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2019年06月17日 (月) 22:25:00

人気のあった東京オリンピックの観戦チケット抽選申し込みやいかに?

とても旧聞に属する話題ですが、東京オリンピックの観戦チケットの事前抽選申し込みについて、6月3日にネオマーケティングから「東京オリンピック事前抽選申し込みに関する調査」の結果が明らかにされています。

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実際に、抽選申し込みを行なった式典・競技のランキングのテーブルは上の通りです。何と、トップは「開会式」となっており過半数を上回る52.4%の人がに申し込みを行なっており、2番目の「閉会式」の19.6%に大き差をつけ、圧倒的な人気を誇っています。この2つの式典を別にすれば、競技としては「陸上競技」、「サッカー」、「水泳(競泳)」、「体操(体操競技)」、「野球」、「テニス」、「卓球」、「柔道」といった競技への申込みが多くなっています。判る気がします。

我が家は諸般の事情により、今回は抽選申し込みを見送りました。さて、抽選結果やいかに?
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2019年06月16日 (日) 19:00:00

9回に福留選手の一打で追いついてオリックスと延長12回引き分け!

 十一十二 RHE
阪  神000000302000 531
オリックス000140000000 5130


サウスポーに打線が沈黙しながらも、9回にクローザー増井投手を捉えて引き分けに持ち込みました。まあ、負けそうな試合でしたので、0.5勝くらいにカウントしていいのかもしれません。それにしても、いくら何でも、12イニングズで3安打はひどいと思います。

次の楽天戦は、
がんばれタイガース!
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2019年06月15日 (土) 21:50:00

またまたクローザーが抑えに失敗してオリックスにサヨナラ負け!!!

  RHE
阪  神000101000 263
オリックス100000002x 380


クローザーのドリス投手が抑えに失敗しオリックスにサヨナラ負けでした。投手もさることながら打線も湿りっぱなしで3連敗です。近本選手が3試合連続ノーヒットで打てなくなりましたね。木浪選手も早くからダウンのようですから、ルーキーに頼らない打線を組めないんでしょうか。関西ダービーでオリックス相手に、大阪ドームですから本拠地の甲子園と大きな違いはなく、阪神ファンも少なくなかったと思うんですが、なんともガッカリです。

明日は何とか、
がんばれタイガース!
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2019年06月15日 (土) 11:39:00

今週の読書はリチャード・クー『「追われる国」の経済学』ほか経済書中心に計5冊!

このところ、少しずつペースダウンに成功しつつあり、今週は経済書中心に以下の5冊です。リチャード・クー『「追われる国」の経済学』は久々に読みごたえある本格的な経済書でした。なお、今日の土曜日が雨ですので自転車に乗れず、まだ徒歩圏内の図書館しか行けていないんですが、やっぱり、数冊の読書になりそうな予感です。明日の日曜日に近隣図書館を自転車で回りたいと予定しています。うまくいけば小説も読めるかもしれません。

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まず、リチャード・クー『「追われる国」の経済学』(東洋経済) です。英語の原題は The Other Half of Macroeconomics であり、2018年の出版です。この原題の趣旨は後ほどもう一度取り上げます。著者はご存じの通り野村総研のエコノミストであり、世界的にも影響力があると考えられています。これも広く知られたバランシシート不況の主張を本書ではさらに拡大し、「追われる国」あるいは、被追国になれば、サマーズ的な secular stagnation 長期停滞論やインフレ率が上昇せずデフレ的な経済状況が継続することや、金融政策が量的緩和までやっても効果ないことや、はては、1930年代にナチズムやファシズムが台頭した要因までが明らかにされる、というカンジです。なお、出版社の東洋経済のオンライン・サイトには「追われる国」で金融政策が効かない根本理由に関する解説記事がありますので、この読書感想文ととともに参考になるかもしれません。ということで、著者が前々から指摘しているバランスシート不況は、資金の出し手がありながら有望な投資プロジェクトがなく、資金の取り手がいないために貯蓄過剰となり、金融政策の効果が大きく殺がれる、もしくは、ほぼ無効になる、という状況を指しており、本書で何度も繰り返して振り返る p.35 の図1-3の3と4の状態を指します。ここで英語の原題に戻りますが、この図1-3の左側の1と2が主流派経済学の対象とするモデルであり、右側の3と4が The Other Half of Macroeconomics なわけです。そして、その最上級なのが追われる国、被追国であり、労働が生存部門から資本家部門に移動して、ルイス転換点(LTP)を超えて、本書でいうところの黄金期、我が国でいえば、1950~60年代の高度成長期を終了した段階に達すると、国内で投資に対する資金需要が低下するとともに、途上国や新興国といった海外投資が国内投資よりも高リターンになる、というのが被追国で、こうなると、国内投資はますます実行されなくなり、海外投資に資金が流れ、金融政策でいくら金利を下げても、量的緩和をしても、国内での投資が過小となり、逆から見ると、国内貯蓄が過剰となります。貯蓄投資バランスは事後的に必ず一致してゼロとなりますから、民間部門が過剰貯蓄であれば、残る海外部門か政府部門がこの貯蓄を吸収して投資をせねばなりません。海外部門は世界各国で相殺すればでネットでゼロになるわけですから、政府支出で民間部門の過剰貯蓄を吸収せねばいつまでも長期停滞が続くわけですから、先進各国が金融政策に頼っている現状は間違いであり、財政政策で停滞を脱しなければならない、というのが本書のエッセンスです。本書では、それを別の角度から見て、従来の伝統的経済学で暗黙の前提とされている企業部門の利潤最大化ではなく、企業部門が負債返済に最大のプライオリティを置く経済とか、あるいは、中央銀行が最後の貸し手になるをもじって、政府が最後の借り手になる、とかの印象的な表現をいろいろなところで用いています。それなりに、判りやすい表現とか理屈ではないかと思います。私の実感、というか、定型化された事実を矛盾なく表現できるモデルが提示されている印象です。少なくとも、私のような左派の財政支出拡大を主張するエコノミストには、とても受け入れられやすい本書の主張なんですが、おそらく、右派の財政均衡論者には不満が残る点があるんではなかろうかという気がします。というのは、財政支出拡大による収支均衡からの逸脱や政府財政破綻の可能性について、本書は何の論点も提示していません。最近のMMTはもちろん、ケインズ的な長期に我々はみんな死んでいる、といった言い訳もせず、ひたすら無視しています。ある意味で、見上げた態度かもしれません。私はこれで正解だと受け止めているんですが、右派エコノミストの中には難癖をつけたりする人がいるかもしれません。最後に、どうでもいいことながら、開発経済学を専門分野のひとつとする私にとって、ルイス転換点(LTP)がここまで何度も頻出する経済書は久し振り、というか、開発経済学の専門書を別にすれば、初めてかもしれません。第3章では1ページあたり平均3回くらいLTPというのが出てくるような印象です。それなりに感激しました。

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次に、小峰隆夫『平成の経済』(日本経済新聞出版社) です。著者は、私の先輩筋に当たる官庁エコノミストのご出身の研究者です。私は研究畑で計量経済モデルをシミュレーションしたり、学術論文を書いたり、それを学会発表したりしていたんですが、ホントの官庁エコノミストというのは「経済白書」を執筆したりするものなんだということを思い起こさせられました。でも、私はこの著者の部下として働いたこともあったりします。ということで、本書でも、その昔の「経済白書」や省庁再編後の「経済財政白書」などからの引用がいっぱいあったりします。なお、本書はこの出版社から出ている「平成3部作」の1冊であり、ほかに『平成の政治』と『平成の経営』があります。私は前者は読んだんですが、対談や鼎談を収録しているだけでした。後者は読むかどうか迷っています。経営についてはともかく、政治と経済については、一般常識として、経済はバブル経済で平成が始まって、バブルが崩壊して長期停滞の後、アベノミクスで何とか復活を遂げつつある、というのが実感で、政治については、消費税の導入で始まって自民党一党与党体制が連立になり、いろいろな連立政権が試行された後、また、非自民の政権交代もあった後、結局、現時点では自公連立政権が支配的、ということなんだろうと思います。そして、いずれにせよ、その政治経済の底流には対米従属があり、米国からの本格的な独立を志向する政権は長続きしない、というのは間違いではないように私は受け止めています。長くなりましたが、本書では、バブル経済でユーフォリアが支配的だった平成初期の経済、さらに、そこに消費税が導入され、景気拡大という自然増収による財政再建ではなく、税制の変更に立脚した財政再建が試みられたところから始まった平成の経済をコンパクトによく取りまとめています。ただ、バブル経済についてはストックの視点だけから語られていますが、私が平成元年の「経済白書』を読んでややショックだったのは、フローの面で日本経済が新たな段階に入って、景気循環は消滅したとは書かれていませんでしたが、かなりの程度に景気循環が克服されたような印象で捉えられていた点です。この平成元年の「経済白書」のフロー面の記述については本書でも注目していません。私からはやや不思議な気がします。私は定年まで経済官庁に勤務していながら、不勉強にして、いまだに経済循環を克服した経済体制を知りません。我が国がアベノミクスでかなり長期の経済回復を果たしたのは事実ですが、現時点で、景気転換局面に差しかかっている可能性を否定できるエコノミストは少ないと思いますし、遠からず、景気は転換する可能性が充分あると考えるエコノミストが多数派ではないかと受け止めています。さて、本書に戻って、私が疑問と考える分析結果が2点あり、ひとつは「実感なき経済回復・拡大」の原因を成長率が低い点に求めていることです。私は賃金上昇率が低かった点が原因ではないかと考えています。すなわち、労働分配率の低下も「実感なき」の一員と考えますし、格差の拡大ももう少しスポットを当てていいんではないかという気がします。第2に、最後の結論で、短期的な需要面の政策ではなく中長期的な構造対策に重点をくべきという考え方です。というのは、従来からの私の主張である右派と左派の違いもさることながら、現在の景気局面を完全雇用から考えるべきではない、と私は考えています。すなわち、完全雇用が達成されているのは景気ではなく、デモグラフィックな人口要因に起因するということはあまりにも明らかであり、完全雇用が達成されたからもう短期政策は不必要、というわけでもなかろうと考えています。加えて、量的な雇用だけでなく、質的な正規・非正規とか、賃金上昇がまだ始まっていないとか、完全雇用が達成された、かどうかはまだ議論あるんではないでしょうか、という気がしなくもありません。

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次に、岡田羊祐『イノベーションと技術変化の経済学』(日本評論社) です。著者は、一橋大学の研究者であり、同時に、公正取引委員会競争政策研究センターの所長も務めています。本書はタイトル通りのイノベーションや技術論に関する大学学部レベルないし大学院博士前期課程くらいの学生・院生を対象に想定しているようです。学生か院生かはそれぞれの大学や大学院のレベルに依存するんだろうと思います。どうでもいいことながら、私が地方大学に出向していた際に、各年版の「経済財政白書」はどの段階で教えるべきか、と考えていたところ、学部3~4年生を想定する教員と大学院博士前期課程を想定する教員と両方いたりしました。本題に戻ると、本書は4部構成であり、第1部 技術変化と生産性、第2部 イノベーションと競争、第3部 イノベーションと組織、第4部 イノベーションと政策で成り立っています。特に、第3部の第8章 技術の複合的連関とシステム市場においては、最近時点でのデジタル経済の発展やGAFAなどのプラットフォーマーに情報が集中する経済における競争政策やイノベーションについて論じていて、この章だけでも大いに得るものがありそうな気がします。ということで、イノベーションや技術革新といえばシュンペーターの名が思い起こさせられますが、本書でもシュンペーターが掲げた2つの仮説、すなわち、独占的な市場ほど技術変化が起こりやすい、および、企業規模が大きいほど技術変化は効率的に遂行される、の2点を軸に議論が展開されます。独占とイノベーションの関係については、特許により事後的な独占が期待できるのであればイノベーションのインセンティブは高まる一方で、事前的に市場独占が形成されていればイノベーションの必要なく大きな利潤を上げることができることから、イノベーションのインセンティブは決して高くないとも考えられます。企業規模についても同様に、余裕資金あればイノベーションの活発化につながる一方で、十分なキャッシュフローは革新へのインセンティブを殺ぐ場合もあり得ないことではありません。本書では、こういった理論的なモデルを展開しつつ、我が国のイノベーション環境についても概観しているわけですが、私のようなシロートが見る限り、イノベーションの基となる技術開発については何らかの外部効果を伴うわけであり、その意味で、イノベーションへのリソースのインプットは過少になる可能性がありますから、何らかの公的資金の投入が必要とされる場面も想定すべきことはいうまでもありません。本書では、それなりにイノベーションについて鳥瞰的な広い視野から、かつ、包括的に学習できるように工夫されています。ただ、本書の冒頭にあるような意図のひとつである実証的な研究に対しては、少し手が伸びていないような気もします。

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次に、譚璐美『戦争前夜』(新潮社) です。著者は東京生まれの中国人文学者です。本書のサブタイトルは「魯迅、蔣介石の愛した日本」となっており、日本への留学経験あるこの2人の中国人文豪と軍人を通して日中関係、特に、1930年代の日中戦争前までの日中関係に光を当てようと試みています。私の目から逆に見て、徳川期の鎖国を終了して明治維新を迎え、日清戦争や日露戦争で対外的な領土拡大を成し遂げた一方で、さらに大正デモクラシーの背景をもって、日本人が中国大陸や台湾を含め、あるいは、本書ではややスコープ外ながら、東南アジアやさらに欧米まで、ひょっとしたら、21世紀の現時点よりも国際化、というか、対外進出が、いい意味か悪い意味かを別にすれば、進んでいたような印象を持ちます。日本人が外国に留学に行ったり、あるいは、魯迅と蔣介石の例のように留学生を受け入れたり、といったのはいい例のケースが多そうな気がする一方で、軍事力の背景をもって対外進出を強行した例も決して無視できない可能性があります。いずれにせよ、魯迅と蔣介石の例のように中国から留学生を受け入れていた本書の時期はほぼほぼ100年前であり、戦争や中国大陸での共産革命、さらに日中国交樹立から今世紀に入っての尖閣諸島の領有をめぐる確執などなど、さまざまな日中関係の原点が100年前にあったのかもしれません。東アジアでは一足先に開国と近代化というよりは西洋化を進めた日本に対して、中国では解放改革が遅々として進まず、日清戦争では日本に敗れ、20世紀の辛亥革命による近代国家の成立を待たねばなりませんでした。辛亥革命後も混乱が続いたのは、明治維新後の日本と対照的な気もします。もちろん、本書はそういった国内政治や、あるいは、外交・安全保障などをテーマにしているわけではありませんが、その一端はうかがい知ることができます。というのも、主たる舞台は日本では東京であり、中国大陸では上海となっていますが、中国政府のあった北京も時折登場します。また、決して既存文献の渉猟に終始することなく、何人かの関係者の末裔にインタビューするなどといった著者のアクティブな取材に基づく記述も見受けられます。もちろん、魯迅と蔣介石のたった2人だけによって広い中国を代表させるのは無理があるわけですが、ひとつの視点として大いに代表性はあるような気もします。

