボーイスカウトのキャンプから戻る
下の写真は、ややお疲れの表情でバスを下りた下の子とキャンプの解散集会で表彰される下の子です。表彰されたのは食事を残さず完食したこととカヌーをがんばったことです。
2007年08月26日 (日) 14:16:00
諏訪哲史「アサッテの人」は芥川受賞作ながら退屈で不自然
今日の午後に諏訪哲史さんの「アサッテの人」を読み終えました。第137回の芥川賞を受賞した作品です。いつもの通り、「文芸春秋」9月号で、選評とともに拝読しました。一言で言って、退屈で不自然でした。まだ読んでない方にはオススメしません。なお、このエントリーではネタバレがあるかもしれませんのでご注意下さい。
まず、選評では今回から初めて選考委員になった小川洋子さんと川上弘美さんに注目したんですが、まあ、当たり障りなく選考委員の最大公約数的な評価だったような気がします。もちろん、それだからこそ、選考委員に選ばれたんだろうと思います。いつもは、私がもっとも信頼している山田詠美さんも「アサッテの人」を評価していました。ですから、それなりに期待して読み進んだんですが、結果はそれほどでもありませんでした。読み終えての私の評価は石原慎太郎さん、村上龍さん、宮本輝さんに近いものです。特に、石原慎太郎さんと村上龍さんがそろって「退屈」の言葉を使って評価していましたので、私も今日のエントリーのタイトルに使いました。石原慎太郎さんの選評なんかは、第130回の選考で金原ひとみさんの「蛇にピアス」と綿矢りささんの「蹴りたい背中」が同時受賞した時なんか、ややお年を召された印象がなくもなかったんですが、今回は私の感想にジャストミートしました。私の方が年を取ったのかもしれません。
さて、小川洋子さんが指摘するように、小説を書こうとする人を題材にした小説はめずらしくないんでしょうが、ストーリーの運びや表現力は芥川賞を受賞するにふさわしいかどうか、やや疑問が残ります。まず、私が指摘したいのは、「アサッテの人」である主人公の叔父さんの奥さんであった朋子さんの死に方についての言及が何らないことです。叔父さんの人生の転機について、明らかにされているところでは2回あり、吃音が解消したことと朋子さんが死んだことです。どちらについても、詳しい言及を避けたり、考察を加えないで小説を進めようとするのは無茶だと思います。特に、後者の朋子さんの死に方について、作者が考え切れなかった、思いつかなかったというのであれば、あきれるばかりです。他に、私は想像力貧困ですから、どうしてこれを伏せたのかの理由が考えつきません。
それから、かなりの程度に哲学的かつ文学的な素養を持つ叔父さんが工学部を出てエレベーターのエンジニアになったのかが、とっても不自然です。結果から考えると、チューリップ男との接点を作るためにエレベーターを利用したんではないかと考えられなくもないんですが、そうだとすると、作家としてとっても想像力が貧困としか思えません。チューリップ男が小説にどうしても必要な登場人物であるなら、それなりの舞台回しを考えるべきだと思います。
そんなに長くない小説なので2時間ほどで読めてしまうものの、繰返しになりますが、退屈です。余り文学作品を読まない私は毎回の芥川賞受賞作を読むのを習慣にしていて、この週末は下の子がボーイスカウトのキャンプに行っていてヒマもあったので読み切りましたが、図書館から借りたのであれば、途中の半分も行かないところで投げ出していたかもしれません。スンナリつければ星2ツと評価することも出来なくはないんでしょうが、芥川賞作品としては星1ツでしょう。私がここまで芥川賞受賞作を低く評価したのは、2年前の「土の中の子供」以来かもしれません。よほど時間のある方と、私のように芥川賞は必ず読まないと気が済まない方以外にはオススメしません。
2007年08月25日 (土) 21:17:00
素晴らしい投手戦
林選手の犠牲フライに続いて、赤星外野手のヒットをはさんで、矢野捕手のタイムリーと、中日の守護神である岩瀬投手を打ち込んで、2点も取った貴重な勝ち星ですから、明日のゲームにつながるんではないかと期待しています。唯一、いきなり先頭打者をストレートのフォアボールで出した藤川投手が不安だったりします。昨夜はナゴヤドームでうまくいかないようなことを書いてゴメンなさい。でも、ナゴヤドームでの試合の解説は広島なんかと同じで、地元ベッタリですから、聞いていて面白いです。逆の立場なら、甲子園の試合の解説も同じようなもんなんでしょう。
明日も、
がんばれタイガース。
2007年08月25日 (土) 18:23:00
総理大臣の究極の権限
今日は午後から外出して、知り合いとおしゃべりする機会がありました。その中で、先方がこちらの話題に合わせてくれたのか、週明けの月曜日に内閣改造があるという話題になりました。役人言葉では組閣と称したりします。私はやむなく自説を披露したんですが、内閣総理大臣の究極の権限は人事にあると私は考えています。具体的には2点あり、衆議院の代議士さんを一挙に失業させかねない解散と閣僚の任命権です。後者の閣僚人事が週明けの月曜日にあると新聞なんかで報道されているわけです。
しかし、私がこのブログでも表明したように、究極の権限が人事であることは確かなんですが、現在の安倍総理はやや人事に偏重した政権運営をしているように見えなくもありません。7月30日のエントリーでも取り上げたように、人事一本槍でコトを進めようとしているような雰囲気がなくもありません。そのあおりを食らった公務員が天下り規制なんかに抵抗しているわけです。
安倍総理の前の総理大臣だった小泉前総理は、例えば、構造改革や郵政民営化などの政策を進めるに当たって、当時の竹中大臣を前面に押し出して、重要政策を人事でバックアップしていますし、何よりも、郵政民営化法案が否決されたのは参議院であるにもかかわらず、衆議院を解散して民意を問うています。その結果はみなさんご存じの通りです。これらは、総理大臣の究極の権限である解散と大臣任命という人事をテコにして、重要政策を進めようとする表れだと私は考えています。しかるに、現在の安倍総理は人事を人事として、例えば、公務員の事務次官経験者を公社・公団の総裁や理事長なんかに任命しないとか、ストレートな形でしか使っていないんではないかと、ややいぶかっていたりします。
経済的には客観的な経済情勢が、小泉政権当時の危機モードから、現在の平時モードに移って来て、ある意味で、人事を強引なテコにしてまで進めるべき経済政策がなくなって来ているのかもしれませんが、総理大臣の究極の権限である人事を人事としてのみ取り扱うのは、伝家の宝刀でリンゴの皮をむこうとするようなものにも見えかねません。内閣改造は私のような公務員にとっては直接的にボスを選ぶプロセスなんですが、閣僚人事が政策を進めるエンジンとして活用されるかどうか、エコノミストとして月曜日の内閣改造を興味を持って見ています。
2007年08月24日 (金) 21:01:00
やっぱりナゴヤドームはダメなのか?
今夜は久し振りにプロ野球のテレビ観戦をしました。実は、今週の東京ヤクルト3連戦は、我が家の加入しているCATVの標準メニューに入っていない、フジテレビ系列のオプション・チャンネルで放送されていましたので、我が家では見られませんでした。我が家は神宮球場まで1キロほどの好立地にありながら、テレビ観戦もままならないので嘆いていましたが、今夜は、世界競泳のためにドラえもんとクレヨンしんちゃんの放映がないという好条件に恵まれ、さらに、下の子もボーイスカウトのキャンプに行きましたので、NHKニュースも主要な部分しか見なくて、ソソクサとチャンネルを切り替えました。しかし、1回に続いて5回にも下柳投手がボロくも打ち込まれて、大量得点差がついてしまいました。仕方がないので、8時前からお風呂に入り、入浴を終えてから、先日の東京ヤクルト戦の大逆転の例もあることだし、と思って、もう一度テレビを点けてみましたが、7回表の攻撃で併殺の間にショボい点が入るだけで、すっかり嫌気してテレビを切ってしまいました。試合はもう終わっているかもしれません。
オールスター明け7月下旬24-26日のナゴヤドーム3連戦は3連勝して、正直なところ、私は大いにびっくりしましたが、もう1回同じことをやるのはムリがあるような気がします。やっぱり、ナゴヤドームはダメなんでしょうか?でも、3連敗は避けてほしいと思います。
がんばれ、タイガース。
2007年08月24日 (金) 08:31:00
下の子がキャンプに出かける
2007年08月23日 (木) 20:17:00
ラテン語の格言
最近、ブログのヘッダにラテン語の格言を配置しました。私はチリに3年間住んでいて、少しはスペイン語を理解するので、雰囲気くらいはラテン語を理解しないでもありません。在チリ大使館に勤務していた時、当時の早稲田大学の総長がチリに出張で来られて、なぜか、文化担当の書記官ではなく、私がご案内申し上げたことがあります。昨年の9月に亡くなられました。ご冥福をお祈りいたします。たしか、中世のキリスト教哲学か何かがご専門だったと記憶しているんですが、ラテン語の読み書きが出来るので、スペイン語も少しは理解できないでもないとのことでした。スペイン語にとってのラテン語とは、日本語の古文に当たるのかもしれません。
だからと言うわけでもないんですが、ずいぶんと前、昨年2006年5月23日のエントリーでは、ホッブズの有名な「万人に対する万人の闘争」(bellum omnium contra omnes.) を引用したりしたことがあります。さらに、最近、ブログのヘッダをラテン語にしてみました。意味なんかは以下の通りです。なお、蛇足ながら、ラテン語は文頭を大文字にすることはないと記憶しています。
- orare,studere,gaudere,neminem laedere,non temere credere,de mundo non curare.