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最後に、尾脇秀和『壱人両名』(NHKブックス) です。著者は、神戸大学の研究院であり、専門は日本近世史です。私はこの著者の『刀の明治維新』(吉川弘文館) を読んだことがあり、昨年2018年10月7日の読書感想文で取り上げています。ということで、本書では、私のようなシロートには「士農工商」としか知らない徳川期の身分制度における方便のような事実上の抜け穴となっていた「壱人両名」の実態について、決して体系的ではないんですが、個別の史実を積み上げて、解明を試みるよいうよりは、例外的な身分制度上の取り扱いが存在した、という事実を世間に明らかにしようとしています。ノッケから、公家の正親町三条家に仕える公家侍の大島数馬と、京都近郊の村に住む百姓の利左衛門の例を持ち出して、この2人は名前も身分も違うが、実は同一人物である、といった徳川期の身分制度の例外的な扱いを明らかにし、常識的な徳川期の身分制度しか知らないシロートの私のような読者に、例外的で決して多数に上るとは思えないながら、それまでの常識を覆すような事実を突きつけて本書は始まります。日本近世の封建制度下にあっては、氏名、服装、職業、住居などなどの個人の属性が身分によって固定化されており、しかも、おそらく戸籍上の把握や納税の便だと思うんですが、人別と支配があり、それを二重に持っていながら、実は自然人としては1人である、といった例を豊富に持ち出し、その上で、こういった「壱人両名」が建前としての制度からはみ出ていながら、実態に即する形でまかり通っていた事実を明らかにしています。ただ、融通を利かせる目的で黙認された例もあれば、ご本人の我がままのために勝手・不埒な「壱人両名」と見なされて、あるいは、もとより徳川期には違法とされていたことから、何らかの処罰を受けた例まで、いろいろと取りそろえられています。ただ、今となってはどうしようもありませんが、実印から同一人物と特定するのであれば、個別のケーススタディに終始するのではなく、例えば、特定の一村においてどのくらいの割合の「壱人両名」が存在したのかについて、何らかの統計的な把握を試みることはできなかったのか、とやや残念な気もします。徳川期の天下泰平の下で、お役に着けない貧乏御家人が内職に励んだのは有名なお話で、私が長らく勤め上げた公務員に兼職や副職が原則として認められなかったのとは大違いで、そういった内職的な役割を別に持つというノリと同じような気もします。もちろん、そもそも、御家人の内職や本書で注目している「壱人両名」の存在が歴史の大きな流れに何らかの影響を及ぼしたとは、私は決して思いませんが、歴史的な教養というか、それなりの学識ある教養人の話題を豊富にするという意味はあるような気がします。従って、本書のような歴史上の細かなネタを展開した本は私は大好きです。
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2019年06月14日 (金) 21:15:00

終盤に継投を失敗しオリックスに逆転負け!!!

  RHE
阪  神020000200 471
オリックス20000004x 671


終盤に継投を失敗しオリックスに逆転負けでした。やっぱり、西投手には勝ち星がつきませんでした。でも、初回に先制を許し、締め近い8回には早々に走者を出したんですから、西投手も詰めが甘い気がします。打線はこんなもんです。いずれにせよ、4点取ったら勝たねばなりません。

明日の関西ダービー第2戦は、
がんばれタイガース!
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2019年06月14日 (金) 20:25:00

東京商工リサーチ「想定為替レート」調査の結果やいかに?

やや旧聞に属する話題かもしれませんが、今週月曜日の6月10日に東京商工リサーチから「想定為替レート」調査の結果が明らかにされています。東証の1部と2部に上場しているメーカー128社の2020年3月決算における想定レートの調査結果です。単なる平均値や中央値だけでなく、ある程度、分布が明らかにされています。

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ということで、調査結果は東京商工リサーチのサイトから引用した上のグラフの通りとなっています。1年前の2019年3月期決算の期初の想定為替レートは、米国の長期金利上昇などに起因する2018年2月の世界同時株安の余波や米中間の貿易摩擦の深刻化などが懸念され、やや円高の1ドル=105円の企業が85社、66.4%で、もっとも多かったんですが、米国の連邦準備制度理事(FED)の利上げが相次いでドル高円安に振れ、一時115円近い水準まで達するなど、105円の想定水準よりも円安の時期が続いたため、2020年3月期は1ドル=105円から110円に変更するメーカーが目立っています。すなわち、期初の対ドル想定為替レートを110円に設定しているのが75社、58.5%と過半に上り、うち、51社が昨年の想定レート105円から今年の110円に変更しています。上のグラフのうちの上のパネルに見られるように、110円水準を中心に見れば、やや円高水準を想定する企業が多いんですが、全体として、昨年よりも円安水準を想定する企業が大いのは見ての通りです。実際に、3月調査の日銀短観では大企業・製造業の2019年度の想定為替レートは108.87円との結果を弾き出しており、上場メーカーの110円想定レートは日銀短観とも違和感ありません。
今週月曜日6月10日に、内閣府から1~3月期のGDP統計2次QEが公表された際、多くのエコノミストとともに、私も対外要因が我が国経済の先行きにおける最大のリスクと考えている点は同じとしても、私自身は米中貿易摩擦の余波で我が国から中国向けの輸出が影響を受けるのもさることながら、米国の連邦準備制度理事会(FED)が金融引き締めをストップし、金利引き下げに転ずることに伴う為替レートの増価、すなわち円高が最大の先行きリスクと考えていると明らかにしましたが、昨年2018年度から今年2019年度にかけて、上場メーカーの想定レートが円安に修正されているようですから、実際の対ドルレートが円高に振れれば、円安に設定変更された想定レートとの対比で、上下両方向でのダメージがかなり大きい可能性が否定できません。
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2019年06月13日 (木) 20:30:00

先発高橋投手のナイスピッチングを貧打で見殺し!!!

  RHE
阪  神000000000 020
ソフトB00000030x 350


好投の高橋投手を貧打で見殺し、ソフトバンクに完敗でした。高山選手の2安打だけでは得点のしようもなく、先発高橋投手は7回グラシアル選手のスリーラン一発に沈みました。2時間半足らずの見応えある投手戦でしたが、打線が何とかしないと投手が育ちません。

明日からの関西ダービーは、
がんばれタイガース!
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2019年06月13日 (木) 19:40:00

2四半期連続でマイナスとなった法人企業景気予測調査の景況感判断指数BSIの先行きやいかに?

本日、財務省から4~6月期の法人企業景気予測調査が公表されています。ヘッドラインとなる大企業全産業の景況感判断指数(BSI)は1~3月期▲1.7の後、足元の4~6月期も▲3.7と、2四半期連続でマイナスを付けた後、先行き7~9月期には+6.7とプラスに転じ、10~12月期も+0.4とプラスを続ける、と見込まれています。まず、日経新聞のサイトから記事を引用すると以下の通りです。

大企業景況感、2期連続のマイナス 4~6月
財務省と内閣府が13日発表した法人企業景気予測調査によると、4~6月期の大企業全産業の景況判断指数(BSI)はマイナス3.7だった。マイナスは2四半期連続。前回調査の1~3月期はマイナス1.7だった。
先行き7~9月期の見通しはプラス6.7となった。4~6月期は大企業のうち製造業がマイナス10.4で、非製造業はマイナス0.4だった。中小企業の全産業はマイナス15.0だった。
2019年度の設備投資見通しは前年度比9.0%増だった。前回調査では6.2%減だった。
景況判断指数は「上昇」と答えた企業と「下降」と答えた企業の割合の差から算出する。


いつもながら、簡潔かつ包括的によく取りまとめられた記事だという気がします。次に、法人企業景気予測調査のうち大企業の景況判断BSIのグラフは以下の通りです。重なって少し見にくいかもしれませんが、赤と水色の折れ線の色分けは凡例の通り、濃い赤のラインが実績で、水色のラインが先行き予測です。影をつけた部分は景気後退期を示しています。

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法人企業景気予測調査のヘッドラインとなる大企業全産業の景況判断指数(BSI)は4~6月期に▲3.7を示しましたが、大企業の産業別内訳では、引用した記事にもある通り、製造業が▲10.4の大きなマイナスに対して、非製造業はほぼ横ばいの▲0.4となっています。大企業製造業のうち、特にマイナス寄与の大きかった産業を詳しく見ると、自動車・同附属品製造と生産用機械器具製造がともに▲20超の大きなマイナスを記録しています。この両産業に限りませんが、米中間の貿易摩擦の深刻化による先行き不透明感が企業マインドに影を落としていると私は考えています。他方、大企業非製造業でマイナス寄与が大きいのは建設業の▲16.7であり、人手不足による人件費の上昇が負担となっている可能性が示唆されているようにも感じます。また、先行きの景況感について大企業全産業について見ると、7~9月期には+6.7に跳ね上がった後、10~12月期には+0.4と見込まれています。10月の消費増税以降の景況感が、私の目から見て、やや楽観的な気がしなくもありません。もちろん、2014年4月の8%への引き上げ時と違って、今回は引き上げ幅がやや小さい上に、多彩な政府の対応策が用意されていますので、2014年4月の時ほどの大きな落ち込みが見られない可能性があるのも事実です。景況判断以外のほかの調査項目を簡単に見ておくと、雇用については人手不足が続いており、特に、非製造業で不足感が強くなっています。設備については大企業よりも中堅企業や中小企業で不足感が強く、本年度2019年度の設備投資計画は全規模全産業の前年度比で+9.0%増と見込まれています。製造業が+9.2%増、非製造業も+8.8%増と大きな違いは見られません。製造業では化学工業の寄与が、非製造業では運輸業・郵便業の寄与が大きくなっています。

企業マインドについては、6月調査の日銀短観が7月1日に公表の予定となっています。米中間の貿易摩擦に伴う先行き不透明感は、どこまで織り込まれた結果が出るんでしょうか。
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2019年06月12日 (水) 21:40:00

先発青柳投手のナイスピッチングでソフトバンクに爆勝!!!

  RHE
阪  神000202220 8131
ソフトB001001000 240


昨夜の延長12回引き分けの後、今夜は青柳投手のナイスピッチングでソフトバンクに爆勝でした。青柳投手は7回2失点自責点1ですから文句なしのQSで、後をつないだ島本投手と守屋投手もしっかりとゼロに抑えきりました。打つ方では梅野捕手のツーランで先制し、さらに1点差に詰め寄られると、やっぱり梅野捕手のタイムリーで突き放し、先発和田投手を降板させてからの終盤は乱れ打ちでした。それにしても、植田選手のホームランにはびっくりでした。

明日も、
がんばれタイガース!
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2019年06月12日 (水) 19:22:00

3か月連続の増加を示す機械受注と上昇率の縮小した企業物価(PPI)!

本日、内閣府から4月の機械受注が、また、日銀から3月の企業物価 (PPI) が、それぞれ公表されています。機械受注のうち変動の激しい船舶と電力を除く民需で定義されるコア機械受注は、季節調整済みの系列で見て前月比+5.2%増の9137億円を示しており、PPIのヘッドラインとなる国内物価の前年同月比上昇率は+0.7%と前月の+1.3%から上昇率が縮小したものの、引き続き、プラスの上昇率を継続しています。まず、日経新聞のサイトから記事を引用すると以下の通りです。

4月の機械受注、前月比5.2%増 市場予想0.8%減
内閣府が12日発表した4月の機械受注統計によると、民間設備投資の先行指標である「船舶・電力を除く民需」の受注額(季節調整済み)は前月比5.2%増の9137億円だった。QUICKがまとめた民間予測の中央値は0.8%の減少だった。
うち製造業は16.3%増、非製造業は1.2%増だった。前年同月比での「船舶・電力を除く民需」受注額(原数値)は2.5%増だった。内閣府は基調判断を「足踏みがみられる」から「持ち直しの動きがみられる」へと変更した。
機械受注は機械メーカー280社が受注した生産設備用機械の金額を集計した統計。受注した機械は6カ月ほど後に納入されて設備投資額に計上されるため、設備投資の先行きを示す指標となる。
5月の企業物価指数、前年比0.7%上昇 前月比は0.1%下落
日銀が12日発表した5月の国内企業物価指数(2015年平均=100)は101.8と前年同月比で0.7%上昇、前月比で0.1%下落した。市場予想の中心は前年比で0.7%上昇だった。
円ベースでの輸出物価は前年比で2.7%下落、前月比で1.4%下落した。輸入物価は前年比1.4%下落、前月比で0.3%下落した。


長くなりましたが、いつもながら、包括的によく取りまとめられた記事だという気がします。次に、機械受注のグラフは以下の通りです。上のパネルは船舶と電力を除く民需で定義されるコア機械受注とその6か月後方移動平均を、下は需要者別の機械受注を、それぞれプロットしています。色分けは凡例の通りであり、影をつけた部分は景気後退期を示しています。

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まず、機械受注のうち変動の激しい電力と船舶を除く民需で定義されるコア機械受注について、日経・QUICKによる市場の事前コンセンサスは▲1%ほどの減少だったんですが、実績値では逆に+5.2%の増加を示しています。今年2019年に入ってから、1月に▲5.4%の減少となった後、2月+1.8%増、3月+3.8%増、4月+5.2%増と、3か月連続での増加となり、統計作成官庁である内閣府では基調判断を「足踏み」から「持ち直しの動き」へ上方修正しています。先月の3月統計公表時に4~6月期見通しが明らかにされており、コア機械受注は+15.7%増の2兆9,236億円とされていて、4月統計はこれに整合的な動きとも考えられるんですが、いかんせん、5月から激化し始めた米中間の貿易摩擦による関税率引き上げが、まだこれには盛り込まれていませんから、かなり割り引いて考える必要がありそうな気がします。特に、4月統計系では製造業が前月比+16.3%増、電力と船舶を除く非製造業が+1.2%増の結果でしたが、製造業の大きな伸びは大型案件に起因するようですし、4月単月の結果ながら、先行指標の外需が大きく減少しているのも気がかりです。先行きについては、製造業というよりも、むしろ、人手不足への対応による非製造業が底支えし、横ばいないし緩やかな増加を示す、との従来からの見方を変更する必要はないものと私は考えています。

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続いて、企業物価(PPI)上昇率のグラフは上の通りです。一番上のパネルは国内物価、輸出物価、輸入物価別の前年同月比上昇率を、真ん中は需要段階別の上昇率を、それぞれプロットしています。色分けは凡例の通りであり、影をつけた部分は景気後退期を示しています。企業物価(PPI)のヘッドラインとなる国内物価については、つい半年あまり前までの2018年7~10月の期間は4か月連続で前年同月比上昇率が+3%に達っしていたんですが、5月統計では+1%を割り込みました。国際商品市況における石油価格は、昨年2018年10~12月期にピークをつけた後、しばらく低下を続けましたが、最近になって上昇に転じ、米中間の貿易摩擦で中国経済への影響が懸念されてまた下落する、という慌ただしい動きとなっており、我が国物価へのインパクトもさまざまです。5月の国内物価指数では、どこまで米中間の貿易摩擦の影響が織り込まれているか私には不明なんですが、銅地金などの非鉄金属が4月の前年同月比▲2.8%から5月には▲6.2%まで下落幅を拡大し、石油・石炭製品も4月の+4.1%から5月には+1.1%に上昇幅を縮小させており、はん用機器、生産用機器、業務用機器なども軒並み上昇幅が縮小したり、マイナスに転じたりしています。一部に中国経済の停滞が織り込まれているのかもしれません。繰り返しになりますが、あくまで私の想像であり、官庁エコノミストを定年退職した身としては、それほどの情報を持っているわけではありません。というか、官庁エコノミストのころから、それほどの情報は持っていなかったんですが、ますます情報が入って来なくなったのも事実です。
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2019年06月11日 (火) 22:55:00

勝たねばならない試合をソフトバンクと引き分け!!!

 十一十二 RHE
阪  神000200000000 251
ソフトB000100001000 251


ほとんど見ていないんですが、勝てる試合を引き分けたような気がします。まあ、それでも相手は王者ソフトバンクですから、引き分けでもよしとすべきなのかもしれません。

明日は、
がんばれタイガース!
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2019年06月11日 (火) 21:12:00

セイコー「時間白書2019」による現代人の時間単価やいかに?

昨日6月10日は時の記念日でした。知っている人は知っていると思いますが、『日本書紀』において天智天皇10年に我が国初の時計が鐘を打った日のグレゴリオ暦の日付だそうで、今年も6月6日付けで、セイコー「時間白書2019」が明らかにされています。詳細なリポートから、私の興味の範囲で、いくつかグラフとともにトピックを取り上げておきたいと思います。

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まず、私が興味を持ったのは時間価値であり、上のグラフはセイコーのサイトから引用していますが、オンタイムとオフタイムそれぞれ1時間の時間価値の自己評価をプロットしています。オンタイムもオフタイムも最近ジワジワと上昇を示しています。オンタイムについては、大雑把に、1時間4,000円として時給に相当すると考えれば、1日8時間と月20日働けば月給で64万円、ボーナスなどを無視すれば年収768万円に上りますから、先週火曜日の6月4日に取り上げた東京商工リサーチの調査による上場企業平均年間給与の606万円を25%ほど上回ります。平均的なこのアンケートの対象が高額所得者なのか、それとも、やや高めに回答するバイアスがあるのか、よく判りません。オフタイムの時間価値については比較する対象がありませんが、確かに、これくらい貴重な気もします。1時間当たり平均9,632円と昨年調査結果の7,226円よりも2,406円、前年比+33.3%増と大きく伸びています。ワークライフ・バランスの見直し機運もオフタイムの時間価値増加に寄与している気がします。

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次に、曜日別に大切にしている時間帯のヒートマップをセイコーのサイトから引用すると上の通りです。月曜日の出勤前と週末金曜日から土日にかけての夕方から夜、というのはとてもよく判る気がします。

ここに取り上げた項目のほかに、時間に追われている感覚は改善せず。せわしさ感は横ばいが続いているとか、セイコーのサイトにはいろいろと興味深い調査結果が取りまとめられています。
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2019年06月10日 (月) 19:48:00

1-3月期GDP統計2次QEは1次QEからわずかに上方改定される!

本日、内閣府から1~3月期のGDP統計2次QEが公表されています。季節調整済みの前期比成長率は+0.6%、年率では+2.2%と、1次QEからわずかに上方改定されています。2四半期連続のプラス成長で、1~3月期は前期よりも成長が加速しています。まず、日経新聞のサイトから記事を引用すると以下の通りです。

1-3月期のGDP改定値、年率2.2%増に上方修正 速報は2.1%増
内閣府が10日発表した1~3月期の国内総生産(GDP)改定値は、物価変動を除いた実質で前期比0.6%増、年率換算では2.2%増だった。速報値(前期比0.5%増、年率2.1%増)から上方修正となった。法人企業統計など最新の統計を反映した。
QUICKがまとめた民間予測の中央値は前期比0.5%増、年率2.2%増となっており、速報値から小幅に上振れすると見込まれていた。
生活実感に近い名目GDPは前期比0.8%増(速報値は0.8%増)、年率は3.4%増(同3.3%増)だった。
実質GDPを需要項目別にみると、個人消費は前期比0.1%減(同0.1%減)、住宅投資は0.6%増(同1.1%増)、設備投資は0.3%増(同0.3%減)、公共投資は1.2%増(同1.5%増)。民間在庫の寄与度はプラス0.1%(同プラス0.1%)だった。
実質GDPの増減への寄与度をみると、内需がプラス0.1%(同プラス0.1%)、輸出から輸入を差し引いた外需はプラス0.4%(同プラス0.4%)だった。
総合的な物価の動きを示すGDPデフレーターは、前年同期に比べてプラス0.1%(同プラス0.2%)だった。


ということで、いつもの通り、とても適確にいろんなことが取りまとめられた記事なんですが、次に、GDPコンポーネントごとの成長率や寄与度を表示したテーブルは以下の通りです。基本は、雇用者報酬を含めて季節調整済み実質系列の前期比をパーセント表示したものですが、表示の通り、名目GDPは実質ではなく名目ですし、GDPデフレータと内需デフレータだけは季節調整済み系列の前期比ではなく、伝統に従って季節調整していない原系列の前年同期比となっています。また、項目にアスタリスクを付して、数字がカッコに入っている民間在庫と内需寄与度・外需寄与度は前期比成長率に対する寄与度表示となっています。もちろん、計数には正確を期しているつもりですが、タイプミスもあり得ますので、データの完全性は無保証です。正確な計数は自己責任で最初にお示しした内閣府のリンク先からお願いします。

需要項目2018/1-32018/4-62018/7-92018/10-122019/1-3
1次QE2次QE
国内総生産 (GDP)▲0.1+0.6▲0.6+0.5+0.5+0.6
民間消費▲0.1+0.6▲0.3+0.3▲0.1▲0.1
民間住宅▲2.3▲2.0+0.8+1.4+1.1+0.6
民間設備+1.0+2.6▲2.6+2.7▲0.3+0.3
民間在庫 *(▲0.2)(▲0.0)(+0.2)(+0.1)(+0.1)(+0.1)
公的需要▲0.1▲0.1▲0.2+0.3+0.2+0.2
内需寄与度 *(▲0.2)(+0.6)(▲0.5)(+0.8)(+0.1)(+0.1)
外需寄与度 *(+0.0)(▲0.1)(▲0.2)(▲0.3)(+0.4)(+0.4)
輸出+1.0+0.7▲2.0+1.2▲2.4▲2.4
輸入+0.7+1.0▲1.0+3.0▲4.7▲4.7
国内総所得 (GDI)▲0.4+0.4▲0.9+0.4+0.9+1.0
国民総所得 (GNI)▲0.5+0.7▲1.1+0.5+0.7+0.8
名目GDP▲0.2+0.3▲0.6+0.5+0.8+0.8
雇用者報酬+1.0+1.5▲0.5+0.3+0.1+0.1
GDPデフレータ+0.5▲0.1▲0.4▲0.3+0.2+0.1
内需デフレータ+0.9+0.5+0.6+0.5+0.3+0.3


上のテーブルに加えて、いつもの需要項目別の寄与度を示したグラフは以下の通りです。青い折れ線でプロットした季節調整済みの前期比成長率に対して積上げ棒グラフが需要項目別の寄与を示しており、左軸の単位はパーセントです。グラフの色分けは凡例の通りとなっていますが、本日発表された1~3月期の最新データでは、前期比成長率がプラスを示し、灰色の在庫と黒の外需(純輸出)がプラスの寄与を示しているのが見て取れます。

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ということで、1~3月期GDP統計2次QEは先月の1次QEから大きな変化はありませんでした。法人企業統計などの1次統計の追加と反映を受けて、住宅投資が下方改定された一方で、設備投資が上方改定され、ほかにも細かな修正はありますが、季節調整済みの系列で見て、全体として実質GDI成長率が1次QEの前期比+0.5%、前期比年率+2.1%からわずかに、前期比+0.6%、前期比年率+2.2%と上方修正されています。内需寄与度はほぼゼロで、外需の寄与によりプラス成長を実現していますが、輸出の伸びではなく輸入の減少がGDPの増加に貢献しているわけで、その輸入の減少の背景には内需の伸び悩みがあるわけですから、内容としては望ましい姿と判断するエコノミストは少なそうな気がします。ただし、日経・QUICKによる市場の事前コンセンサスでも、前期比年率+2.2%の成長率予想でしたが、先週木曜日6月6日にシンクタンクによる2次QE予想を取りまとめた時点では、「1次QEから上方改定を見込んでいるのが3機関、修正なしが1機関、下方修正が4機関」で、下方修正を予想するシンクタンクも決して少なくなかったことから、1次QE公表時にも正直に書いてしまいましたが、景気後退期年はいくぶんなりともさらに和らいだと考えてよさそうです。
1次QEから大きな違いはないといいつつも、先行きまで含まて、簡単に本日公表されたGDP統計の中身をレビューしておきたいと思います。まず、GDPトータルについて考えると、昨年2018年7~9月期に天候や災害などの影響によりマイナス成長を記録し、直後の2018年10~12月期はリバウンド要因があったにもかかわらず、やや力強さに欠けるプラス成長となり、今年2019年1~3月期は輸入の減少というややトリッキーな要因によりプラス成長の結果となりました。足元の4~6月期はマイナス成長を見込むエコノミストがかなりいます。私が大雑把に見た範囲で、日本総研と 三菱UFJリサーチ&コンサルティングの2機関以外の大和総研、みずほ総研、ニッセイ基礎研、第一生命経済研は軒並み4~6月期はマイナス成長と見込んでいます。しかし、7~9月期は10月からの消費税率引き上げを前にした駆け込み需要があることから、たとえ4~6月期がマイナス成長であったとしても、2四半期連続のマイナス成長というテクニカルな景気後退シグナルが出る可能性は少ないと私は考えています。10月の消費増税引き上げ後の景気動向については、私には謎なんですが、政府が多彩に準備を進めているプレミアム商品券、ポイント還元などの効果など、残念ながら、私にはまだ十分判っていません。特に、ポイント還元については、政府の中小企業向けの政策措置だけでなく、事業者の独自判断によるポイントを活用した実質値引きなどもあるようですし、そもそも、何がどうなるのか、官庁エコノミストを3月いっぱいで定年退職して、それほど熱心な情報収集もしていませんので、私には総合的な実態把握もいまだにできていません。軽減税率も含めて過去に例のない政策もあって、私にはより判りにくくなっている気がします。ただ、今回の消費増税対策については、各種資料を見る限り、景気対策としては防災・減災、国土強靱化などの公共投資が過半を占めているようで、相変わらずの土建国家ぶりが示されており、不公平感の解消がどこまで図られるかにも私は注目しています。というわけで、消費増税が国内要因の中では最大のリスクなんですが、もちろん、日本経済の先行きに関して最大のリスクは海外要因であり、米中の貿易摩擦の余波による輸出不振という需要面よりも、米国の連邦準備制度理事会(FED)が金融緩和に転じて金利引き下げとなれば為替が円高に振れる可能性があり、この価格面のインパクトの方が、マインドへの影響もありますから、より大きなリスクになりそうな気がしています。日銀はどのように円高に対応するんでしょうか。量的緩和の拡大以外に何か手はあるんでしょうか。
お話をGDPトータルから需要項目別に移すと、在庫の動きがやや判りにくい気がします。判りにくいことだらけで、繰り返しになりますが、昨年2018年7~9月期の自然災害要因により売れ残りの後ろ向きの在庫が積み上がった後、2018年10~12月期から今年2019年1~3月期にかけて、3四半期連続で在庫は増え続けています。今日公表された1~3月期の2次QEでは、1次QEから小幅に下方修正されたものの、相変わらず在庫は増加しており、それはそれでGDP成長率にはプラス寄与しているわけですし、ひょっとしたら、今年2019年10月の消費増税前の駆け込み需要を当て込んだ前向きの在庫積み増しかもしれませんが、現時点では、在庫調整が進んでいない可能性も含めて、判断する材料はまだ十分ではありません。

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最後に、本日、内閣府から5月の景気ウォッチャーが、また、財務省から4月の経常収支が、それぞれ公表されています。景気ウォッチャーでは季節調整済みの系列の現状判断DIが前月から▲1.2ポイント低下の44.1を記録した一方で、先行き判断DIも▲2.8ポイント低下の45.6となり、また、経常収支は季節調整していない原系列の統計で+1兆7074億円の黒字を計上しています。いつものグラフは上の通りです。上のパネルは景気ウォッチャーで、現状判断DIと先行き判断DIをプロットしています。いずれも季節調整済みの系列です。色分けは凡例の通りであり、影をつけた部分は景気後退期です。下は経常収支で、青い折れ線グラフが経常収支の推移を示し、その内訳が積上げ棒グラフとなっています。これも、色分けは凡例の通りとなっています。

広く報じられているように、金融庁が6月3日に公表した金融審議会 市場ワーキング・グループ報告書「高齢社会における資産形成・管理」において、65歳からの高齢期において「20年で約1,300 万円、30年で約2,000万円」の貯蓄の取り崩しが必要と指摘しています(p.16)。こんなふうに政府にいわれれば、老後不安から消費者のマインドはさらに冷え込んでせっせと貯蓄に励みそうな気がしますし、シルバー民主主義が今よりもっと幅を利かせる懸念もありますし、大丈夫なんだろうかと思わないでもありません。
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2019年06月09日 (日) 17:45:00

帰って来た代打原口選手のタイムリーで日本ハムにサヨナラ勝ち!!!