祈り、学び、喜び、何人をも害せず、軽信せず、世間に頓着せず。
イタリア中部のシエナ大学の校是だそうです。内容だけでなく、ラテン語ですから当然なんですが、1人称単数に活用された動詞の語尾がテンポよく聞こえます。最高学府らしい重厚かつ洒脱な校是だと思います。私は大好きです。それから、同じく校是で、作者が作り出した架空のものかもしれませんが、ローリング女史が著したハリー・ポッターの学ぶホグワーツ校の校是もラテン語で、紋章に記載されています。以下の通りです。
- draco dormiens numquam titallandus.
寝ているドラゴンはくすぐるなかれ。
上の2つも入れていますので重複していますが、私の好きなラテン語の格言は以下の通りです。アルファベット順に並んでいます。
- aequam memento rebus in arduis servare mentem.
難局にあっては平静さを保つことを心がけよ。 - amici in rebus adversis cognoscuntur.
友人は逆境において認識される。 - beatus non qui habet, quae cupit, sed qui non cupit, quae non habet.
自分がほしがっているものを持つ者が幸福なのではなく、自分が持っていないものをほしがらない者が幸福なのだ。 - caeca invidia est.
嫉妬は盲目である。 - citius, altius, fortius.
より速く、より高く、より強く。 ← 近代オリンピックのモットーです。 - cogito, ergo sum.
我思う、故に我あり。 ← デカルトの言葉として有名です。 - draco dormiens numquam titallandus.
寝ているドラゴンはくすぐるなかれ。 - ex oriente lux,ex occidente lex.
光は東方から、法は西方から。 - facta, non verba!
言葉ではなく行為! - fiat justitia, ruat caelum.
正義を行うべし、たとえ天が崩壊するとも。 - ira furor brevis est.
怒りは短時間の精神異常である。 - jacta est alea.
賽は投げられた。 ← カエサルの言葉として有名です。 - libenter homines id quod volunt credunt.
人間は、望むことを喜んで信じる。 - memento mori.
死ぬことを忘れるな。 - natura nihil fit in frustra.
自然は無駄なことはしない。 - non uno die Roma aedificata est.
ローマは1日にしてならず。 - omnia eunt more modoque fluentis aquae.
万物は流れる川のように移ろいゆく。 - orare,studere,gaudere,neminem laedere,non temere credere,de mundo non curare.
祈り、学び、喜び、何人をも害せず、軽信せず、世間に頓着せず。 - quem di diligunt juvenis moritur.
神々が愛する者は若くして死ぬ。 - quid est veritas? est vir qui adest.
「真理とは何か?」 「あなたの前にいる人間である。」 ← ピラトとイエスの問答です。アナグラムになっています。 - semper eadem.
常に変わらずに。 - sol lucet omnibus.
太陽は万物のために輝く。 - veni, vidi, vici.
来た、見た、勝った。 ← これも、カエサルの言葉として有名です。 - verbum sapienti sat est.
賢者は一言で足る。 - vita brevis, ars longa.
人生は短く、芸術は長い。 - vox populi vox dei.
人民の声は神の声。
まあ、厳密に言えば、17番目と21番目なんかは矛盾するようにも見えたりするんですが、時と場合によって使い分けることも重要だったりします。何年かにわたって、いろんなサイトからちょうだいして来て蓄積しましたので、ひょっとしたら、間違いがあるかもしれません。日銀が利上げを見送って、何となく、ネタ切れの今夜はトリビアな日記にしておきます。
2007年08月22日 (水) 22:11:00
としまえんに遊びに行く
今日は女房に所用があって、私が有給を取って子供達のお相手をすることになっていたんですが、どうせなら、3人でどこかに出かけようということになって、としまえんに遊びに行きました。遊園地半分、プール半分です。我が家からでしたら、都営地下鉄の大江戸線が便利です。西武線の駅のすぐ近くに大江戸線の駅が出来ています。
朝から出かけて、まず、遊園地のアトラクションで遊びます。しかし、我が家の子供達も小学生になって、遊園地のアトラクション選びが難しいことに気付きました。身長や年齢的には、ほぼ大人と同じ扱いで、いわゆる絶叫マシンも乗れたりするんですが、お金を払ってまで恐怖を体験したいとは思っていません。しかし、幼稚園児の喜ぶようなチャチなアトラクションは不満です。こういった観点から、昨年行った多摩テックはゴーカートを売り物にしているので、ちょうどよかった気がします。しかし、いかんせん、プールがやや貧弱なので、今年はとしまえんにしてみました。下の衛星写真は、いつもの Google Map から提供されているものです。左のが波のプールで、右のが流れるプールです。
内房の海水浴場よりも段違いにビキニが多かった気はしますが、やっぱり、エビちゃんやもえちゃんのレベルの希少性が確認できました。それはともかく、下の写真は、昆虫館での子供達と流れるプールで遊ぶ子供達です。
2007年08月21日 (火) 20:02:00
停電の恐怖
今日は銀座にランチに出て、その後、新橋に行く予定があったんですが、ほぼ南北に通っている銀座の中央通りに出て、ものすごい陽射しを受けて立ちすくんでしまいました。新橋くらいまでなら歩いて行けないでもなかったんですが、体ごと蒸発してしまいそうで、一駅だけながら地下鉄を利用してしまいました。新橋から役所までも、季節がよければ十分に歩ける距離なんですが、やっぱり、地下鉄に乗ってしまいました。甲子園に出るような高校野球の監督さんが熱中症になるくらいの暑さなんですから、私なんかは安全策を取った方がいいのかもしれません。
この暑さの中で、私もそうなんですが、今週から夏休みを終えてオフィスや工場などが通常稼働に近い状態に戻ったものですから、首都圏で電力供給がピンチになっています。主たる原因は猛暑もさることながら、実は、柏崎刈羽原発の長期運転停止にあるようです。ご存じの通り、新潟県中越沖地震で被災してから、まあ、報道された通り、いろいろとあって運転を停止しています。関連する朝日新聞のニュースのうち、昨日と今日に見かけたものへのリンクは以下の通りです。
昨年も8月半ばに事故で東京が大停電したり、8月末には広島で断水があったりと、ライフラインにまつわる事故が発生しましたが、今年は首都圏で電力がピンチのようです。リンクにある昨日の記事に見られる通り、東京電力では今年の最大電力需要を前年実績より5%ほど増加の6110万キロワットと見積もっているところ、711.2万キロワットを担う予定だった柏崎刈羽原発が全面停止しており、供給余力がなくなったようです。昨年8月14日の東京大停電は突発的な事故といえますが、今年の場合は、地震の影響もあるとはいえ、供給が需要に追いつかないわけです。エコノミスト的には、需要が供給を上回りそうなんですから、価格を引き上げればいいような気もするんですが、短期的にはそうもいかないでしょう。
私はチリのサンティアゴ、インドネシアのジャカルタと南半球の途上国勤務の経験があり、特に、ジャカルタでは熱帯特有の雷を伴ったスコールのために、停電は何度か経験しました。特に、ジャカルタのアパートでは風呂場に窓がなく、ドアを閉め切った状態で停電すると、完全に真っ暗になります。子供達も今より小さかったので暗闇を怖がるため、バスルームにローソクをいっぱい並べた記憶があります。でも、ローソクは火事になる危険がつきまといますから、出来る限り利用は避けていました。また、サンティアゴやジャカルタでは大規模な断水の記憶はないんですが、何かコトがあると、メイドさんがバスタブに水を張って備えていたのを思い出します。
現在の日本では電力や水道などのライフラインが本格的に切断されることが稀になったため、ホントに電力の供給途絶なんかが生じたりしたら、東京は大パニックになるような気がしないでもないんですが、最近の報道では、まったくあり得ないことでもないようです。ジャカルタ暮らしの経験がある我が家は、それなりに、危機管理や危機対応の能力があるように感じていますが、それでも、いざという時の心構えと備えはしておきたいと思います。
今夜のエントリーは、我が家の危機対応能力を培ってくれたジャカルタに感謝して、海外生活の思い出の日記に分類しておきます。
2007年08月20日 (月) 22:46:00
株式市場の下落と金融システムの安定
今日の東証の日経平均は先週末の欧米市場の流れを受けて反発しました。円相場も114円台まで反落したようです。全国紙の夕刊各紙は那覇空港の事故が1面トップだったんですが、さすがに、日経新聞だけは株式市場がトップでしたので、敬意を表してNIKKEI.NETから最初のパラグラフだけを引用すると以下の通りです。
20日の東京株式市場で日経平均株価は大幅に4営業日ぶり反発。大引けは前週末17日比458円80銭(3.00%)高の1万5732円48銭だった。上げ幅は昨年6月22日(491円43銭)以来約1年2カ月ぶりの大きさで17日の下げ幅(874円81銭)の52%を戻した。米連邦準備理事会(FRB)による公定歩合の引き下げをきっかけに17日の米株式相場が大幅に反発した流れを引き継ぎ、幅広い銘柄に買い戻しが目立った。外国為替市場で円相場が1ドル=114円台に急反落したことを好感し、前週末に下げの目立った輸出関連株は軒並み高となった。東証株価指数(TOPIX)も大幅に反発。