  RHE
日本ハム001002000 3131
阪  神000100201x 491


日本ハムにこれでもかと打たれまくりながら、最後に代打原口選手のサヨナラ打で日本ハムに逆転勝ちでした。藤川投手が8~9回を2イニング投げ切り、最後に原口選手が決めました。それにしても、今日は勝ちましたが、甲子園で負けが多い気がします。打線ももっと早い回に得点欲しいところです。反省材料は尽きません。

次のソフトバンク戦も、
がんばれタイガース!
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2019年06月09日 (日) 14:22:00

先週の読書はライトな経済書と変わり種の『元号通覧』をはじめとして計8冊!!!

先週の読書も経済書はややライトながら、当然のように入っているものの、小説なしで計8冊でした。森鴎外の手になる変わり種の『元号通覧』も入っています。実は、今週に予定している読書についても、すでに図書館回りを終えていて、経済書をはじめとして数冊手元にあるんですが、新刊の小説は借りられていません。一昨年の2017年に新約が出たチェスタトンの「ブラウン神父」シリーズの創元推理文庫の5冊は先週末から今週末にかけて読んだものの、特に取り上げるつもりもなく、新たな出版として、今年に入ってから話題の小説、『本と鍵の季節』、『ノースライト』、『シーソーモンスター』、『平場の月』、『そして、バトンは渡された』、『続 横道世之介』、『魔眼の匣の殺人』、『検事の信義』などなど、いくつかの図書館に分割して予約してあるんですが、スタートが遅れてなかなか順番が回って来ません。3月末で定年退職してから2か月余りの期間で、文庫も含めて小説はまだ10冊に達していなかったりします。

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まず、松元崇『日本経済 低成長からの脱却』(NTT出版) です。著者は財務省出身の官僚で、第2次安倍内閣の発足時に内閣府の事務次官を務めていたそうです。私はその時には、総務省統計局でのんびりしていて、内閣からは遠くでお仕事していましたので、よく判りません。ひょっとしたら、私の先輩筋に当たる官庁エコノミストだったのかもしれませんが、現在は、財務省OBらしく国家公務員共済組合連合会理事長に天下りしているようです。ということで、本書の主張は極めて明快で、現在の我が国の低成長は少子高齢化の必然的な帰結でも何でもなく、いわゆる終身雇用と称される融通の効かない硬直的な雇用システムの下で、企業が労働生産性を上げるような投資を行っていないためである、と結論しています。ですから、雇用の流動化を図って生産性の低い部門から生産性の高いセクターに労働が移動できるようにするとともに、その生産性高いセクターで積極的な生産増に結びつく投資が実行されることが必要と結論しています。私の従来からの主張の通り、右派エコノミストは緊縮財政を主張し、供給サイドを重視し、自由な貿易に力点を置きます。この著者の立場そのものといえます。他方、私のような左派エコノミストは財政支出拡大を主張し、需要サイドを重視し、自由貿易よりも公正な貿易を目指します。まず、生産性と労働移動なんですが、我が国の高度成長期のしかも初期のように、農業などの生存部門から限界生産性がゼロの労働力が資本家部門のような限界生産性で賃金が決まるセクターに移動することによる生産性の上昇は、極めて一時的な現象であり、ルイス・モデルの二重構造が解消される一時的、というか、1回限りの経験でしかありません。二重経済が解消された後の我が国経済の現実は、生産性の高いセクター、典型的には電機産業などの労働力が相対的に減少する、という形で進みました。高生産性セクターの絶対的な雇用者数は増加を示したかもしれませんが、シェアという意味で、相対的には雇用者の縮小が続いています。ですから、ルイス的な二重経済の解消の時期における農業などの生存部門から製造業などの資本家部門への労働移動を、二重経済解消後にも適用するというのにはムリがあることはキチンと認識すべきです。その上で、財政政策や金融政策が長期的に供給サイドに影響しないというのは、百歩譲って認め、ケインズ的なアニマル・スピリットやスンペーター的な創造的破壊も重要だとはいえ、短期的には需要の高まりによる生産性向上もあるという点は忘れるべきではありません。決して、長期には我々はすべて死んでいるとは思いませんが、短期的には需要から生産性向上がもたらされるルートは再確認すべきです。それから、我が国とスウェーデンの大きな違いは、増税などで政府が国民から負担を求めても、スウェーデンのような福祉国家では医療や年金のような社会保障、あるいは、教育のような実物により国民への還元が図られるのに対して、我が国のような土建国家では土木建設業界だけが潤うことに対する拒否反応があるのは、財政支出の査定を行う主計部門を経験した財務官僚として認識されていないのはとても不思議な気がします。福祉国家ではない土建国家で負担増に対する拒否反応が強いのは当然です。雇用の流動化や企業の投資の前に、国民の税金を還流する仕組みとして、行政システムの福祉国家化が財政再建のためには必要不可欠と私は考えています。

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次に、経済同友会『危機感なき茹でガエル日本』(中央公論新社) です。基本的に、タイトルから想像される通り、危機感を煽るお説教本なんですが、読む前の私の印象としては、ゴールドマン・サックス証券にいたデービッド・アトキンソン氏の著書と同じではないか、といったところの感覚でした。ただ、本書ではアトキンソン本よりも悲観的な色彩が強く、逆に、さすがに経済同友会という大きな組織をバックにしていますので、アトキンソン本のような印象論よりも、さらに一歩進めた緻密さがあるような気がします。でもまあ、同列に論じる読書子がいても不思議ではないかもしれません。ということで、本書では、世界中で進む3つの大きな潮流、すなわち、グローバル化、デジタル化(IT化やAI化など)、ソーシャル化の流れの中で、日本がどんどん世界のライバルに遅れを取り、諸課題に対応できない事態が続いているとの基本認識の下、経済同友会が昨年2018年12月に打ち出した Japan 2.0 の実げに向けた提言を集めています。ただ、本書では目標設定として、国連への配慮でもないんでしょうが、あるべき未来を持続可能な社会とp.36で明記している一方で、まったく別の目標に向かうような記述も少なくありません。というのも、上の表紙画像にも見られるように、国家価値を3次元的に捉えて、X軸=経済の豊かさの実現、Y軸=イノベーションによる未来の開拓、Z軸=社会の持続可能性の確保、と表現しようとしているんですが、それでは、p.36の持続可能な社会は3軸のうちのひとつにしか過ぎないのか、という気もします。強くします。あるいは、私の読み方が悪いんでしょうか。逆に、というか、当然かもしれませんが、悲しいことに、企業がいかにもっと儲けられるかに終始していて、持続可能性は財政や社会保障に歪曲化されているような気もします。ですから、労働者のワーク・ライフ・バランスとか、所得たる賃金とか、そして、雇用者の所得が消費に向かう好循環などはまったく念頭になく、現状を私なりに観察するに、賃金をミニマイズして、ひたすら企業収益を上げたい、ということに尽きるようです。もう少し、CSR的な企業の社会的な責任や責務のような視点が盛り込まれているかと期待しましたが、まったくダメなようです。そして、本書のタイトルとなっている「茹でガエル」が企業経営者のことも、控えめにいっても、含まれている、ケース・バイ・ケースながら、大きな部分を占めるケースも決して少なくない、という視点は持ち合わせていないようです。私には広く知られた事実だと思っていたんですが、日本人が認知的な能力のレベルでも、雇用者としてのまじめさなどの非認知的な能力でも、世界の中でもっとも優秀なパフォーマンスを上げる能力ある点については、経済開発協力機構(OECD)の「生徒の学習到達度調査(PISA)」などでも実証されているところであり、他方で、日本ほど賃金が上がっていない国も少ないわけで、これだけ優秀な人材を低賃金で雇用できていながら、本書にもあるようにフォーチュンの企業ランキングから見て、サッパリ日本企業の業績が上がらないのは、アトキンソン本で時折主張されているように、経営者に問題があるのではないか、という合理的な疑問が生じるのは当然です。その点にもう少し経営者もチャーチル的に正面から立ち向かう必要があるんではないでしょうか。でも、最後に、その昔の経団連の事務局職員は官僚ならぬ「民僚」と呼ばれていて、前例踏襲などの現状維持バイアスが極めて強いやにいわれていたんですが、経済同友会については、私も長崎大学経済学部に出向していた2010年に都市経営戦略策定検討会提言書『みんなでつくろう 元気な長崎』の策定に参画した経験などから、それなりの問題意識を持って改革に取り組もうという姿勢があり、この点は大いに評価すべきかもしれません。

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次に、マイケル・ヘラー『グリッドロック経済』(亜紀書房) です。著者は米国コロンビア大学ロースクールにおいて不動産法担当の研究者であり、著者略歴にはアッサリと「開発援助関連調査に従事」以外に何ら言及ないんですが、本書の中で何度かロシアや東欧での私権設定に関する世銀の移行国援助に携わった経験からの記述が見受けられます。実は、私自身も1990年代半ばにポーランドにおける移行国援助のプロジェクトに参加した経験があり、開発経済学はそれなりの専門分野なんですが、法律家の開発援助はやや畑が違いそうな気がします。英語の原題は The Gridlock Economy であり、邦訳タイトルはそのままです。邦訳者によるあとがきにもあるように、リーマン・ショック前の2008年の出版ですが、特に記述が古いとかの問題はないように感じました。どうでもいいことながら、邦訳者のサイトに安芸書房から出版される前の2017年1月時点でのpdfファイルがアップされていたりします。特にセキュリティがかかっている様子もなく、やや恐ろしい話だと思わないでもないんですが、「グリッドロック経済」へのアンチテーゼを自ら実践しているのかもしれません。そのうちに削除されるかもしれませんが、まあ、何らご参考まで。ということで、本書で著者は、知的財産権も含めて、所有権とか細分化すると、あとあと収拾つかなくなって身動きとれなくなり、過少利用 underuse に陥りかねない、と警鐘を鳴らすとともに、その解決法を提示しています。有名なハーディン教授の「コモンズの悲劇」では、多数者が利用できる共有資源が過剰利用されて乱獲の末に資源の枯渇を招いたりするとされている一方で、利用権などの権利関係が複雑に絡み合ったグリッドロック状態になると過少利用になる、というわけです。ですので、「第1章からアンチコモンズの悲劇と章題を設定して本書を始めています。第2章の用語集の後、第3章からグリッドロック状態について米国経済を基に、薬の開発における知的所有権のグリッドロック、電波割り当てのグリッドロック化による周波数帯の過少利用、著者の専門分野である不動産のグリッドロック、特に、本書の随所で均等相続やそれに近い分割相続による土地所有の分散から土地利用が過少になっている例がいっぱい取り上げられています。そして、資本主義への移行段階でのロシアの所有権問題、さらに、オープンアクセスにもかかわらず絶滅しないチェサピーク湾の牡蠣に着目し、最後に解決のためのツールキットを提示しています。ただ、その解決策は極めて地味というか、時間もかかれば段階も踏むタイプの従来から存在している予防策とか、行政による私権制限などの力業の解決策であって、みんながアッと驚く新しい画期的なものではありません。よく、パテント・トロールと称されるように、このグリッドロックを利用して金もうけに走っている不埒な企業もあり、あるいは、グリッドロックになっていなくても知的財産権が先進国企業の業績向上にはつながっても、途上国の経済開発には決して役立っていない現状については、世銀副総裁を務めたスティグリッツ教授などがよく主張しているところです。そういった開発経済学の観点からも大いに参考になる内容でした。

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次に、スティーヴン・プール『RE: THINK』(早川書房) です。著者は、英国のジャーナリストであり、言語とか文化・社会に関するコラムなどを執筆しているようですから、日本的な分類ながら、理系ではなく文系なんではなかろうかと私は受け止めています。ということで、本書でも当然に言及されていますが、ニュートンの有名な表現で「巨人の肩」というのがありますし、本書では引用されていないながら、経済学ではケインズの誰かしら過去の経済学者の奴隷という表現もあるところ、大昔であればまだしも、21世紀の現在に至れば、それなりに優れたアイデアはもちろん、まったくモノにならない誤っているにもかかわらずゾンビのように何度も復活を繰り返すアイデアも、すでにほぼほぼ出尽くしていて、もはや、根本的に新しいアイデアというのはないのかもしれないとの視点から本書は書かれています。基本的に3部構成であり、第1部で、アフガニスタンで展開する米軍で騎馬部隊が復活したとか、医療用ヒルの活用とか、現在の認知行動療法でギリシアのストア主義が復活したとか、こういった例がたくさん取り上げられています。特に、ゼンメルヴァイスの消毒の例が典型なのかもしれませんが、誰かがそのアイデイアを思いついた当時はブラックボックスで、何がどうなって有益な結果が導かれるのかが、サッパリ解明されていなかったので、無視されたり、普及しなかったりして忘れられていたアイデアが、その後の科学的な知見の蓄積を経て、その後、あるいは、現時点で見直されて取り入れられる、ということがいくつかあるようです。逆に、まったくモノにならず誤っていることが明らかであるにもかかわらず、何度も繰り返して復活するゾンビのようなアイデアもあり、本書では地球は球体ではなく平面である、という例が取り上げられています。このアイデアのカッコ付きの「信者」は、その信念を否定する情報をフェイクニュースと見なすようです。また、びっくりしたんですが、ユニバーサルなベーシックインカムも古くからあるアイデアだと紹介されていますし、先週の読書感想文で取り上げたばかりのアイデアで、選挙によらずしてくじ引きで代表を選出する民主主義とかのアイデアも取り上げられています。中国由来の四文字熟語ですから本書では登場しませんが、「温故知新」という言葉を思い出してしまいました。でも、本書では、ほぼほぼすべてのアイデアはすでに世の中に存在している、とは主張していますが、もちろん、過去の事例を参考にすべきとか、ましてや、前例踏襲を推奨しているわけではありません。ミョーにオリジナリティを重視する傾向ある人に対しては、それなりの反論材料になりそうな気もします。