いつもの政府の公式見解からすると、株価や為替レートは市場で決まるものであって、政策的な介入は最小限に止めるのが基本です。株価に政府が直接的な介入をすることは先進国では見られませんし、かつては大規模な市場介入が実施されていた為替レートも、今では、大幅な乱高下の場合にスムージング・オペレーションをするのが主流になりつつあります。では、政府や日銀は何をするのかといえば、金融システムの安定確保です。もっとも、安定の言葉がその昔は金融機関の護送船団方式の根拠とされていたりもしたんですが、今では、より狭く決済システムの健全化の概念に近くなっているように見受けられます。
私の記憶が正しければ、7月20日の株価は東証の日経平均で18,000円を上回っていたんですが、先週末の終り値を考えると、ここ1ヶ月で3,000円ほど下げたことになります。株価が下落する際の危険信号は銀行などの金融機関の自己資本比率の低下と決済資金の流動性の不足です。前者は決算期に問題となりますが、日々の営業活動の上では、後者の流動性不足による金融機関の破綻が問題となります。具体的には、預金者からの引出し要求に応じられないのなんかは古典的なんですが、それ以外にも、何らかの支払いが出来なくなると破綻するわけです。資金繰りに行き詰って破綻するのは事業会社と同じなんですが、金融システムの健全性の観点から、金融機関はより厳しい条件が課されていて、債務超過の場合は破綻と認定されます。資金繰りの観点からは、古典的な対預金者だけではなく、コール市場に返せなかったりすると、もちろん、破綻となります。株価に関係するところでは、レバレッジをかけて投資している場合などで、マージンコールを要求されて応じられないケースなんかが考えられます。
日本のシステムでは毎月15日を目指して預金準備を積むことになっていて、ちょうど、先週がそれに当たっていましたので、日銀は1兆円の流動性供給を行ったりしたわけです。もっとも、欧米にお付き合いしたとの見方もあります。でも、私が聞き及ぶ範囲では、欧米では流動性の出し手が中央銀行である ECB と FED しかなくなったような悲惨な状況だったようなんですが、さすがに、米国のサブプライム問題の影響が少なくて、また、大きなレバレッジをかけるような金融技術を駆使することが少ないのか、日本では、短資市場では混乱が少なかったようです。金融技術が未発達なのが幸いしたのかもしれません。また、米国の公定歩合に当たるロンバート貸出しもアンカーの役割を果たしているようです。少し前までは、ロンバート貸出しは評判が悪くて、顧客の信頼を損ねるとか、ひどいことを言う人からは、ロンバートを使えば担当役員の首が飛ぶ、なんて言われた時期もあったんですが、現在では、最後の流動性確保のアンカーとして機能しているようです。先週に、オーバーナイト・コールがハネ上ったのも、主として、そんなに適格担保を持たない外銀がロンバートに頼れず、コール市場から取りまくったためらしく、邦銀は国債をドチャッと持っているので大丈夫との説もありました。
8月6日のエントリーで表明したように、実体経済への波及の観点からは、私は為替レートの方を注目しています。先週末には一時112円まで円高が進みましたが、現時点では、114円台まで戻していると言うものの、日銀短観なんかの調査結果から考えると、輸出企業の採算ラインから見てギリギリだという気がしないでもありません。一説には、115円を割れば円売りが始まるんではないかと言われたりもしましたが、プロのディーラーも顔負けのレバレッジをかけて為替の証拠金取引を行っていたシロートが大きなダメージを受けて、外貨へのアペタイトが大幅に低下している可能性も否定できません。
さらに、私の個人的な感触として、そんなに大きな根拠はないんですが、米国のサブプライム問題はまだ一段落したわけではないと考えています。ざっと計算しただけでも、サブプライムの損失は桁違いまではいかないものの、ここ1ヶ月の混乱の2-3倍のマグニチュードを持っている可能性があると考えています。さらに、これから証券格付が大きく変更されることも考えられますし、少なくとも、米国では日本よりも実体経済への影響度合いが大きいのは当然ですから、米国経済が予想されるよりも大きく減速すれば、最終消費地である米国への輸出に依存している日本やアジア各国への影響も、ラグを伴って、これから出て来る可能性があります。今日の東証で株価が持ち直して、為替も戻りつつあるとは言え、決して、手放しで楽観できる状況にはありません。
今夜はいろいろと考えた上に、長々と書き連ねてしまいましたが、いずれにせよ、官庁エコノミストとしては、今日の東証の取引結果を楽観することなく、また、株式市場や為替取引での投資家の損失に思いを巡らせるよりも、円滑な経済取引を支える金融システムの安定性を重視するのがスジだろうという気がします。
2007年08月19日 (日) 18:34:00
明日から仕事に復帰
もう少し単発的に休暇を取るとは言うものの、取りあえず、海水浴を含めて丸々一週間の夏休みを終えて、明日から役所に出勤します。先週は東証の日経平均は年初来最安値を記録したりして、米国のサブプライム・ローン不安に端を発した世界同時株安がマーケットを襲い、激動の一週間だったのかもしれません。その方面の話題については、夏休みだったので、意識的にエントリーとしては取り上げませんでした。
時差の関係で、どうしても東京市場が世界で一番早く週が明けるので、先週の初めも、東京市場から少し持ち直しつつあるような印象を受けていたんですが、結局、週の後半に東証も大きく下げました。最後の最後に米国の連邦準備制度理事会 (FED) が公定歩合を引き下げるというウルトラCで市場が平静を取り戻したようです。期待に働きかける金融委政策だったと言えます。日銀も見習ってほしいような見事な政策発動でした。おそらく、9月の連邦公開市場委員会 (FOMC) でFF金利を引き下げるんではないかと私は考えています。
現状では、日銀は今週の金融政策決定会合で金利引上げを見送るという消極的な政策手段しかとらないような気がします。1か月前でしたら、8月の金利引上げはほぼ市場に織り込まれていたようなんですが、これは吹っ飛びました。ここで金利を上げたりしたら、世界中の中央銀行から袋叩きにあいかねません。
昨年、今年と、私はエコノミストの夏休みは長いと言い続けて来たんですが、今年に限っては大外れで、夏季休暇から呼び戻されたエコノミストもいるんではないかと思います。もちろん、私は呼び戻されませんでした。明日、役所に出勤するんですが、少し怖い気がしないでもありません。第1に、株式市場が大幅下落して大忙しだったとすれば、こんな時期にのんびりと夏休みを取っていたことに怨嗟が集まっている可能性があります。第2に、これはもっと怖い可能性なんですが、大忙しだったにもかかわらず、参事官不在で何ら支障がなかったかもしれません。第3に、これは本筋から外れますが、先々週の終わりの金曜日に同僚と沖縄の泡盛を飲みに行ってヘベレケに酔い潰れて、記憶がない部分がありますので、失礼な言動や行動に及んだ可能性がなくもありません。性格的には、酔っ払っても大きく失礼なことをする可能性は低いと思うんですが、実は、私が不在でも何ら支障がなかった2番目のケースが一番怖いです。
今夜のエントリーはやや無理やりに経済評論の日記に分類しておきます。
2007年08月18日 (土) 17:44:00
またまた、ジャカルタのころのお友達とこどもの城で遊ぶ
今日もまたしても夏休みの続きで、子供達は女房に連れられてジャカルタのころのお友達と遊ぶために、こどもの城に行きます。2週間前のとは一時帰国で東京に帰って来ている主役が違うようです。そのあたりは女房の専管事項なので、私にはよく分かりません。いずれにせよ、奥様方はおしゃべりでストレス発散ですから、基本的に、私は留守番なんですが、少し外出した後、夕方にこどもの城をのぞいてみます。そこはご近所ですから、クリーニング屋さんの帰りに自転車で乗り付けたりします。小学5年生のおにいちゃんの仲間は見当たらなかったんですが、下の子はビデオルームでドラえもんを見ていました。

子供達の夏休みも、そろそろ、終盤にさしかかり、私の方でもまとまった休みは今週で終わりです。もう少しパラパラと単発的に休むかもしれませんが、1週間ベタで休めるのはこの先は年末年始までありません。学校の宿題や塾の夏期講習があるとはいえ、やっぱり、小学生の40日間の夏休みはうらやましいです。
2007年08月17日 (金) 16:42:00
ポケモン・パルシティ2007に行ってポケモンをゲットする
今日もまたしても夏休みの続きで、ポケモン・パルシティ2007に行きました。今日からパシフィコ横浜で開催されています。2週間ほど前には幕張メッセで開催されていました。もっとも、おにいちゃんは勉強が忙しいので、いっしょに行ったのは下の子だけです。主たる目的はニンテンドーDSライトのポケモンのゲームにポケモンをゲットすることです。1時間ごとにワイヤレスでポケモンが配信されます。今夏のポケモン映画でダークライが配信されたのと同じ原理のようです。ワイヤレスでの配信ですから、おにいちゃん本人が行かなくても、おにいちゃんのゲーム機とソフトさえ参加すれば、下の子が操作してポケモンをゲットできるわけです。ちなみに、配信されていたポケモンは1時間おきに3匹で、我が家がゲットした順に紹介すると、マナフィ、ルカリオ、ミュウでした。特に、下の子はミュウがとっても欲しかったようです。
パシフィコ横浜に行くのは、青山からでしたら、渋谷から東横線、そのまま、みなとみらい線に乗り入れて、みなとみらいから歩きます。ものすごい人出でした。途中から、5時間待ちのと怪情報が流れて、諦めて帰った家族もあったようです。明日の土曜日はもっとすごいんだろうと思います。私と下の子も延々と30分近く待たされました。でも、さすがに、5時間待ちは怪しげな情報でした。子供向けのイベントなんですから、入場が夜にかかってしまうことは避けるハズです。
ワイヤレスで3匹のポケモンが1時間おきに配信されるんですから、最低でも1時間半くらいは会場に滞在しないと、3匹全部はゲット出来ません。運が悪いと2時間以上いることになります。ですから、待ち時間にアトラクションに参加します。10枚つづりのチケットを買って、下の子がアトラクションに挑戦します。ポケモンでるでるというゲームとノモセシティのわくわくサファリで遊びます。ポケモンでるでるはハンマーでうまく叩くとポケモンが出て来るゲームなんですが、我が家の下の子はなぜかうまくいって、特賞を獲得したりしました。
それにしても、繰返しになりますが、ものすごい人出でした。熱中症の予防策として水分補給に努めたんですが、並みいる自動販売機がほとんど売切れ状態に近くて、ペットボトルのお茶なんかは手に入らず、缶コーヒーしか残っていませんでした。今日はまだ平日ですので、父親よりも母親連れのご家族が多くて、女性トイレは長蛇の列だったりしました。体力勝負のイベントでした。我が家の中では私も下の子も体力自慢なんですが、さすがに、疲れ切ってしまいました。
下の写真は、会場でミュウをゲットして満足の表情の下の子です。

2007年08月16日 (木) 17:01:00
ハリー・ポッターの映画「不死鳥の騎士団」を見に行く
今日は夏休みの続きで、ハリー・ポッターの第5話の「不死鳥の騎士団」の映画を家族そろって見に行きました。もちろん、洋画なんですが、最近では吹替え版も同時に上映されていますので、小学生のいる我が家は吹替え版を見ます。結局、家で見ているDVDと同じ感覚だったりします。
我が家では私とおにいちゃんが原作を読んでいるので、映画観賞会では主役となって、原作と映画の違いなんかを論じます。特に、今日は私の大好きなウィーズリー家の双子の兄弟、ロンの兄であるジョージとフレッドを中心に進めます。なお、今日のエントリーはハリー・ポッターの第5話と第6話、それに、もちろん、映画の「不死鳥の騎士団」に関して、ネタバレがいっぱいありますので、十分ご注意下さい。
まず、おにいちゃんが指摘したのは、映画ではクィディッチの試合がないことです。ハリー・ポッターではクィディッチの試合がかなり大きな役割を果たしますので、映画で大幅にカットされているのは少し違和感があります。オリバー・ウッドからキャプテンを引き継いだアンジェリーナ・ジョンソンの苦悩も出て来ません。特に、原作では、クィディッチの試合で大乱闘を引き起こしたハリーとロンの兄でウィーズリー家の双子であるジョージとフレッドの計3人がアンブリッジ先生に箒を取り上げられてしまうんですが、その場面がありません。ですから、双子のジョージとフレッドが大騒ぎを起こしてホグワーツ校から脱出するシーンも、二重の意味で華やかさに欠けます。第1に、ジョージとフレッドが大騒ぎを起こすのは原作ではハリーがシリウスと連絡を取るための時間稼ぎのための陽動作戦であって、試験をめちゃくちゃにするためではありません。第2に、クィディッチの試合の乱闘で取り上げられた箒を呼び寄せ呪文でアンブリッジ先生の部屋から手元に呼び寄せるシーンもありません。
私が指摘したのは監督生についてです。夏休みの間、ハリーとロンとハーマイオニーがシリウス・ブラックの家、というか、不死鳥の騎士団の本部というか、要するに、グリモールド・プレイス12番地に滞在している時に、原作では、グリフィンドール寮の監督生にロンとハーマイオニーが選ばれたので、バッジが送られて来ます。子供達の母親であるモリー・ウィーズリーが感激して、「ビル、チャーリー、パーシー、そして、ロンと、我が家の子供達はみんな監督生だわ」と叫ぶと、監督生にはなれずに監督生の兄パーシーを小馬鹿にしていたジョージとフレッドの双子が「おれたちゃなんだよ。お隣さんかよ」とふて腐れるシーンがあって、私は大好きなんですが、この場面はありませんでした。ロンとハーマイオニーが監督生となってその仕事のために、少しハリーから距離を置かざるを得なくなったり、スリザリン寮で監督生になったドラコ・マルフォイが権力を誇示したりするシーンもありませんでした。また、シリーズ第6話の「謎のプリンス」では、ロンとハーマイオニーの監督生に加えて、ハリーがグリフィンドール寮のクィディッチのキャプテンになり、ロンがレギュラーのゴールキーパーに挑戦するんですが、映画ではこのままクィディッチは忘れ去られてしまうんでしょうか?
映画としては、ハリーが閉心術をスネイプ先生から習う場面で、ヴォルデモート卿を含めて少し気持ち悪いシーンがフラッシュするんですが、それを除けば、最後の魔法省での不死鳥の騎士団と死喰い人とのバトルのハイライトなんか、映画としてはとってもよく出来ています。前回の映画の「炎のゴブレット」から登場したチョウ・チャンよりも、今回の映画から登場したルーナ・ラブグッドの方が印象的ですし、双子のジョージとフレッドに加えて、シリーズが進むに従って重要な役割を果たすネビル・ロングボトムはますます背が伸びています。トンクスやベラトリックスのキャラもあんな感じなんだろうと納得させられます。総合的に考えて、とってもオススメの映画なんですが、私のようにウィーズリー家の双子のファンには少し物足りないかもしれません。
下の写真は、映画館で開演を待って退屈気味の子供達と、映画を見終えた後の子供達です。
2007年08月15日 (水) 18:24:00
内房の海水浴から青山の我が家に戻る
我が家は小学生が2人いますから、夏休みには何か印象的な行事が必要です。一昨年は外房に海水浴に行きましたし、昨年は上毛高原に旅行しました。今年は海に行く順番です。外房の海水浴は役所の契約施設だったんですが、今は親元官庁から出向中なので、今年は、女房が小学生のころに臨海学校だか何だかで行ったことがあるというので、内房の海水浴場に行きました。場所の詳細は以下の通りです。地図はGoogleマップですから、マウスで操作できます。平成の大合併で南房総市となっているらしいです。
初日は基本的に移動するだけでした。下の写真は、JR内房線の特急さざなみに乗り込む子供達と、夕方に海水浴場に着いて、サンダルのまま少し足をつけている子供達です。ちゃんと写ってないんですが、家族おそろいのクロックスのサンダルで行きました。
2日目から本格的に海水浴を楽しみます。遠浅の海水浴場で、どこまで行っても子供達でも足が立つくらいなんですが、一応、浮き輪を借りました。浮き輪をつけて海に入るだけではなく、浜辺で砂遊びもします。
3日目も基本的には同じで海水浴なんですが、同じような写真を並べても仕方がないので、海の家でかき氷を食べる子供達と、宿の民宿に戻った後、トランプ遊びをする子供達です。トランプのほかにも、将棋やニンテンドーDSなんかも持って行って遊びまくりました。まあ、海に行かない時は家にいるのと似たようなもんです。
昨年、上毛高原に行った時は、アチコチ連れ回されて疲れ切ってしまったんですが、今年は仕事も忘れて十分に休息を取って、本来の目的を果たしたように思います。明日も遊びに行けるくらいに体力を蓄え、リフレッシュして戻って来ました。でも、さすがに、帰りの電車では疲れたようすのおにいちゃんです。

2007年08月12日 (日) 10:22:00
今日から海水浴に行くのでブログの更新はお休み
我が家はこれから夏休みの海水浴に出かけます。パソコンは持って行きませんし、インターネットの接続環境はないと思いますので、しばらくの間、ブログの更新をお休みします。
2007年08月11日 (土) 19:50:00
猛暑の中でお盆の帰省ラッシュが始まった本日の雑感
世界中の株式市場で米国のサブプライム・ローンに端を発する株価の下落が止まりません。欧州中央銀行(ECB)なんかはかなり大量の流動性の供給を実施し、米国の連銀や日銀も協調して買いオペを実施しています。日銀は1兆円を市場に供給したそうです。必要な当座預金残高が6兆円ほどですから、必要準備の15%を超える流動性を市場に出したんですが、金曜日の米国市場で下げが止まりませんでしたから、週明けの東京市場は不安定な動きを示す可能性もあります。
それから、今日からお盆の帰省ラッシュが始まりました。夏休みの海外旅行する人達の出国もピークに近いようです。我が家が購読している朝日新聞の夕刊1面では東北自動車道の63キロ渋滞の写真が掲載されていました。テレビでは成田空港の出国ラッシュを報道していたりしました。
夏休み本番なので、大学のオープンキャンパスなんかも開催されているようです。我が母校の京都大学でも一昨日と昨日にオープンキャンパス2007なる行事を催したと聞きました。なんで聞いたのかというと、今年のオープンキャンパス用に配布資料の卒業生からのメッセージを私が頼まれて書いているからです。各学部から2名ずつで、私はもちろん経済学部のところに顔写真入りで出ていたりします。全部をたんねんに見たわけではないんですが、たいていは卒業して間もない若い人です。私だけが1980年代の卒業で、ひどくオッサンだという気がしました。
我が家はおにいちゃんの塾の夏期講習が今日で一段落しました。先生方もお盆休みに入るんでしょうか。我が家の子供達もゆったりと過ごしました。下の写真は、インターネットのクィディッチのゲームで遊ぶ子供達です。

2007年08月10日 (金) 22:55:00
沖縄の泡盛を飲み過ぎて酔っぱらったので今夜のブログは1回休憩
今夜はめずらしく職場の同僚と飲みに行きました。沖縄の泡盛を大量にいただいて、腰がフラフラになってしまいました。自分でもお酒は弱いと自覚して、それなりに気をつけているだけに、ここまで、ヘベレケに酔っぱらったのは大学の新入生歓迎コンパ以来だという気がします。泡盛は強いお酒だということを身をもって実感しました。同僚がいなければ、六本木の道路で寝ていたかもしれません。
NY市場で株価が崩壊したのも、阪神タイガースが横浜に打撃戦で競り勝って3位に上がったのも、昨日今日と我が母校の京都大学でオープンキャンパス2007が催されたのも、十分に知っていて、そのうちに取り上げようと思うんですが、今夜は頭が回りません。酔っ払って1回休憩ということで、ご容赦ください。
2007年08月09日 (木) 22:29:00
延長12回引分け
公務員でよかったと思う今日このごろです。
2007年08月09日 (木) 19:48:00
方言はどこまで理解できるか?