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次に、ポール R. ドーアティ & H. ジェームズ・ウィルソン『HUMAN+MACHINE』(東洋経済) です。著者たちは、アクセンチュアのコンサルです。邦訳者も同じコンサルティング・ファームの日本法人にご勤務のようです。ということで、コンサルらしく、マシン、本書ではほぼほぼイコールで人工知能(AI)と考えていいんですが、AIは人間の仕事を奪わないという前提で、人間とAIとの協調・共存、特に、企業における人間とAIの共同作業による生産性の工場や売上アップなどについて解説を加えています。この人間とAIの協働については、冒頭から章別に、製造とサプライチェーン、会計などのバックオフィス業務、研究開発、営業とマーケティングなどなど、企業活動に即して議論を展開しています。先週の読書感想文で『データ・ドリブン・エコノミー』を取り上げた際にも同じことを書きましたが、AIやITの成果を語る際に、生活面での利便性の向上や娯楽での活用では、私はモノにならないと考えています。すなわち、AIとはいっても、シリに道順を聞いたり、アレクサにトイレットペーパーを発注させたり、ましてや、リアルなゲームで遊べるとかでは、経済社会上のインパクトはそれほど大きくないと考えるべきです。『データ・ドリブン・エコノミー』や本書で展開されているように、企業活動、というか、生産の場でのAIの活用がこれからのホントの量的な生産性向上や質的なイノベーションにつながるという意味で、経済社会の進歩への貢献が大きくなると考えるべきです。いくつかの視点をコンサルらしく、上手に整理して、さらに、ポイントを的確に指摘しているように見えますが、とても大げさ、というか、現実離れした指摘が半分くらいを占めているような印象があり、どこまで普遍的な適用可能性があるコンサルティングだろうかと疑問に思わないでもありません。ただ、私は定年退職するまで延々と公務員を続けてきましたので、民間企業の生産活動の実態に疎いことは自覚していますので、ホントに自信がある疑問ではありません。ただ、MELDSの5つの視点からのフレームワークが提示されていますが、ハッキリいって、具体性に欠けます。まあ、スポーツの場での技術論ではなく、精神論を展開しているような印象があります。日本人はこういった精神論的な提言が好きかもしれませんが、どこまで役に立つかは不明です。やや、上滑りした議論が展開されている印象であり、そもそもの出発点で、AIと人間が協働できるか、それとも、人間労働はAIに駆逐されるのか、について、真剣な検討・分析がまったくなされていないのが気がかりだったりします。ただ、こういったコンサルティングで成功する企業もありそうな気がしますが、それを普遍化する営業活動をアクセンチュアはするんでしょうね。営業活動をそのまま受け入れるばかりではなく、語られない失敗例があるかどうか、見抜く目が必要かもしれません。

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次に、松尾豊『超AI入門』(NHK出版) です。著者は、東大の工学系の特任准教授であり、人工知能(AI)などの最先端技術の専門家であり、NHKのEテレで毎週水曜日の夜に放送されている「人間ってナンだ? 超AI入門」の司会や解説をしています。この番組は現在シーズン4に入っていますが、本書は2017年から始まったシーズン1全12回のうちの著者の担当した放映6回分を講義の形で提供しています。巻末に専門家2氏のインタビューを収録しています。私はこの番組を定期的に見ていないので、よくは知らないながら、たぶん、シーズン1ですから最初の方の「入門の入門」といった部分なんだろうと想像しています。まあ、私のテクノロジーに関する見識はたかが知れたもんですし、すでに定年退職した身として、今後のキャリアアップのための自己研鑽などの意欲はかなり低いわけで、世間一般についていくための常識的な内容が判っていればいい、という学習・読書態度だったりします。ですから、先週か今週に読んだ本にあったんですが、アインシュタインの言葉ではないかとされている電信に関する解説があり、電信とはとても長い猫のようなもので、ニューヨークで尻尾を引っ張るとロサンゼルスでニャアと鳴く、無線電信の場合は猫がいないバージョンである、といった引用があり、私の技術=テクノロジーに関する知識はこんなもんだろう、としみじみと実感した覚えがあります。「超」がつくくらいのAIの入門書なんですが、私のAIに関する知識といえば、ビッグデータという言葉があり、まあ、今でもありそうな気がするところ、ビッグデータのような極めて大量のデータ、テキストデータでも、画像データでも、動画データでも何でも、をコンピュータにインプットしてディープラーニングなる機械学習をさせれば、過去の例から確率の高い回答を作るあるいは選ぶことができる、といった程度です。AIには、私の考えでは、人間的な意識や心といったものはなく、過去のデータに基づいて外からか自らか評価関数を設定し、得られたデータと組わせて、将来の予測を立てたり、何らかの選択肢の中からもっとも適当なものを選び出す、という機能を持つコンピュータの動作です。そして、これらを応用すれば、人間が労働やゲームなどで対外的に働きかける何らかのアクションを代替できる、ということなんだろうと受け止めています。ですから、生産現場でロボットアームにインストールされて溶接や塗装を実行することも可能となりましょうし、絵画の作成や音楽の作曲や文学作品の執筆なども3Dプリンタなどの適切なハードウェアと組み合わせれば、十分可能です。哲学的に考えれば、本書でも取り上げられているように、チューリング・テストや中国語の部屋やといった議論があるのは私も理解しますが、すでに定年退職したもののエコノミストとしての感覚から、実践的なAIの活用という面からは、関係は薄いと感じざるを得ません。ただ、異性からの愛の言葉のようなものをうまく合成してささやくことは可能であるような気がします。後は、こういったAIの実践的な機能を基にして、人間の方でいかにうまくAIを活用するか、あるいは、マッド・サイエンティストのような人物が現れて、あるいは、マイクロソフトのテイの実例があるように、AIが自ら暴走して、その結果として世界はムチャクチャにされるのか、それは防止できるのか、といったところは気がかりです。

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次に、新井和宏『持続可能な資本主義』(ディスカヴァー携書) です。著者は、金融機関勤務からリーマン・ショックを機に、鎌倉投信というファンド運営会社を立ち上げたらしく、私は少し前の同じ著者の『投資は「きれいごと」で成功する』というきれいごとの本を読んだ記憶があり、よく似た内容であったような気がしますが、記憶はやや不確かです。本書は、2017年出版の単行本を新書化したもののようで、部分的に古くなっているところも散見されますが、大筋では問題ないと受け止めています。ということで、我が国でいえばバブル経済期くらいまでの右肩上がりの拡大型の資本主義を批判している趣旨なんでしょうが、まあ、言い古された長期的な視野の重要性とか、その昔の近江商人の「三方よし」を超える「八方よし」と著者が名付けた、株主だけでない幅広いステークホルダーへの配慮とか、ありきたりな部分を別にすれば、私から見れば、現在の経済システムにおける3点の問題を指摘しているように受け止めています。第1に、企業活動の外部経済性、というか、スピルオーバーをきちんとカウントし、かつ、第2に、市場における情報の非対称性をいかに克服するか、ということに加えて、第3に、資源配分の効率性の追求だけでなく、所得分配の公平の実現に重点を置く、ということだと解釈すべきではないでしょうか。すなわち、第3の点から考えれば、本書の著者の底流にある考えでは、あくまで私の想像ですが、右肩上がりの拡大型の資本主義においては、増分をうまく分配することにより、社会を構成する全員の経済厚生を改善することができていたところ、成長がかなり低くなり、こういった増分を望めなくなった段階で、生産や消費に使用される事前的な資源の分配から事後の所得分配に重点を置くべきなのですが、そうならずに格差が拡大しているのが現実です。そして、第1と第2の点に関しては、もともと、主流派経済学でも市場の失敗であると認識されていて、何らかの政府の介入が必要とされるところなんですが、著者はこれを企業の力、というか、著者の勤務する鎌倉投信のような金融機関とその投資・融資先である企業の活動の方向を少し違えることにより実現できる、と主張しているように私は受け止めました。特に、治者の主張の実現性は企、業の社会的な役割を重視する日本的な経営風土の中では、英米的な市場原理主義に近い資本主義下よりも実現性が高い、と認識されているようで、この点については私も反論はありません。ただ、資本主義下では市場ですべての情報が利用可能なわけでもなく、情報の非対称性というのは完全には解消されません。しかるに、情報が非対称であるにもかかわらず、財・サービスに付随する情報はほぼほぼ価格、すなわち、貨幣単位で表現されてしまいます。このあたりは、著者のような目利きの専門家であれば貨幣単位で評価された価格以外の情報も得られる可能性あるものの、私のような一般消費者には見抜けない可能性が高く、何らかの支援が必要そうな気がします。この点について、著者は決して上から目線ではありませんが、「自分にはできるので、経営者は同じことをやればよい」ということを主張するばかりで、一般消費者が視野に入っていない懸念があります。企業経営者に語りかけるだけでなく、もう少し、決して専門知識が豊富なわけではなく、目利きではない多くの読者や一般消費者への温かいまなざしが必要ではないでしょうか。

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最後に、森鴎外『元号通覧』(講談社学術文庫) です。著者は、いわずと知れた明治の文豪ですが、最晩年に本名の森林太郎として宮内省図書頭に任ぜられ、本書の執筆、というか、編纂に当たっています。ただし、本書未完のまま鴎外は亡くなりましたので、図書寮の部下であった吉田増蔵氏によって補訂されています。何と、令和に改元された本年2019年5月1日の出版です。出版社はこのタイミングを狙っていたんだろうと思わないでもありません。森鴎外は1922年大正11年に亡くなっていますので、昭和と平成、もちろん、令和には言及されていないものの、大化から大正までの250近い元号が列挙され、その典拠から不採用になった候補に至るまで、日本の元号が一望できます。元号の百科事典のような本かも知れません。本書にして正しければ、令和は今まで一度も候補になったことはないようです。他方、明治は過去10回も候補になっているそうです。元東京都知事の猪瀬直樹の解説です。最初のページから最後まで通読するたぐいの本ではないでしょうし、元号に何ら関心ない私はパラパラとめくっただけですが、この時期ですので、元号に関する知的好奇心がくすぐられる読者がいそうな気がします。たぶん、あくまで私の想像に基づくたぶん、ですが、多くの図書館で購入・蔵書しているような気がしないでもありません。
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2019年06月08日 (土) 17:35:00

打てない打線をバックに継投の時期を失して日本ハムに連敗!!!

  RHE
日本ハム000200710 10130
阪  神000000023 591


結局、打線が得点できず継投の時期も失して、日本ハムに連敗でした。北条選手は当たりが出始めたんですが、打線については早い回に得点が欲しいところで、今日のように試合が決まった終盤に打ち出しても焼け石に水でした。馬場投手もイマイチでした。同じオリックスご出身でも。昨日の西投手は負けて、今日の金子投手は勝ったんですから、移籍先で明暗が別れたといえましょう。

明日こそ、
がんばれタイガース!
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2019年06月08日 (土) 09:11:00

雇用増に急ブレーキのかかった米国雇用統計から米国金融政策を占う!

日本時間の昨日、米国労働省から5月の米国雇用統計が公表されています。非農業雇用者数は前月統計から+75千人増と雇用の増加に急ブレーキがかかった一方で、失業率は低い水準で先月と同じ3.6%を記録しています。いずれも季節調整済みの系列です。まず、USA Today のサイトから記事を最初の7パラだけ引用すると以下の通りです。

Economy added just 75,000 jobs in May, strengthening case for Fed interest rate cut
Hiring was weak in May as employers added 75,000 jobs, bolstering the Federal Reserve's case for cutting interest rates as soon as this month, a possibility that has juiced markets in recent days.
The unemployment rate was unchanged at a 50-year low of 3.6%, the Labor Department said Friday.
Economists surveyed by Bloomberg expected 178,000 job gains.
Adding to the concerns: Payroll gains for March and April combined were revised down by a total 75,000. March's additions were revised from 189,000 153,000, and April's, from 263,200 24,000.
The May employment report was highly anticipated because of recent speculation that the Fed could cut its benchmark rate for the first time in a decade as soon as this month, especially if the economy softens. The jobs report typically provides the best real-time gauge of the labor market and economy.
Fed policymakers have indicated they're prepared to trim rates if necessary, noting concerns that the recent escalation of U.S. trade battles with both China and Mexico could further impede already slowing growth. A stock market that was tumbling amid the trade jitters has rallied since Fed officials have raised the possibility of rate cuts, which tend to increase consumer and business borrowing and prod investors to move money from bonds to higher-yielding stocks.
After the jobs report was released, markets predicted the chance of a Fed rate cut at its June 18-19 meeting rose to 31%, according to CME Group. The odds of a cut at the Fed's late July meeting rose to 58%. The Dow Jones industrial average rose more than 200 points on growing anticipation of a rate cut. On Friday morning, the yield on the 10-year Treasury bond dipped 0.06 basis points, or 2.8%, to 2.06%, nearing the lowest level since 2017.