先日、役所で機密書類なんかの処分がありました。年2回ほどお知らせが来るんですが、私は前回に大量に出しましたので、今回はパスしました。もともと、私は机上の平均標高が高い方で、以前に所管法人に出向していた時には、「机上の平均標高が3センチくらいに達するので、そろそろ、整理をしたらどうか」と、親切にオススメしてくれる同僚がいたので、2-3カ月に1度くらいは整理していたように記憶しています。ジャカルタにいる時もご同様で、資料をうず高く積み上げては、30センチ四方の執務空間があれば十分だ、とうそぶいていたこともあります。
かくのごとくに整理は苦手なんですが、東京に出て来た最初の年の年末に役所の大掃除があり、私が机上の資料を取り分けて、「これはホカしといて」、「これは取っといて」とアルバイトさんに言うと、まったく東京の人に通じなかったことがあります。その時、初めて、関西弁なんだと自覚した次第です。
先日、友人とのランチタイムにそんな話をしていたら、昨年の年末に友人の団地で大掃除があり、友人は班長さんから「えんぞの掃除をお願いします」と言われて、「えんぞ」が何か理解できなくてウロウロしていると、「えんぞの担当が不満なのか」と怒られたと言います。班長さんは新潟の出身だそうですから、そのあたりの方言だと考えられるんですが、友人が職場の新潟県出身者に聞いても分らなかったそうです。多分、新潟県も広いんでしょう。 結局、「えんぞ」とはドブのことだったらしいです。
7時からのポケモンが終わって、チャンネルを切り替えてみると、濱中選手のホームランで先制したハズのタイガースが逆転されていて、気もそぞろに適当なエントリーをアップしてしまいました。チャンスが来たようですので、テレビ観戦に集中します。
2007年08月08日 (水) 21:50:00
今夜は巨人にボロ勝ち
でも、大事なのは明日です。明日勝たないと今夜の勝利の値打ちが半分くらいになってしまいます。
明日こそ、
がんばれタイガース。
2007年08月08日 (水) 21:11:00
最低賃金だけが企業のコストか?
昨日から始まっていた厚生労働省の中央最低賃金審議会の小委員会で、今日になって、最低賃金の目安がようやく決まったようです。経営側は時給で2円とか渋いことを主張していたんですが、徹夜の審議で公益委員が押し切ったように報じられていました。いつもの朝日新聞のサイトから引用すると以下の通りです。
07年度の最低賃金の引き上げ額を労使代表らが議論する厚生労働省の中央最低賃金審議会の小委員会は8日、全国平均で時給14円の引き上げ(現行時給平均673円)を目安にすると決めた。昨年度実績の5円を大幅に上回り、97年度実績以来10年ぶりの高水準。地域別の上げ幅は6-19円と大きくばらついた。10日の同審議会で正式決定する。
今後、各都道府県に設けられた審議会で、労使代表らが協議して実際の引き上げ額を決めるが、例年ほぼ目安通りとなっている。各地で10月中に順次、新しい最低賃金が適用される見通しだ。
目安は、都道府県をA-Dの4ランクに分けて提示される。東京など都市部が中心のAは19円、埼玉や京都などのBは14円、宮城や福岡などのCは9-10円、青森や沖縄などのDは6-7円。
雇用機会の多い都市部では賃金水準の実勢に合わせて大幅に引き上げる一方で、景気回復が遅れている地方では小幅にとどめることで労使が折り合った。だが、地方ほど最低賃金で働く労働者が多く、地域間の賃金格差拡大に批判が出そうだ。
今年度の最低賃金改定をめぐっては、政府と労使代表らでつくる「成長力底上げ戦略推進円卓会議」が先月、例年以上の引き上げを目指すよう、同審議会に求めていた。
賃金が上がりません。格差の一因と考える向きもあります。日銀なんかは景気の拡大が継続する中で、人手不足から賃金が上昇し、物価に波及するリスクを考えているようですが、実際には、グローバル化が進行する中で、技術が同じ、すなわち、経済学の用語で言えば、生産関数が同じであれば、中国なんかの賃金水準と競争しなければならないわけですから、賃金が上がりにくくなっているのは事実だろうと思います。専門的には、要素価格均等化定理、とか、エコノミストの名前で、ヘクシャー・オリーン定理といいます。同時に、資本財価格の上昇によるストルパー・サミュエルソン定理も働いている可能性があります。詳しい説明は割愛します。
景気の拡大に伴って、フリーターやアルバイトなんかの非正規社員の割合が減少して、正社員が相対的に増加している動きもあるんですが、企業から見た賃金コストの抑制のために非正規社員を増やしているのは言うまでもありません。しかし、労働者から見れば賃金は所得なわけで、所得が増えないと消費も盛り上がりません。さらに、コストと考えるにしても、単純な賃金だけでなく、より広い意味での雇い主負担を考えると、忘れていけないのは社会保障負担です。正社員がコストが高いのは賃金水準だけでなく、社会保障負担が大きいこともあります。企業からはこの主張が根強くあります。主として年金と医療です。フリーターの多くは企業負担の厚生年金ではなく、個人負担の国民年金ですから、企業が負担する必要がないのでコストが低く、同時に、国民年金の未納率を上昇させているひとつの要因と考えられます。いずれにせよ、最低賃金などの賃金だけでなく、より大きな視野で雇用問題を考える必要がありそうです。
まず、年金負担です。現在では年金は世代間の所得移転、特に、圧倒的に高齢者に有利な所得移転になっていますので、この給付水準を引き下げることが出来れば、その分だけ保険料を下げて正社員のコストを下げることが可能なように見えます。そうすれば、ある程度は非正規雇用が増加する傾向を止めることが出来るかもしれません。私の知り合いのネタなんですが、以下のようなものがあります。ご隠居さんが若いフリーターに対して「今の若い者は年金を未納して、将来どうするつもりか?」と文句を言うと、若者は「今は社会保障負担が18%の高率なんだから、払うだけの金もない。ご隠居さんはちゃんと払ったのかね?」と聞き返すと、ご隠居さんは「わしらのころは3%だったから、払うのに苦労はなかったさ」と答える、というものです。
学校を卒業して社会に出るころに就職の超氷河期なんかにブチ当たってしまい、正社員の募集からあぶれてフリーターにならざるを得なかった、いわば、恵まれない世代の若者は、今もって社会保障負担のカベに阻まれて、正社員に採用されることも、自分で国民年金の保険料を払うこともままならず、苦しい生活を続けている可能性があるんではないかと私は考えています。極端な例だと思うんですが、リタイアした豊かな年金世代が30代フリーターのパラサイトを許容するため、フリーターに就労意欲が出ないとの説もあります。私はこういった例が広範に観察できる事例だとは考えませんし、もちろん、肯定するものではありませんが、豊かな年金世代から30代フリーターに家庭内で所得を再分配するんではなく、社会的により厚生が高まる配分が出来るハズです。高齢者への年金給付を減らして、その分、正社員に必要な年金負担も減らして、企業が正社員を雇用するコストを下げることが可能ではないでしょうか。不労所得とも考えられ得る年金で30代フリーターをパラサイトさせるより、年金を減らして30代フリーターが正社員で働く方が、ズッと社会的厚生が高まるのは誰の目にも明らかです。
賃金に戻って、もちろん、最低賃金が上昇すれば、経済学的にはその水準に達しない限界生産性しか有しない未熟練労働者は失業に陥る可能性もありますが、他方で、最低賃金の上昇が貧困対策として有効である可能性を示唆する実証研究の成果も見られます。コトはそんなに単純ではありませんが、繰返しになりますが、賃金だけでなく、雇い主負担をトータルで考えると、社会保障負担の保険料の問題も含めて考える必要があります。賃金水準や年金保険料などの純粋におカネの問題だけでなく、身分保障や雇用の安定性も含めて、フリーターやアルバイトよりも正社員として働く方がいいであろうことは、かなり幅広いコンセンサスがあると私は考えています。最低賃金の水準を変更して直接的に所得を操作するだけでなく、社会保障の年金保険料の水準を引き下げて、より多くの正社員を雇えるようにすることも一案ではないでしょうか。
今日は最低賃金を取り上げながら、労働者のコストとして年金保険料まで考えが拡散してしまい、少し取りとめのないエントリーになりましたが、結局、私の従来の主張を繰り返してしまいました。労働者から見れば賃金が所得に直結するのに対して、企業や雇い主から見れば賃金と社会保障負担を併せたものがコストになります。高齢者への年金給付を減らして、その分、企業が正社員を雇用する場合のコストになる年金保険料も減らし、フリーターなどを正社員として雇用しやすくするのが、雇用環境の改善のために重要だと思います。
2007年08月07日 (火) 19:36:00
格差問題と単位の問題
今朝の閣議で本年度の「経済財政白書」が閣議にかかりました。副題は「生産性上昇に向けた挑戦」です。何分、年1回の取りまとめられるぶ厚な分析ですから、私ももう少ししっかり読んだ後で日を改めて取り上げたいと思いますが、いろんな捉え方や評価なんかがあった中で、夕刊では格差や賃金の動向に関する報道が多かったように見受けられます。夕刊の報道を全部見たわけではないんですが、日経新聞では副題に即して成長に向けて生産性の向上が急務であるとのトーンを打ち出している一方で、朝日新聞や読売新聞では格差問題と賃金に焦点を当てた記事になっていました。なお、副題の生産性上昇については、昨年2006年10月24日のエントリーで、政策的に生産性を引き上げることについては、私自身も懐疑的な見方を示していますが、日経新聞の解説でも生産性向上策については踏込み不足とされています。もっとも、現状分析を旨とする白書ですから、政策提言のような内容を求めるのは少しムリがあるような気がしないでもありません。
ところで、エコノミストの間では、自然単位と効率単位という言葉があります。自然人という呼び方もありますから、自然単位は、要するに、基本的人権が付与された人間1人を単位にします。他方で、効率単位とはどれだけ稼ぐか、とか、消費するか、とかの市場における購買力で測ります。もちろん、所得をすべて消費するわけではありませんし、遺産を遺す場合なんかもありますので、一概には言えませんが、世代を連続したものと考えれば、概ね、市場での購買力は所得にほぼ一致すると考えて差し支えありません。もちろん、効率単位では自然単位とは違った概念ですから、平等や格差も違った形で出て来ます。
ここまで書けば理解する人も多いと思いますが、民主主義は自然単位の投票によって成立する一方で、市場経済では効率単位の購買力で動いて行きます。企業が新製品の開発をする場合なんかを考えれば分かりやすいと思うんですが、自然単位の人数が問題なのではなく、効率単位の購買力に基づく売上げ予測が重要になるわけです。購買力にほぼ等しい効率単位で計測される所得や消費が自然単位ごとに異なるのが格差になるわけです。
ですから、効率単位で動いている市場経済は、少なくとも、自然単位の格差を解消するメカニズムは内在していません。すなわち、格差が許容される水準を超えているとのコンセンサスが存在するのであれば、自然単位で決定を行う民主主義により、何らかの格差を是正する政策を決めなければならないわけです。この自然単位と効率単位が立脚する、民主主義と市場経済の微妙な差をどのように埋め合わせるか、それが政策課題となります。制度の親和性が完全ではないんだろうと思うんですが、不完全な親和性を自然単位のコンセンサスを得て、どのように修正するかを考えるべきであって、市場経済の成長により格差意識を緩和するのか、それとも、より根本的に所得の再分配を強化するのか、あるいは、さらに別の選択肢を考えるのか、市場経済ではなく民主主義の課題と言えます。
2007年08月06日 (月) 20:09:00
株式市場の下落は実体経済の悪化につながるか?
ここ2週間近く、米国発で株式相場の低迷が続いています。先週末に発表された米国の雇用統計でも市場の予想を下回る数字が出たために、NY市場のダウ平均が大きく下げ、その影響もあって東証の日経平均は今日も安値で始まって、下げ幅が一時300円を超えましたが、後場に入って少し持ち直し、ジリジリと値を戻しつつも、結局、前週末比65円40銭安の1万6914円46銭で引けました。私はこのブログの7月30日付けのエントリーで「ザラ場で日経平均が17,000円を割ることもあり得る」と書きましたが、ザラ場どころか、先週末の終り値で17,000円割れになってしまったりしました。今日の東京市場の動向について簡潔に取りまとめてあるので、NIKKEI.NETのサイトを引用すると以下の通りです。
6日の東京株式市場で、日経平均株価は続落。大引けは前週末比65円40銭(0.39%)安の1万6914円46銭だった。朝方は3日の米株式相場の急反落や、外国為替市場で円相場が1ドル=117円台半ばまで上昇したことが売り材料となり、大きく下げて始まった。銀行株や値がさハイテク株の一角が売られ、下げ幅は一時300円を超えた。日経平均は一時、3月5日につけた年初来安値(1万6642円25銭)まで33円14銭と接近したが、その後は好業績銘柄を中心に押し目買いが広がり、下げ幅は縮小した。朝方は下げていた鉄鋼株や海運株が買い戻されたほか、北米市場の動向とは関連の薄い医薬品株や鉄道株、不動産株など内需関連株の一角が買われた。市場では「米株急反落の後でもきょうの日経平均が年初来安値を下回らなかったことで、底堅さを感じた投資家が押し目買いを進めた」(国内証券)との見方があった。
気になるのは日米の株式市場の下げがマクロの実体経済に悪影響を及ぼすかどうかなんですが、その前に、先週末のNYダウを下げた大きな要因のひとつである非農業雇用統計について、私が少し詳しく見たところ、政府のマイナス2.8万人が効いているように見えます。特に、州や郡の地方政府の教育公務員が1.9万人減っています。それまで、均してみれば毎月2万人平均で増加していた政府雇用者が3万人近く減少したんですから、このショックも大きかったんだろうと思います。毎年7月からは教育公務員が夏休みに入るので、これ自体は自然な動きだと思うんですが、どうして季節調整で平準化されなかったのかは不明です。通常の年よりもドッと落ちたのかもしれません。でも、それはそれで原因不明です。
さて、本題に戻ると、希望的観測も含めて、私自身は株式市場の低迷はマクロ経済に与える影響は限定的だと考えています。理由は米国も日本も設備投資循環が上向きであることです。欧州はまだまだ借入れによる設備投資が多いんですが、日米では企業が相当程度にキャッシュリッチになっていて、設備投資の原資はキャッシュフローに変化してきていますから、上向きの設備投資循環が続く可能性が十分あると考えています。問題は個人消費なんですが、こちらは米国ではある程度の影響を及ぼすと予想されます。現在の米国経済は富裕層が牽引している部分が大きいんですが、この富裕層の資産効果はかなりのもので、住宅価格よりも株式価格の方が影響が大きい可能性があります。しかし、他方で、日本においては株式の資産効果は大きくないと考えられていますので、心理的な影響は別にして、実際の消費行動には大きな影響はないものと考えられます。
ただし、もちろん、ダウンサイド・リスクはあるわけですし、それに、株式市場とは独立に早い段階から日米とも今年の年央は踊り場的な景気の中だるみがあるものと予想されていましたので、これが一気に景気後退につながる可能性もゼロとは言えません。IT在庫の調整が順調に終了すると仮定すれば、米国はともかく、日本で景気後退が現実化するキーポイントは為替の動向だと私は考えています。投資家のリスク・アペタイトが低下して、ドル建て資産からの逃避が生じるのであれば、円相場は対ドルで増価しますから、輸出企業なんかの採算を悪化させる可能性が高まります。日銀短観なんかの調査では企業の採算ラインは114-5円となっていますので、今日の為替相場はかなりこの水準に近づいて来たとも言えます。
今夜はこのところの株式相場の低迷について考えたんですが、やや苦手な相場の話でもあり、週末にリラックスし過ぎたせいもあって、単に希望的観測を交えて信念を表明したに過ぎず、まとまりのないエントリーになってしまいました。ややダラける季節になったのは事実ですので、もう少し気を引き締めて経済を分析したいと思います。なお、明後日の相場は機械受注の統計次第で少し動くかもしれません。
2007年08月05日 (日) 22:46:00
広島の黒田投手を打ち込んだ打線は本物か?
今日の相手は黒田投手ですから、このエースを打ち込んでの4点で打線は本物と見ました。もっとも、ワンチャンスを活かしての得点なんですが、まあ、それを活かせるのは打線に勢いがあると言うことでしょう。ともかく、序盤3回の攻撃は見事でした。
残念だったのは岩田投手です。私はまだまだ岩田投手は先発要員として期待されていると見ていたんですが、それにしては、4回はふがいない結果でした。もちろん、結果論としては後を引き継いだ渡辺投手が押出しを与えてしまいましたが、あそこで交代させられるんですから、よりいっそうの奮起を期待します。ここで先発要員から落とされれば、岩田投手には敗戦処理しか与えられません。
今夜は美しいリリーフ陣のローテーションを発見してしまいました。ボロ勝ち、JFK、移動日、の3日単位の組合せです。具体的には、昨夜のボロ勝ちでJFK出番なし、今夜のような競った試合はJFKで逃切り、明日は移動日でピッチャーはみんなお休み、と、この鉄の三角形を守ればリリーフ陣のスタミナは問題ありません。やっぱり、ボロ勝ちのために打撃陣の奮起を期待します。
がんばれタイガース!
2007年08月05日 (日) 18:23:00
ヒマな夕方に人生ゲームで遊ぶ
2007年08月05日 (日) 17:04:00
家でゴロゴロ過ごす日曜日
今日はおにいちゃんが塾の夏期講習に通っただけで、我が家は家の中でボケボケと過ごしました。私はパソコンで遊びます。女房もゴロゴロします。下の子は「ダレン・シャン」に夢中になって読み進みます。「ダレン・シャン」は12巻構成なんですが、一気に11巻まで読んでしまったと言います。おにいちゃんも3-4巻くらいを読んでいるようです。私は2巻で打ち止めにして経済書に転じました。
それでも、やっぱり、おにいちゃんは勉強に忙しいです。まだ小学5年生ですから、決して受験生ではないんですが、プロ野球選手と受験生は8月が勝負なんて、昔から言われていますので、5年生ながらしっかり勉強しています。私も中学受験をしましたが、夏休みなんかはエアコンの利いた塾の方が勉強内容が頭に入ったような気がしないでもありません。いつもながら、小学5年生と3年生の2歳の違いは大きいものだと実感させられます。
サラリーマンも来週あたりからは夏休みに入る人もいるでしょうから、そろそろ、都心の地下鉄なんかの混雑も緩和されるのかもしれません。オフィスにはますます人が減るんでしょう。役所でも、たぶん、社会保険庁を除いてだと思うんですが、計画的な有給休暇の取得を呼びかけていますので、私もおにいちゃんの塾の夏期講習の休みに合わせて、適当に年休を取りたいと考えています。
下の写真は子供部屋で勉強するおにいちゃんとリビングのソファで読書する下の子です。私も余りすることもなく、子供達の写真を撮ったり、パソコンで遊んで時間を潰しています。
2007年08月04日 (土) 22:40:00
打線爆発で広島に楽勝の夜に今岡内野手を思う
今夜は序盤にポンポンと4点が入り、早くから楽勝モードでした。先取点の桜井外野手は、いきなりスタメン起用の濱中外野手から大きな刺激を受けたんだろうと思います。3回のツーランの追加点が大きかった気がします。今年についてはシーツ内野手が打つとしっかり点が入る、という私の仮説が実証された気がします。もちろん、7回の金本外野手のツーランも絵に描いたような当たりで、そろそろダメ押し点が欲しいころにキッチリ点を取ってくれました。8回の藤本内野手のタイムリーはややオマケだったのかもしれません。なお、桜井外野手は最終回の最後の場面で打つと、さらによかったのかもしれませんが、明日に取っておいたんだと解釈しておきます。濱中外野手もノーヒットながら、いきなりスタメンに入れた岡田監督の期待に、明日こそ応えて欲しいものです。私はあんまり詳しくないんですが、赤星外野手と矢野捕手は休養日という解釈でいいんでしょうか?