やや長く引用してしまいましたが、いつもながら、包括的によく取りまとめられている印象です。続いて、いつもの米国雇用統計のグラフは上の通りです。上のパネルから順に、非農業部門雇用者数の前月差増減の推移とそのうちの民間部門と失業率をプロットしています。いずれも季節調整済みの系列であり、影をつけた部分は景気後退期です。全体の雇用者増減とそのうちの民間部門は、2010年のセンサスの際にかなり乖離したものの、その後は大きな差は生じていません。

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ということで、引用した記事の3パラめにあるように、ブルームバーグの集計による市場の事前コンセンサスでは+178千人増とのことでしたので、何と半分にも届かず、雇用の増加には急ブレーキがかかった格好です。寒波の影響で、わずかに+56千人増にとどまった今年2019年2月以来の低い伸びでした。中国との貿易摩擦との関係で、米国経済の先行きに不安が広がりかねない統計です。しかし、他方で、失業率は50年来の低水準の3.6%で推移しており、歴史的な低水準にあることも確かです。失業率が低いわけですから、当然に、失業者も少ないわけで、遊休労働スラックも底をつきかけており、その意味で、雇用増が伸びないのも決して不思議ではないとの受け止めもあります。特に、ADPの民間部門雇用増に至っては、わずかに+27千人増でしたから、決して、米国労働省の統計だけが突飛なわけではありません。まあ、この米国雇用統計の評価は難しいところなんですが、このような雇用情勢を受けて、米国債券市場では長期金利が急低下を示しています。すなわち、米2年物国債の利回りは一時1.77%と前日より▲0.1%ほど下げて、約1年半振りの水準まで低下していますし、これも、引用した記事の最後のパラにあるように、10年もの国債金利も下げています。雇用者数の伸びが事前予想を大きく下回り、景気の先行き懸念から安全資産とされる米国債に資金が向かったためと考えられます。米国連邦公開市場委員会(FOMC)の Meeting calendars に従えば、米国連邦準備制度理事会(FED)は今月6月18~19日に FOMC を開催する予定となっています。FED のパウエル議長は、今月6月4日に開催された Conference on Monetary Policy Strategy, Tools, and Communications Practices の Opening Remarks において、"as always, we will act as appropriate to sustain the expansion" と、通常通りに景気拡大を持続させるために適切な行動を取ると言明しており、金融緩和に転じる可能性を強く示唆しています。

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ただ、景気動向とともに物価の番人としてデュアル・マンデートを背負ったFEDでは物価上昇圧力の背景となっている時間当たり賃金の動向も注視せねばならず、その前年同月比上昇率は上のグラフの通りです。米国雇用は底堅くて、労働市場はまだ逼迫を示しており、賃金もジワジワと上昇率を高める段階にあります。すなわち、5月は前年同月比で+3.1%の上昇と、昨年2018年8月に+3%の上昇率に達して、半年以上に渡って3%台の上昇率が続いています。日本や欧州と違って米国では物価も賃金上昇も+2%の物価目標を上回る経済状態が続いているわけですので、利上げを停止したり、あるいは、前のパラで論じたように金融緩和に転じたりして、それで物価の方は大丈夫なんでしょうか?
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2019年06月07日 (金) 21:50:00

守りのミスがことごとく失点につながり日本ハムに敗戦!!!

  RHE
日本ハム000101100 3102
阪  神000002000 253


交流戦最初のカードのロッテ戦は2勝1敗と勝ち越したものの、日本ハムには守りのミスがことごとく失点に結びつき競り負けました。まあ、ヒット数も倍の2ケタ10安打を喫しましたし、ほぼほぼ完敗に近い気がします。自責点ゼロで負け投手になった西投手への援護がなく、誠に情けない限りです。でも、最終回の粘りが明日につながることを期待します。

明日は、
がんばれタイガース!
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2019年06月07日 (金) 20:21:00

米中貿易摩擦の世界経済への影響に関する国際通貨基金(IMF)の試算結果やいかに?

明日の6月8日から福岡で開催されるG20財務相・中央銀行総裁会議を前に、また、6月28~29日のG20大阪サミットに向けて、6月5日付けで国際通貨基金(IMF)ラガルド専務理事によるIMFブログへの投稿 How to Help, Not Hinder Global Growth の中で、米中間の貿易摩擦による関税率引き上げの影響の試算結果が明らかにされています。基本的に、昨年2018年7月18日付けのIMFブログへのラガルド専務理事の投稿 "Shifting Tides: Policy Challenges and Opportunities for the G-20" ですでに2020年までに▲0.5%の世界経済への負のインパクト、との試算が明らかにされていますので、それに、今年2019年5月以降の最新情報を付加したアップデート版なんだろうと私は受け止めています。いずれにせよ、国際機関のリポートに着目するのはこのブログの特徴のひとつですので、グラフを引用して簡単に取り上げておきたいと思いまず。

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まず、上のグラフはIMFブログから、2018年までの関税率引き上げと今年2019年5月に表明された追加の関税率引き上げに分けた分析が示され、さらに、上のパネルの積み上げ棒グラフに見られるように、直接効果とマインド効果と市場反応の3つに分けた影響としてトータルを試算しています。最近の5月に表明された関税率引き上げにより、2020年の世界GDPの▲0.3%に達する負の影響があり、その半分はビジネス・マインドと市場の反応に起因すると結論し、昨年2018年7月の試算と同じ結果ながら、2020年で世界経済の▲0.5%に上る負のインパクトがあると試算しています。この損失は4550億米ドルに相当し、南アフリカの経済規模を上回るとしています。ただ、上のパネルの積み上げ棒グラフを見る限り、目先の短期的な2019~20年の期間には中国経済への影響の方が米国より大きいようですが、長期的には大きな差はないように見えます。マインドに起因して経済への悪影響が出る可能性を指摘した点は私はとても鋭いと受け止めています。我が国についても実体経済よりもマインドが先行する可能性があると私も考えています。

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次に、上のグラフはIMFブログから引用しており、政策を総動員することの重要性を主張する根拠となる試算結果が示されています。特に上のパネルでは、一番下の紺色のベースラインに対して、赤のラインは金融政策の効果を、さらに、緑のラインは金融政策に加えて財政政策を、さらに、一番上のオレンジのラインは金融政策と財政政策に加えて構造調整政策を加えて、米中間の関税率引き上げの負のインパクトは政策を総動員して相殺できる可能性を示唆しています。ラガルド専務理事のブログでは、最後を "By harnessing the "Fukuoka spirit" of openness, policymakers can help remove the stumbling blocks and set the global economy on a more durable and inclusive path." と締めくくっていますが、果たして、福岡、さらに、大阪のG20の場でどういった議論がなされるんでしょうか。我が国のリーダーシップやいかに。

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最後に、目を国内の経済指標に転じると、本日、内閣府から4月の景気動向指数が公表されています。今年に入って1月統計でCI一致指数が大きく下降して、基調判断が「事後的に判定される景気の谷が、それ以前の数か月にあった可能性が高い」とされる「下方への局面変化」に修正された上に、3月統計ではさらに「悪化」に下方修正されて注目が集まっているところ、CI先行指数は前月差▲0.5ポイント下降して95.5を、CI一致指数は+0.8ポイント上昇して101.9を、それぞれ記録しています。CI一致指数は上昇しましたが、基調判断は先月統計に続いて「悪化」に据え置かれています。CI一致指数の3か月後方移動平均はプラスに転じたんですが、まだ、プラス幅が1標準偏差に達しない、ということなんだろうと私は受け止めています。
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2019年06月06日 (木) 22:00:00

クローザーが打たれるも延長戦を制してロッテ3連戦に勝ち越し!!!

  RHE
阪  神2010000001 490
ロ ッ テ1001000010 381


一昨日から交流戦が始まり、3戦目の今夜はロッテとの延長戦を制して勝ち越しでした。9回ウラにクローザーのドリス投手が失点して同点に追いつかれたときはどうかと思わないでもなかったんですが、次の10回に糸井選手の勝ち越しタイムリーでロッテを振り切りました。打つ方では、いよいよマルテ選手がお目覚めで3打点を上げ、投手陣は先発高橋投手が5回2失点で投げ切って、勝ち星こそつきませんでしたが、次も期待させる安定した内容でした。ジョンソン投手を温存して登板させた小野投手の復帰も心強い限りで、問題はクローザーだけ?

甲子園に戻って日本ハム戦も、
がんばれタイガース!
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2019年06月06日 (木) 20:10:00

来週月曜日6月10日公表予定の1-3月期GDP統計2次QE予想やいかに?

今週月曜日に公表された法人企業統計など、ほぼ必要な統計が出そろい、来週月曜日の6月10日に1~3月期GDP速報2次QEが内閣府より公表される予定となっており、すでに、シンクタンクなどによる2次QE予想が出そろっています。いつもの通り、顧客向けのニューズレターなどのクローズな形で届くものは別にして、web 上でオープンに公開されているリポートに限って取りまとめると下の表の通りです。ヘッドラインの欄は私の趣味でリポートから特徴的な文言を選択しています。いつもの通り、足元から先行きの景気動向について重視して拾おうとしています。ただし、2次QEですので、法人企業統計に関するリポートにオマケで解説されているだけで、明示的に先行き経済を取り上げているシンクタンクは決して多くありませんでした。その中で、みずほ総研だけは長めに、第一生命経済研の4-6月期マイナス成長の可能性を示唆している部分もやや長めに、ほかのシンクタンクもそれなりに、それぞれ引用してあります。いずれにせよ、詳細な情報にご興味ある向きは一番左の列の機関名にリンクを張ってありますから、リンクが切れていなければ、pdf 形式のリポートが別タブで開いたり、ダウンロード出来たりすると思います。"pdf" が何のことか分からない人は諦めるしかないんですが、もしも、このブログの管理人を信頼しているんであれば、あくまで自己責任でクリックしてみましょう。本人が知らないうちにAcrobat Reader がインストールしてあって、別タブが開いてリポートが読めるかもしれません。

機関名実質GDP成長率
(前期比年率)
ヘッドライン
内閣府1次QE+0.5%
(+2.1%)
n.a.
日本総研+0.4%
(+1.6%)
1~3期の実質GDP(2次QE)は、設備投資が上方修正となる一方、公共投資、民間在庫は下方修正となる見込み。その結果、成長率は前期比年率+1.6%(前期比+0.4%)と1次QE(前期比年率+2.1%、前期比+0.5%)から小幅下方修正される見込み。
大和総研+0.6%
(+2.3%)
1-3月期GDP二次速報(6月10日公表予定)では、実質GDP成長率が前期比年率+2.3%と、一次速報(同+2.1%)から僅かに上方修正されると予想する。需要側統計の法人企業統計の結果を受けて、設備投資が前期比+0.7%とプラス転換へ上方修正されることが主因である。
みずほ総研+0.5%
(+1.9%)
今後の日本経済は力強さに欠く展開が続く見通しだ。個人消費は、良好な雇用環境がプラスに働く一方、働き方改革関連法施行を受けた労働時間抑制などによる賃金の伸び鈍化により、力強さを欠く展開になりそうだ。設備投資は、人手不足を背景にした省力化投資が引き続き下支えになるものの、製造業を中心にストック調整圧力が徐々に高まることから、弱い伸びに留まる見通しだ。輸出は、中国経済を中心に海外経済の減速が続くほか、IT関連の調整局面が当面続くことから、伸び悩むとみている。
リスクとして、米国による対中関税引き上げ第4弾やその報復措置など、米中貿易摩擦が更に激化した場合、輸出・設備投資の更なる減退とともに、日本経済はマイナス成長に陥る恐れがある。引き続き注視が必要だろう。
ニッセイ基礎研+0.6%
(+2.3%)
6/10公表予定の19年1-3月期GDP2次速報では、実質GDPが前期比0.6%(前期比年率2.3%)となり、1次速報の前期比0.5%(前期比年率2.1%)から若干上方修正されると予測する。
第一生命経済研+0.6%
(+2.3%)
設備投資の底堅さが改めて確認されるとみられることはポジティブだ。2次速報では下方修正されるとの見方も多かっただけに、この点は評価できる。もっとも「1-3月期のGDPは表面上は高成長だが、輸入の急減が成長率を大きく押し上げており、内容は悪い」という1次速報時点での評価を覆すほどではない。今回下方修正が予想されるとはいえ、在庫水準が高い点も変わっておらず、先行きの在庫調整リスクは残る。4-6月期には輸入の反動増や在庫の下押しに伴ってマイナス成長に転じる可能性があるだろう。
伊藤忠経済研+0.5%
(+1.8%)
1~3月期の実質GDP成長率は、2次速報で前期比+0.5%(年率+1.8%)へ小幅ながら下方修正されると予想。法人企業統計季報を受けて設備投資は上方修正される一方で民間在庫投資は大幅下方修正、公共投資も下方修正される見込み。設備投資は横ばい圏、GDPは緩やかな拡大基調という評価は変わらず。
三菱UFJリサーチ&コンサルティング+0.5%
(+2.1%)
6月10日に内閣府から公表される2019年1~3月期の実質GDP成長率(2次速報値)は、前期比+0.5%(年率換算+2.1%)と1次速報値と同じ伸び率となる見込みである。
三菱総研+0.5%
(+1.9%)
2019年1-3月期の実質GDP成長率は、季調済前期比+0.5%(年率+1.9%)と、1次速報値(同+0.5%(年率+2.1%))から小幅下方修正を予測する。


ということで、上に取り上げた8機関のうち、1次QEから上方改定を見込んでいるのが3機関、修正なしが1機関、下方修正が4機関となっており、いずれにせよ、小幅改定とはいえ、見方が分かれています。私は法人企業統計が利用可能になった月曜日の時点で、もっともウェイトの大きい設備投資が1次QEから上方改定されることから、全体の成長率も上方改定、と考えたんですが、在庫が下方修正されることから、むしろ、全体としても下方修正を見込む機関が多くなっています。ただ、上方改定にせよ、下方改定にせよ、全体的な景気認識が大きく変更されるべき内容ではないと私は受け止めています。すなわち、第1に、景気動向指数からは3月指数で「悪化」の基調判断となったものの、2019年1~3月期の成長率はプラスでであり、GDP統計から見る限り緩やかな回復が続いていること、第2に、しかしながら、米中貿易摩擦に起因する世界経済の減速により、4~6月期には成長率がマイナスに転ずる可能性が否定できないこと、第3に、別要因ながら、10月からの消費税率引き上げを前に7~9月期には一定の駆け込み需要が見込まれること、の3点です。
下のグラフはみずほ総研のリポートから引用しています。

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2019年06月05日 (水) 22:25:00

ロッテに競り負ける!!!

  RHE
阪  神010201000 4111
ロ ッ テ02201000x 570


ロッテに競り負けでした。ロッテの先発岩下投手は打てそうで、なかなか打ち崩すには至らず、青柳投手は粘り強く投げたんですが、2回には内野守備が乱れましたし、3回のロッテ4番井上選手のツーランも効きました。最終回の攻撃が明日につながることを期待します。それにしても長い試合でした。

明日は、
がんばれタイガース!
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2019年06月05日 (水) 19:11:00

インテージ「ゴールデンウィーク2019 10連休は長すぎた?」の調査結果やいかに?