投手陣は完封リレーでしたが、特に、先発の上園投手の安定感が抜群でした。6回を投げて交代ということで、暑い季節なので理解はできるんですが、完封を狙わせてみたかった気もします。JFKの完全休養の裏側で、江草投手の8回と桟原投手の9回は少し不安定でしたが、点差が開いての登板で少し緊張感が足りなかったのかもしれませんし、結果として、両投手とも併殺で切り抜けてゼロで抑え切ったんですから、完封リレー成立の立役者ということでいいんだろうと思います。途中までブルペンで準備していたのかもしれませんが、何よりも、JFKの休養が大きいと思います。今夜の試合は実質的に7回の金本外野手のホームランで終わりました。実は、私は8回裏のピンチを江草投手が併殺で切り抜けた後、9回は見る気をなくして、いつものように、お風呂に入ってしまいました。
最後に、昨夜の濱中外野手の復帰ホームランで桜井外野手なんかが大きな刺激を受けるだろうとブログに書いたりしましたが、実はよくよく考えると、一番がんばって欲しいのは今岡内野手です。多くの一般紙にも報道された今岡選手のホームページの「進退」発言にも見られるように、精神的な何かが必要なんだろうという気がしてなりません。何なのかは私には分かりませんが、2003年の首位打者、2005年の打点王と、今岡選手が好調の年にタイガースが優勝しているのはまぎれもない事実です。特に、1985年にタイガースが日本一になった後、ほどなく主軸の掛布選手が早過ぎる引退をし、1990年代に低迷して最下位が指定席となった記憶が頭をかすめます。濱中外野手なんかにははなはだ失礼ながら、今岡内野手の復調があって、本当に強いタイガースになるんだろうと思います。
何はともあれ、今夜も、
がんばれタイガース。
2007年08月04日 (土) 18:40:00
こどもの城でジャカルタのころのお友達と遊ぶ
今日も、どうという用事はないんですが、アチコチ外を出歩きます。午前中はいつものようにクリーニング屋さんと図書館に行きます。午後からも近場に出かけた後、夕方にこどもの城に立ち寄ります。今日は午後からジャカルタのころのお友達と遊ぶために、我が家の子供達が女房に連れられて出かけています。奥様方はおしゃべりですから、男親の出る幕はなく、私は外出の帰り道に少し立ち寄って、子供達の写真を撮っただけでした。
こどもの城に着いて、まず、子供達を探します。勝手知ったるご近所さんですから、我が家の子供達の知り合いに見つかって、「あ、吉岡のおとうさんだ」と大きな声で指を差されたりして、こちらからは「ウチの子、どこか知らない」と聞いたりして探し回ります。上の階から探し始めて、子供達が地下のプールを出て、ホンの少しだけ地下の通路の壁にあるフリークライミングをやっているところを見つけました。子供達といっしょに私も2階のファミリーラウンジに上がると、荷物だけが放置してあって、おかあさん方の姿が見えません。仕方がないので、今度は、私がおかあさん方を探すハメになります。地下のプール観覧室で探し当てて、子供達が2階のファミリーラウンジにいる旨を伝えます。ファミリーラウンジで目的の写真を撮り終えたので、私は早々に失礼しました。お友達の大部分は我が家のおにいちゃんと同じ小学5年生なんですが、我が家の下の子も立派に仲間に入って遊んでいて、とっても頼もしかったです。
こどもの城は我が家の徒歩圏内ですから、当然、歩いて帰ります。外出先から直行したんですが、一度、団地に戻って自転車にすればよかったと後悔しまいました。今日はそれほど外が暑かったです。最高気温は30度を軽く上回っていたと思います。それから、こどもの城から青山通りを表参道の交差点方向に歩いていると、小さな店先に花輪がいっぱい飾ってあり、人だかりが出来ていました。以前にこのブログでも紹介したサンダルのクロックスの直営店がオープンしたらしいです。今まで、大阪、名古屋、福岡と横浜のほか、東京ではお台場に直営店があったらしいんですが、今日、青山通りにオープンだそうです。1階から4階まであり、クロックス初めての路面店のショップだと宣伝していました。すごい人だかりだったので、前を通っただけで、中には入りませんでした。我が家も適確に流行りものを購入していることを実感しました。
下の写真は、こどもの城のファミリーラウンジにて、ジャカルタのころのお友達とともにおかあさん方が戻るのを待つ子供達です。

2007年08月03日 (金) 22:23:00
長期ロード第1戦は苦手の広島相手に濱中の同点弾で快勝し3位に浮上
ここしばらく、広島球場と甲子園をまたがって、広島カープ相手には10連敗近く負けていたように記憶していますが、長期ロード第1戦を幸先よく快勝し、広島に今までの借りを返して、快進撃を続ける大きなチャンスと見ました。今夜は、横浜が中日にボロ負けして、いよいよタイガースが3位に浮上しました。一気にAクラスを固めるいい機会です。唯一、気がかりなのは林選手に昨日今日と当たりが出ていないことです。濱中外野手が本来の調子を取り戻して本格復帰となれば、順当には桜井外野手に代わって6番ライトで入るような気がしますが、林選手も濱中外野手の復帰からいい意味での刺激を受けて、また、ガンガン打って欲しいものです。
がんばれタイガース。
2007年08月03日 (金) 20:45:00
性懲りもなく試合中にお風呂に入る
それにしても、失礼ながら、8回表の阪神の攻撃を見ている限り、広島もややお粗末なチームに見えてしまいます。今まで、阪神が広島を苦手にしていたのがよく分かりません。取りあえず、今夜のところは、逆転した後、金本外野手のタイムリーと桜井外野手の犠牲フライに加えて、関本内野手までタイムリーを打って、8回表を終わって4点差ですから、ひょっとしたら、万全のリリーフ陣を出すまでもなく逃切りですね。
昨夜は長風呂のために赤星外野手のタイムリーを見逃してしまったんですが、今夜は試合途中にもかかわらず、これから性懲りもなくお風呂に入ります。私が長風呂を終えるのは9時半ころでしょうから、すでに試合は終わっているんだと思います。
がんばれタイガース。
2007年08月03日 (金) 20:13:00
下の子のボーイスカウトの夏期キャンプの申込書を出す
今週は月曜日から経済評論やタイガースについて好き放題のことを書き連ねて来たんですが、今日は、8月に入って初めての週末前のエントリーということで、そんなに重くならないように、軽く流したいと思います。
実は、少し前に下の子が参加しているボーイスカウトのカブ隊の隊長さんから夏期キャンプの申込書をちょうだいしていて、ようやく、今日になって投函しました。併せて、念のためにファックスでも送っておきました。8月の下旬に富士五湖の方に行くようです。下の子は、もともとがキャンプ行きたさにボーイスカウトをやっているようなもんですし、つい先日は、おにいちゃんが港区立小学校恒例の箱根夏季学園に行ってきたところですから、ボーイスカウトのキャンプをとっても楽しみにしています。
子供も小さいころは普段から遊んでばっかりですから、夏休みになっても大きな変化はないですし、逆に、我が家のおにいちゃんくらいに小学生でも高学年になると、塾の夏期講習なんかで夏休みでも普段と同じか、もっと勉強しなければなりませんから、夏休みも勉強ばっかりで普段と変わりありません。ちょうど、我が家の下の子のように小学3年生くらいが夏休みの有り難みが大きいのかもしれません。
それにしても、今日はオフィスに人が少なかった印象があります。夏休みに入った同僚が多かったというわけでもなく、たまたま、講演会なんかに出かけていたようです。ですから、地下鉄なんかが空き始めた印象はありません。ただし、新聞は薄くなり始めた気がします。今朝の Financial Times なんか、ニュースがいっぱいある時の半分くらいの分量でした。先週から今週にかけての株式市場の下落も、東証の日経平均でいえば17,000円付近のラインで一段落つきつつあるように見られないでもありませんし、円高もそんなに一気に進むとは見られていないようです。それから、新聞だけでなく、同業者の金融機関やシンクタンクなんかのエコノミストからのニューズレターもめっきり減ったような気がします。
もっとも、大学の先生方は外国なんかに出かけ始めたようです。今日になって、知り合いの大学教授にメールを出したところ、海外出張中であると自動返信があったりしました。やっぱり、今年も夏休みの長いエコノミストの中でも大学の先生方は別格のような気がします。官庁エコノミストの夏休みが一番短いのかもしれません。
2007年08月02日 (木) 22:16:00
今夜は珍プレーで終わって長期ロードへ
6回の満塁ホームランは余計なんですが、やっぱり、その前のデッドボールの判定が阪神ファンから見れば納得いかないでしょう。でも、あそこで岡田監督が猛烈な抗議に走ったんですから、ここはボーグルソン投手に奮起してほしかったです。デッドボールの判定を受けた東京ヤクルトの田中選手が最後の三振振逃げで一塁でアウトになったんですから、溜飲を下げた阪神ファンも多かったことと思います。いずれにせよ、東京ヤクルト相手に6回で1点差なら、現在のタイガース打線であれば、追いついて逆転することは何でもありません。私は信じていましたから、お風呂に入って、赤星外野手の走者一掃の逆転打を見逃してしまいました。残念。
昔は「死のロード」と呼ばれていた、高校野球の間の長期ロードですが、今では移動なんかの負担も大きくなくなり、京セラドームが出来たので、1週間くらい続けて関西で試合するようですから、圧倒的に環境は良くなったように思います。今日のように打撃陣が活発に点を取るような試合を続けていれば投手陣の負担を軽くすることも出来ますし、それに、何といっても、今年に限ってはクライマックス・シリーズのためには3位までに入ればいいんですから、何としてもファンの夢をつないでほしいものだと思います。今日は横浜が巨人に負けましたから、3位に入るまであとわずかです。
がんばれタイガース。
2007年08月02日 (木) 19:58:00
日本経済を支えるのはミドル・マネジメントか、トップ・マネジメントか?
格差問題なんかを考える際に、よく、日本では新入社員の初任給と社長さんのお給料の差が何倍で、それに対して、米国なんかではもっと開きがある、といった報道が見られ、通常は、日本は格差が小さいことのひとつの例と考えられていますが、これに対する疑問があります。すなわち、これは結果として格差が小さいことを反映しているのかも知れないものの、この現象の原因は格差が小さいことではなく、実は、新入社員と社長さんなんかの経営者としてのトップ・マネジメントとの能力や生産性なんかの差が小さいことなんではないか、という疑問です。疑問というより、経済がグローバル化する中で、「日本のトップ・マネジメントは競争力がない」とする仮説と言うべきかもしれません。もっといえば、日本では実際に大企業や役所を動かしているのは中間管理職などのミドル・マネジメントであり、社長や大臣なんかのトップ・マネジメントは米国などに比べて、ミドル・マネジメントとの相対的な能力差や生産性の差が小さいために、お給料はそれを素直に反映しているだけではないか、と考えられなくもありません。もちろん、この場合、対象に考えているのはウェーバー的な意味での官僚制の発達した役所や大企業なんかで、ベンチャー企業や中小企業なんかには、「トップがすべて」といったところがあるのは私も十分理解しているつもりです。
まず、役所なんかでは起こりようのない事態なので私が理解できないだけかもしれませんが、民間大企業の経営者が異様なまでに買収を恐れている理由が私には分かりません。ここ数年で、いわゆる M&A が大きく増加しつつあり、今年の5月からは三角合併も可能になったんですが、企業経営者の買収、特に、敵対的買収に対する恐怖心のようなものは、私のような公務員からは想像も出来ません。昨年は阪神タイガースの親会社である阪神電鉄が村上ファンドから TOB をかけられましたし、その他、北越製紙やブルドッグ・ソースの例など、買収に対する拒否反応は枚挙に暇がありません。TBS と楽天も決着がついていません。三角合併は特別決議が必要なんですから、明らかに、TOB で過半数を押さえた後の 100%子会社化の手法だと思うんですが、日本経団連なんかの財界からの反対意見が強いのにはびっくりします。買収防衛策を企業防衛とカン違いして報道している例も散見されます。もしも、経営者の自己保身のために企業経営が歪められているのであれば、企業は経営者のものだということになるんでしょうか?
民間企業ではなく役所の方から一例を上げると、現在ではそうでもないんでしょうが、私が公務員になったころには、大臣になる政治家一般は官僚一般に比べて知性や品格において大きく上回っているわけではなく、実際に日本の行政を動かしているのは政治家ではなく官僚である、との見方を肯定する人は少なくありませんでした。これなんかはトップ・マネジメントではなく、ミドル・マネジメントが実際にコトを運んでいる、との意見に通じるものがあるような気がします。単なる想像に過ぎないんですが、民間大企業でも同じようになっている部分もあり得るんではないでしょうか?
政府の場合は国家主権との関係で、いかなる層であれマネジメントを外国人に委ねることはありえないんですが、民間企業はそのような制約はありません。実際に、提携する海外企業から社長が来て立直しを図る場合もいくつかありました。日産のゴーン社長なんかは典型的な例だと思います。では、翻って、提携先の事業会社からの派遣であればよくて、ファンドからではダメなんでしょうか。戦後日本では間接金融に偏重する資金調達に起因して、いわゆるメインバンク制が幅を利かせて、銀行から経営者が送り込まれた例は多数あります。もちろん、銀行からの融資とファンドによる株式投資は同じではありませんが、メインバンク制の下での銀行からの経営者派遣との違いははっきりしません。
年初のホワイトカラー・エグゼンプションは今のところ立消えになったように見えますが、従業員側の労働者の流動性を高めたり、研修生と称して海外から安価な労働力を導入したりする一方で、経営者の方は買収防衛策による保護を手厚くし、グローバル化の下での経営者としてのトップ・マネジメント間の競争から逃れるのは、逆に、企業がグローバル化に立ち遅れることにもつながりかねません。グローバル化は製品から始まって、資本調達、労働力、最後には、トップ・マネジメントまで行き着くことになるのは、ある意味で、自然な流れだと言えます。そうであれば、グローバル化が進展する中で、今夜のエントリーのタイトルのように、日本経済を支えるのはミドル・マネジメントか、トップ・マネジメントか、と言う疑問、また、最初に掲げた仮説は否応なく検証されざるを得ません。
2007年08月01日 (水) 19:55:00
経済政策における改革派のポジション
今日の東証株式市場は大きく値を下げました。大引けは前日比377円91銭安の1万6870円98銭でした。昨日の終り値との比率を考えると、マイナス2.19%の大幅な下げとなります。 NIKKEI.NET のサイトから最初の2パラグラフだけ引用すると以下の通りです。
1日の東京株式市場で日経平均株価は大幅続落。大引けは前日比377円91銭(2.19%)安の1万6870円98銭だった。終値で1万6900円を割り込んだのは3月16日以来、4カ月半ぶり。7月31日の米株式相場が大幅反落だったほか、外国為替市場での円高・ドル安を受けて朝方から大きく下げて始まった。値がさハイテク株を中心に売られ、後場に入るとさらに下げ幅を拡大し、日経平均は1万7000円を割り込んだ。東証株価指数(TOPIX)は反落。朝方から下げ幅を拡大し、きょうの安値圏で大引けとなった。
後場に入り、下げ幅は一時400円を超える場面があった。米の信用力の低い個人向け住宅融資(サブプライムローン)の焦げ付き問題が米国の実体経済に悪影響を及ぼしかねないとの見方が広がり、信用収縮懸念から世界的に資金が「質への逃避」を意識して、債券に向かった。アジア諸国の主要株価指数が軒並み下落していたことも売り材料になった。市場では「参院選での与党惨敗を受け、日本の政治が混乱しかねないとの懸念が広がっている」と指摘する声もあった。
私の目から見ると、米国経済がサブプライム問題に端を発して実体経済に悪影響が及ぶ可能性が出てきたため、為替の円高傾向とともに日本企業の収益が悪化する可能性が高まったことから、とっても正直に株価が下げたようです。しかし、日本企業の業績はサブプライム問題を抱えた米国企業ほどは悪化しないハズなんですが、他方で、引用にもある通り、政治の混乱の要因もあり、プラス・マイナス併せて、結局、米国なんかと同じように株価が下がっているようです。もちろん、基が米国のサブプライム問題ですから、危険回避というか、質への逃避も生じており、株が下げて債券が上げているわけです。ここで気になるのは政治の混乱が、ほぼ同義で改革路線の後退と受け止められていることです。外国人投資家なんかは改革後退をとっても嫌っているように私には見えます。では、経済政策における改革路線とはどのようなものなんでしょうか?
基本的には、改革派の経済学では緩和的な金融政策と緊縮的な財政政策の組合せが想定されています。しかし、財政政策については緊縮的なスタンスが行き過ぎて増税にまで行き着くと改革派とは見なされないように受け止められています。実証研究の成果を引用する形で、歳出削減と歳入増加の割合が7対3が望ましいと議論されたこともありました。今年度でも20兆円を超える国債を発行しているんですが、取りあえず、基礎的財政収支をゼロ、ないし、小幅の黒字に止めるのが改革派の財政政策と考えられます。微妙なさじ加減が必要そうな気がしないでもありません。マーケットでは「政府にカネを持たせるな」という声き聞きますが、これがバックにあるのかもしれません。
他方、金融政策は基本的に緩和的、すなわち、低金利が志向されているようです。財政再建の立場からドーマー方程式の第2項をマイナスにするため、名目成長率を超えない金利水準が必要との意見もありました。金利水準が低いと何が起こるかと言えば、貯蓄超過主体から貯蓄不足主体への所得の移転が生じます。伝統的には家計が貯蓄超過主体で企業や政府が貯蓄不足主体と考えられていますが、昨今の好調な企業収益から一部には貯蓄超過になっている企業もあります。これに従って、政府は通常考えられる以上に大きな貯蓄不足主体となっています。加えて、忘れていけないのは海外部門で、日本から見て海外部門は貯蓄不足主体ですから、低金利に伴う円安によりドル建て価格が低下する効果が生じています。実質為替レートと名目レートの違いを捨象すれば、交易条件は為替レートの逆数ですから、円安が進むと海外部門から見た交易条件が改善していることになります。ですから、日本の輸出品をいっぱい買ってくれています。
最後に、財政金融政策とは少し違うカテゴリーかもしれませんが、改革派は高成長を志向しています。成長とは労働力の増加、資本ストックの増加、全要素生産性( TFP ) の向上ですから、少なくとも、低金利は資本ストックの増加には寄与します。しかし、日本はすでに人口減少時代に突入し、女性や高齢者の労働力率を上昇させることは一時的には可能でも、移民の受入れという、ややトリッキーな政策を採用しない限り、労働力は傾向的に減少することは明らかです。また、1990年代の低成長期の原因として、東京大学の林教授なんかは全要素生産性の低下が原因であるとする実証研究結果を発表していたりしますので、生産性を向上させて成長を加速するのは大いに有望そうに見えます。しかし、現時点では、政策的に全要素生産性を引き上げることには大きな無理があります。全要素生産性を決定する要因が解明されていないからです。全要素生産性の決定要因を多くのエコノミストが納得する形で提示できれば、ノーベル経済学賞は間違いありません。
いずれにせよ、私から見れば、改革派の経済政策のポジションは決して自明ではなく、とっても微妙なものに見えます。野放図な財政拡大は改革派とは見なされませんが、逆に、大幅な増税も排除されています。成長の加速は政策的に実現できるかどうか、かなり怪しげです。政府が構造改革として取り組むべき課題を改めて考える必要はないのでしょうか?