昨夜に続いて、やや旧聞に属する話題かもしれませんが、先週水曜日の5月29日付けでインテージから「ゴールデンウィーク2019 10連休は長すぎた?」と題して、今年の長かったゴールデンウィークの振り返りのアンケート調査の結果が明らかにされています。まず、インテージのサイトから今年のゴールデンウィークで取得できた連休の日数の調査結果のグラフを引用すると以下の通りです。

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上のグラフを見れば明らかな通り、10連休を取ったという人は29.8%、10連休を超えて11日以上と答えた人も15.4%で、合わせて半数近い人がカレンダー通りかそれ以上の連休を取得していた一方で、休みなしの人も7.1%見られた上に、1~2日しか休日を取得できなかった人も含めれば25%を超える割合となり、休暇日数が通常の土日の週末並み、もしくは、それ以下であり、無視できない割合といえます。もちろん、国民すべてが同じ時期に10連休というのはムリなことは明らかですが、この調査では代替的な休日に関しての情報がないので何ともいえないものの、隠れた格差の存在を感じ取るエコノミストもいるのかもしれません。

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次に、インテージのサイトから2019年のGW満足度の調査結果のグラフを引用すると以下の通りです。満足から不満にかけて7段階のリッカート・スケールで調査したようです。当然ながら、休みの少ない、というか、ゼロの人は不満に感じ、10日以上休暇の人は満足感が高くなっています。あまりに当然の結果ですので、「満足」はさて置いて、自由回答で示された「不満」の理由をインテージのサイトから引用すると、まず、「いつもより混雑していて余計に疲れた」と混雑を上げる意見に加え、休みが取れずに普段以上に激務になった人も見られるようで、業種や職種による負担や不公平感を軽減する方策が必要、とインテージでは指摘しています。

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次に、グラフは飲用しませんが、10連休という長さについての調査結果では、「長すぎる」が32.6%、「やや長すぎる」が38.9%で計71.5%と、「ちょうどよい」の24.4%を大きく上回っています。それでは、ということで、最後に、インテージのサイトから「長すぎる」と回答した人たちにとって、ちょうどよい休日の日数について調査した結果のグラフを囲繞すると上の通りです。点線で囲ってある通り、3か所でコブがあり、順に、「5日」が36.2%でトップとなり、続いて「7日」が18.7%、さらに、「3日」が16.3%という結果が示されています。私なんぞは長らく働いた後に定年退職して、遠からず「毎日が日曜日」という状態がやって来るわけですから、休みは多い方がいいと考えがちなんですが、収入の面からはビミョーなことろかもしれません。

これ以降は省略しますが、今年2019年のような大型連休がまたあってほしいと思うかどうかを、これも7段階のリッカート・スケールで問うたところ、「どちらとも言えない」から「そう思う」の肯定的な方向の3種類の回答を合計しても36.4%にしか達せず、「そう思わない」の否定的な方向3種類の合計40.4%を下回りました。とても興味をそそられる結果だという気がします。
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2019年06月04日 (火) 22:58:00

東京商工リサーチ2018年決算 「上場企業2,591社の平均年間給与」調査結果やいかに?

やや旧聞に属する話題ですが、先週月曜日5月27日付けで東京商工リサーチから2018年決算における「上場企業2,591社の平均年間給与」調査の結果が明らかにされています。まず、東京商工リサーチのサイトから上場企業2,591社平均年間給与のグラフを引用すると以下の通りです。

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縦軸のスケールの関係で、とても伸びているように見えなくもないんですが、2018年決算の上場企業2,591社の平均年間給与は606万2,000円(中央値593万5,000円)で、前年より7万円、+1.1%増となっています。2012年から7年連続で増加を示し、この8年間の累積で42万5,000円、+7.5%の伸びとなっています。2018年の伸び率、前年比+1.1%は、その前年2017年の+0.6%を0.5%ポイント上回りました。年々お給料が伸びているのは結構なんですが、ただ、このあたりの伸び率の評価はビミョーなところだと私は受け止めています。
東京商工リサーチの業種別では、建設業が718万7,000円、前年比+1.6%増で4年連続でトップとなり、逆に、最低は小売業の473万8,000円だったんですが、小売業でも6年連続で平均年間給与は増加を示しています。リポートでは、国税庁の民間給与実態統計調査を引用して、2017年平均給与は432万2,000円、うち正規職員493万7,000円との結果と上場企業の平均年間給与で差があり、企業規模による給与格差の存在を示唆していたりします。
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2019年06月03日 (月) 20:22:00

順調な企業活動を反映する法人企業統計も米中貿易摩擦の影響はいかに?

本日、財務省から1~3月期の法人企業統計が公表されています。統計のヘッドラインは、季節調整していない原系列の統計で、売上高は10四半期連続の増収で前年同期比+3.0%増の372兆5,204億円、経常利益は2四半期振りの増益で+10.3%増の22兆2440億円、設備投資はソフトウェアを含むベースで製造業が+8.5%増、非製造業が+5.0%増となり、製造業と非製造業がともに伸びを示し、全産業では+6.1%増の15兆6763億円を記録しています。GDP統計の基礎となる季節調整済みの系列の設備投資についても前期比+1.1%増となっています。まず、日経新聞のサイトから記事を引用すると以下の通りです。

設備投資6.1%増 1-3月期、経常益は同期間で最高
財務省が3日発表した2019年1~3月期の法人企業統計によると、金融業・保険業を除く全産業の設備投資は前年同期比6.1%増の15兆6763億円だった。増加は10四半期連続で、1~3月期として過去3番目の高水準だった。製造業、非製造業ともに増加した。経常利益は10.3%増で、金額は同期間としては過去最高だった。
設備投資は製造業では8.5%増加した。化粧品や自動車向け素材の生産能力増強で化学は42.1%増、建設機械の生産能力増強投資で生産用機械は43.1%増だった。自動車向け部品用投資で金属製品は23.2%増だった。
非製造業の設備投資は前年同期を5.0%上回った。物品賃貸業が建設機械や情報通信機器などリース資産向け投資で47.7%、安全対策投資などを中心に運輸業、郵便業は12.9%増やした。
国内総生産(GDP)改定値を算出する基礎となる「ソフトウエアを除く全産業」の設備投資額は季節調整済みの前期比で1.1%増加した。製造業が前期比1.7%減少し、非製造業は2.8%増加した。
全産業ベースの経常利益は10.3%増の22兆2440億円と2期ぶりに増益となった。原材料コストの上昇で電気機械が31.2%減となるなど製造業は6.3%マイナスとなったものの、18.4%増と好調な非製造業の伸びが補った。イベント効果で来場者数が伸びたサービス業、都市再開発が貢献した建設業などが増益となった。
売上高は3.0%増と10期連続の増収となった。製造業は1.1%増、非製造業は3.7%増だった。
財務省は「月例経済報告の『景気は緩やかに回復している』という経済全体の動向を反映している」と説明した。
一方で、「製造業では少し傾向が変化している」と話し、電気機械で「中国経済の減速から電子部品の生産が減少している」といった声や輸送用機械で「中国向け部品を製造している工場の稼働率が低下している」といった声が出ていると語った。
同統計は資本金1000万円以上の企業収益や投資動向を集計した。今回の19年1~3月期の結果は、内閣府が10日発表する同期間のGDP改定値に反映される


いつもながら、包括的によく取りまとめられた記事だという気がしますが、やや長くなってしまいました。次に、法人企業統計のヘッドラインに当たる売上げと経常利益と設備投資をプロットしたのが下のグラフです。色分けは凡例の通りです。ただし、グラフは季節調整済みの系列をプロットしています。季節調整していない原系列で記述された引用記事と少し印象が異なるかもしれません。影をつけた部分は景気後退期を示しています。

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上のグラフとベースを同じにして季節調整済の系列で考えると、昨年の我が国企業の動向は、マクロ経済とも一致して、2018年7~9月期に豪雨、台風、地震など相次ぐ自然災害により、GDPはマイナス成長を記録し、そのほか鉱工業生産指数などの経済統計も同様の傾向にあったんですが、法人企業統計では経常利益こそ前期から低下したものの、売上げは何とかプラスを維持して伸びを示しており、売上げと利益で乖離が生じた後、基本的に、2018年10~12月期統計でも同様の傾向は続き、季節調整済の前期比で見て、売上げは2018年7~9月期▲0.6%増、10~12月期▲0.7%増と、伸び率は大きく鈍化しましたが、プラスを継続している一方で、経常利益については2四半期連続で前期比マイナスを記録しています。その語、今年2019年に入って少し方向性に変化が見え、売上げがほぼ横ばいを続けていると見ても差し支えない範囲ながら、小さなマイナスを記録した一方で、経常利益は前期比+13.2%と前2期の反動とはいえ、大きな増加を示しています。ただし、製造業の利益はほぼほぼ横ばいの+0.9%増に対して、非製造業が+19.5%増を記録しています。国際商品市況の石油価格が昨年2018年10~12月期に底を打って反転上昇を始めたために、製造業では石油価格に起因するコストアップがあり、非製造業では人手不足に起因するコストアップがあるんではないかと、私は想像していましたが、非製造業では大きく利益幅が膨らんでいます。画期的な生産性の向上が非製造業であったとはとても思えませんが、情報を総合すると、「純粋持株会社」の大幅増益が原系列の統計で前年同期比+251.2%に達しており、特殊要因によって押し上げられた面がありそうです。大和総研のリポートに従えば、この純粋持株会社を除いたベースで見ると、非製造業の経常利益は前年同期比で+3.4%にとどまる、と試算されています。ただ、わずかな差でほぼ横ばいとはいえ、製造業と非製造業でプラスとマイナスに方向が割れたともいえるかもしれません。米中間の貿易摩擦がヒートアップすれば、製造業はさらに逆風が強まる可能性もある点は注意すべきです。

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続いて、上のグラフは私の方で擬似的に試算した労働分配率及び設備投資とキャッシュフローの比率、さらに、利益剰余金をプロットしています。労働分配率は分子が人件費、分母は経常利益と人件費と減価償却費の和です。特別損益は無視しています。また、キャッシュフローは法人に対する実効税率を50%と仮置きして経常利益の半分と減価償却費の和でキャッシュフローを算出した上で、このキャッシュフローを分母に、分子はいうまでもなく設備投資そのものです。この2つについては、季節変動をならすために後方4四半期の移動平均を合わせて示しています。利益剰余金は統計からそのまま取っています。ということで、上の2つのパネルでは、太線の移動平均のトレンドで見て、労働分配率はグラフにある1980年代半ば以降で歴史的に経験したことのない水準まで低下し上向く気配すらなくまだ下落の気配を見せていますし、キャッシュフローとの比率で見た設備投資は50%台後半で停滞し底ばっており、これまた、法人企業統計のデータが利用可能な期間ではほぼ最低の水準です。他方、いわゆる内部留保に当たる利益剰余金だけは、グングンと増加を示しています。これらのグラフに示された財務状況から考えれば、まだまだ雇用の質的な改善の重要なポイントである賃上げ、あるいは、設備投資も大いに可能な企業の財務内容ではないか、と私は期待しています。ですから、経済政策の観点から見て、官製春闘は終了したとはいえ、企業活動がここまで回復ないし拡大している中で、企業の余剰キャッシュを雇用者や広く国民に還元する政策が要請される段階に達しつつある可能性を指摘しておきたいと思います。

最後に、本日の法人企業統計などを受けて、来週月曜日の6月10日に内閣府から1~3月期のGDP統計2次QEが公表される予定となっています。素直に考えれば、設備投資が上方修正されて、それに応じて成長率もわずかながら上方改定されるんではないかと私は予想していますが、また、日を改めて取り上げたいと思います。
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2019年06月02日 (日) 17:10:00

2回ビッグイニングの7点を守って広島に勝利!!!

  RHE
阪  神070000000 7154
広  島000005000 5101


2回のビッグイニングの7点を守って広島に勝利でした。先発ガルシア投手が6回に突然崩れて、2点差まで追い上げられましたが、さすがに89回のセットアッパーとクローザーの安定感は阪神のほうが上手だったような気がします。広島には延々と負け続けていたように感じているんですが、これで交流戦に入れば気分転換にもなりそうな気がします。

交流戦も、
がんばれタイガース!
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2019年06月02日 (日) 14:27:00

ウェザーニューズによる今年の梅雨入り予想やいかに?

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一昨日の5月31日に九州南部が梅雨入りした折に、ウェザーニューズから今年の梅雨入り予想が明らかにされています。上の画像の通りです。
今年2019年の関東甲信地方の梅雨入りは6月7日ころと予想されています。平年が6月8日ころで、昨年2018年が6月6日だったそうですから、まあ、そんなものかという気もします。来週は梅雨入りしているんでしょうか?
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2019年06月01日 (土) 17:25:00

先発岩田投手が崩れて飛車角落ちの打線ではなすすべなく広島にボロ負け!!!

  RHE
阪  神000001001 262
広  島00002230x 7120


広島にボロ負けでした。先発岩田投手が崩れて、リリーフも失点してしまえば、飛車角落ちの阪神打線ではなすすべもありません。今年も阪神は広島の独走をアシストするんでしょうか。最終回の長坂捕手のホームランが明日につながることを祈るばかりです。

明日こそ広島の独走をストップすべく、
がんばれタイガース!
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2019年06月01日 (土) 11:40:00

今週の読書は読み応えあった経済書をはじめとして小説なしでも計7冊!!!

公務員を定年退職して、今はパートタイムの勤務を続け、それなりに時間的な余裕あるものですから、読書が進んでいる気がします。今週も、新刊の小説にこそ手が伸びませんでしたが、一応、3年ほど前の『海の見える理髪店』なんぞを読んだりもしています。新刊書の読書ではありませんから読書感想文には取り上げていません。新刊書としてはなかなかに感銘を受けた経済書の『データ・ドリブン・エコノミー』をはじめとして、以下の通りの計7冊です。

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まず、森川博之『データ・ドリブン・エコノミー』(ダイヤモンド社) です。今週一番の読書でした。とても得るものがあったような気がします。著者は東大の工学系の研究者です。表紙の見開きにあるんですが、過去20年はデジタル革命の助走期であって、まもなく飛翔期を迎えデジタルが社会の隅々まで浸透する、という現状認識や将来予測には、これだけで敬服すべきものがあるように感じました。ただ、一連の動向がバブルの崩壊を経て再び台頭し、ホンモノになるためには30~40年を要するので、新の意味でデジタル社会が到達するのは2040年以降、というのは、やや筆が滑っているような気がしないでもありません。私はたぶん生き長らえていることはないと思います。ということで、いくつか秀逸な点が含まれた読書だったんですが、例えば、UberやAirbnbに見られるような物的資産のデジタル化とか、製造業のサービス化とか、今までにもさんざ聞いたような内容なんですが、私が特に感銘を受けたのは、今までGAFAなどはインターネット上でやり取りされるウェブデータを集めていた一方で、本書の著者は、これからはリアルデータの収集が重要となると指摘し、リアルデータは1社では集め切れないので、我が国にもまだチャンスが残っている、という点です。すなわち、ウェアラブル端末で収集した体調管理上のデータ、あるいは、POSデータなどのヴァーチャルな世界ではないリアルな世界から得られるデータの収集を重視すべきと主張しています。そして、製造工程やサービス提供のプロセスにおける地味ながら必要な作業のデジタル化、例えば、パトランプの監視などのデジタル化が今後進む、というか、進めるべき分野と指摘しています。まったく、私もその通りだと考えています。というのは、30年近くも前にインターネットの普及に関する書評をある雑誌に依頼されて書いたことがあり、その際に、インターネットやその関連技術について、生活や娯楽の場での活用ばかりを指摘していて、生産現場での活用がない限り、ホントの意味での経済社会での活用とはいえない、と難癖をつけた記憶があり、昨年2018年9月15日に取り上げたロバート・ゴードン教授の『アメリカ経済 成長の終焉』の読書感想文でも「現在進行形のIT産業革命についても、生産の現場におけるイノベーションというわけではなく、国民生活における娯楽や生活様式の変化に及ぼす影響の方が大きく、生産性向上や生産の拡大にはつながりにくい」との評価を下していたんですが、本書の著者によれば、それはまだ助走期だからであって、こさから飛翔期に入れば本格的に生産現場で活用される、ということなんだろうと理解しました。生産現場のデジタル化をここまで重視した論考は初めて接しました。今週の読書の中で一番のオススメとする根拠です。

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次に、クラウス・シュワブ『「第四次産業革命」を生き抜く』(日本経済新聞出版社) です。従来の産業革命を凌駕する経済社会へのインパクトを有する可能性ある第4次産業革命については、生産性の飛躍的な向上やテーラーメイド的な消費者ニーズへの細かな対応など、今までにない特徴あるとともに、とてもdisruptiveな技術と指摘されています。ですからこそ、将来を考える際の視点としては、公平な分配、外部生の包摂、人間の尊厳の回復の3点が忘れられるべきではない、と著者は主張しています。ただ、公平な分配を考える際に、格差を25%タイルで考えているようで、上位1%でもバフェットのいうように「連戦連勝」なわけですから、もう少していねいな視点も必要そうな気もします。特に、AIやロボットが本格的に生産現場に投入されることにより生産性が向上すると仮定すれば、その果実は誰に分配されるのか、資本家階級という言葉はもはや死語なんでしょうが、AIやロボットと協働しない人々の方が、AIやロボットと協働し、あるいは、生産現場から排除される人々よりも多く分配されるとすれば、大きな不公平感が残る可能性は指摘しておきたいと思います。もちろん、こういった問題意識は著者にもあり、多くのステークホルダーと協働して、先行きの変化を見極めてビジョンを共有できるようにし、想定した人々が恩恵を受けられるようなシステムを構築する、あるいは、そういったシステムに変えていく「システム・リーダーシップ」という新しいリーダーシップを提唱しています。本書p.350のあたりです。頭の回転が鈍い私には、どうもピンとこないですが、こういったリーダーシップは従来は国内的には政府や政権党がエリートを軸に保持し、世界経済の場では覇権国に付与されていたような気がします。欧米先進国のいくつかでポピュリズムが伸長し、例えば、トランプ米国政権の「アメリカ・ファースト」のように、世界的なビジョンが共有されなくなったという現実の反映なのでしょうか。それとも、第4次産業革命に付随する何らかの特徴に基づくものなんでしょうか。私にはイマイチ理解できませんでした。もっとも、本書は基本的にダボス会議に集まるようなグローバルな場で活躍するリーダー向けに書かれているんでしょうから、私のような一般ピープルには難しすぎるのかもしれません。なお、新たなテクノロジーについてはもっと理解できませんでした。すなわち、ブロックチェーン、IoT、AIとロボット、先進材料、3Dプリント、バイオテクノロジー、ニューロテクノロジーなどなどです。2年半前の前著である『第四次産業革命』も私には難解だったんですが、さらに磨きがかかった気がします。

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次に、大沢真知子ほか[編著]『なぜ女性管理職は少ないのか』(青弓社) です。著者は日本女子大の研究者であり、本書はまさにタイトル通りの質問に答えようと試みています。広く知られた通り、我が国では女性の社会的進出が遅れているとされており、比較対象としては、先進国はもとより、いくつかのアジア諸国と比べても、例えば、本書のテーマである女性管理職比率は低くなっています。最近の論調では国会議員などの公職の議員比率が議論されたりしていますが、そこまでいかなくても、企業の女性管理職比率が低いのは事実だろうと私も感じています。私自身は定年退職するまで国家公務員でしたから、就職・採用される際の試験区分でかなりの程度に、少なくとも管理職になれるかどうかは決まってしまいます。私はキャリアでしたから、ほぼほぼ確実に管理職まではなれます。私のように能力低い場合は課長級止まりでしたが、多くの同僚キャリア公務員はもう少し上まで昇進できる場合が多いような気がします。他方、キャリアの中の女性比率とノンキャリアの女性比率では、おそらく、後者の方が高くなっているような気がします。ですから、属性条件で管理職の女性比率が低くなっているのも一半の理由はあります。もちろん、さまざまな性差別が存在することは事実であり、本書でもジェンダーステレオタイプに基づく差別的な扱い、また、敵意的あるいは好意的な性差別に加えて、統計的な差別も確認しています。私も南米のラテンのマッチョな国で外交官をしていましたから、レディファーストと称した騎士道的な好意的性差別については広く見受けました。同様に、TBSドラマの「わた定」ではありませんが、就職氷河期のような就活が限界的な状況にあった時には、女性が被害者となる確率高く、非正規雇用に回ってしまったこともあったと記憶しています。出生率を高めるのは、私には少し方向が違うような気もしますが、ジェンダー革命といわれ、女性の社会的な進出とともに出生率は当初下がるものの、その後U字型を描いて上昇するような状況に、日本はいつになれば達するんでしょうか。最後に、どうでもいいことながら、p.118から進化心理学に言及されていますが、もっとも性差別の激しい学問分野だという印象があるんですが、いかがなもんでしょうか。

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次に、小林慶一郎『時間の経済学』(ミネルヴァ書房) です。著者は、経済産業省の官僚から慶応大学の研究者に転じています。シカゴ大学の学位ですから、ややネオリベラルかもしれません。ということで、私は少し誤解していたんですが、万人に平等に与えられている「時間」の選択、というか、時間を使った行動の選択のお話かと思っていたところ、どうも、世代間の平等・不平等を敷衍して、この著者のいつもの主張である財政再建の重要性を伝える内容になっています。官庁エコノミストのころから左派だった私のいつもの主張ですが、財政政策に関しては、右派は財政再建と小さな政府、歳出削減や増税に重点を置き、左派は財政拡大と大きな政府、再出増加や減税に力点を置きます。ですから、現在の安倍内閣は、外構や安全保障、もちろん、憲法改正に関してもゴリゴリの右派と見なされていますが、経済政策に関しては社民党や共産党もビックリの左派だったりするわけです。加えて、これは私独自の視点ながら、左派は需要サイドを重視し、自由貿易には懐疑的で自由な貿易よりも公正な貿易の方が見込みがあると考え、右派は供給サイド優先で構造改革を推進する傾向があり、もちろん、自由貿易が何より重要と受け止めています。ただ、右派ではないのかもしれませんが、米国トランプ政権のように貿易赤字を回避する傾向ある重商主義的な通商政策を志向する場合もあります。やや脇道に逸れましたが、本書では、さまざまな論拠を持ち出して、例えば、ロールズ的な正義と個人の善感覚とか、時間的な不整合の問題とか、あるいは、ノッケではライフ・ボートのジレンマを持ち出して、どこかの世代がババを引かなければ財政再建できないとか、いろんな論拠から財政再建を訴えています。ただ、ライフ・ボートのジレンマもそうなんですが、本書の著者の考えるカギカッコ付きの「合理性」はあくまでシカゴ学派的な右派の論理に立脚しており、必ずしもすべてのエコノミストで同じ合理性を認識しているのではない点は、読み進む上で注意すべきと私は受け止めています。いずれにせよ、財政再建とか、地球環境問題とか、解決に長期の時間を要する問題は市場ではどうにもならない場合があります。本来は、何らかの政府ないし独立の機関が解決に当たるべき、というのは、本書の著者の主張の中で唯一私が合意する点です。ハイエク的な観点でも、市場では充分でない場合があるわけです。

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次に、ロベルト・テッロージ『イタリアン・セオリーの現在』(平凡社) です。著者は哲学の一分野ながら美学の専門らしく、どこまで本書のタイトルに応じた議論ができるのか、私には評価できないレベルなんですが、やや気にかからないでもありません。ということで、本書では大陸欧州中心に、イタリアン・セオリーこと、イタリアで展開されている現代哲学について、大陸欧州の中心たるフランスやドイツの啓蒙主義時代から現代につながる哲学との連続性や類似性とともに、イタリアに特有の知的伝統、特に、スピノザやマキャベリなどの政治哲学とに求め、イタリアン・セオリーの全体的な把握を試みています。もちろん、2000年に出版されたハート&ネグリによる『<帝国>』でマキャベリやスピノザの用いたマルティテュードによりグローバル化を読み解いたのが、割合と最近のイタリアン・セオリーの新たな展開だったわけだと私は理解しています。すなわち、かなりの程度にブルータルな大国のヘゲモニーに基づくグローバル化に対して、それぞれの国家や民族などの多様性を容認しつつ、国家権力ではなく国民や企業の間のネットワーク上の権力としてのマルティテュードをグローバリズムのカギとして提案したわけです。結局のところ、私のようなシロートにとっては、ネグリのマルティテュードしかイタリアン・セオリーを知らず、そのマルティテュードの大昔の提唱者や使用者としてマキャベリやスピノザの名を上げるだけなんですが、そこはさすがに、本書では、ネグリだけでなく、アガンベンやエスポジトも含めたこの3人を中心に議論を展開し、3つの観点、すなわち、生政治、共同体、政治神学からイタリアン・セオリーの現時点での到達点をひも解こうと試みています。ただ、ネグリ自身が1960年代くらいからの左翼思想家であることは明らかですし、その時代のフランスの構造主義あるいはその後のポスト構造主義の影響力は、我が国では計り知れません。1960年安保のあたりから始まる新左翼の運動がその典型例と考えるべきです。日本では、少なくとも、イタリア思想界については、新左翼的な潮流よりも、むしろ、伝統左翼ともいうべきグラムシのヘゲモニー論から始まって、ロンゴやベルリンゲルなどのユーロ・コミュニズムが影響力あった気もしないでもないんですが、本書ではユーロ・コミュニズムではなくグラムシなどの個人的な思想しか注目していないような気もします。まあ、繰り返しになりますが、この分野に専門外でシロートの私のような日本人からの視点かも知れません。

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次に、ダーヴィッド・ヴァン・レイブルック『選挙制を疑う』(法政大学出版局) です。著者は、ベルギーの作家なんですが、博士号を取得しており、欧州を代表する知識人のひとりと目されているようです。原書のオランダ語タイトルは Tegen Verkiezingen であり、邦訳者の解題に従えば、英語に直訳すると、Against Elections だそうです。初版は2013年の出版ですが、邦訳は2016年の版を底本としています。ということで、現代民主主義が「民主主義疲れ」に陥っていると指摘しつつ、その責任を、政治家、民主主義、代議制民主主義、選挙型代議制民主主義の4つの求める思考実験を行って、18世紀以来の選挙型の代議制民主主義について否定的な見方を示しています。とはいっても、あくまで思考実験から始まるわけですが、古典古代のギリシアまでさかのぼって民主主義を考え直し、捉え直し、その上で、選挙型ではなく、くじ引きなどの抽選型の民主主義を二院制議会のうちの一院で採用すべきではないか、その方がホントの熟議民主主義に適しているんではないか、と結論しています。我が国でも、選挙ではない裁判員制度が取り入れられていますので、判らないでもありませんが、同時に、やや無謀な気もします。いくつかの、本書でいう民主主義の治療法があると思うんですが、ハナから取り上げられていない手法もあります。というのは、これだけインターネットが普及し、SNSの利用者が多くなっているわけですから、まず、代議制民主主義ではなく直接民主主義のコストがかなり低下していることは無視すべきではありません。さらに、特に我が国のように世代間格差が大きくてシルバー民主主義が大きな権力を行使している国にあっては、1人1票ではなく、未成年の子供の投票権を親の代理によって認めるデーメニ式の投票などが提案されていたりしますが、これも本書では議論にすら取り上げられていません。ただ、「判らないでもありません」に戻ると、我が国で最近の10年くらいに、いわゆる「ねじれ国会」を経験していますから、同じような選挙システムに基づく二院制議会が、どこまで意味あるかについては疑問を持っている人がいそうな気がします。ポピュリズムが勝利した国では、いわゆる「多数派による専制」の可能性があり、我が国でも現政権の圧倒的な権力が報じられたりていますから、三権分立に加えて、執行権を行使する政府のパワーについて、何らかのチェックをした方が、熟議に基づく民主守護として、あるいは、結果として好ましい可能性がないわけではない、と私も同意します。ただ、繰り返しになりますが、それが抽選型の議会による民主主義かね、という気もします。抽選で選ばれた議会の権威が落ちそうな気もしますし、もしも、抽選が民主主義にいいということであれば、当然に、その適用範囲を拡大することになるわけで、我が国のような内閣制はヤメにして、政府、というか、総理大臣を直接選ぶのか、それは選挙でいいのか、それとも民主主義に好ましい抽選なのか、という疑問も残ります。頭の体操ながら、大統領や総理大臣を抽選で選ぶとすれば、「無謀」と見なす人が多いんではないかと私は考えるんですが、いかがでしょうか。

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最後に、戸部良一『昭和の指導者』(中央公論新社) です。上の表紙画像のうち、上の人物は浜口雄幸総理、下は吉田茂総理です。まあ、見れば判ると思います。著者は歴史学の研究者であり、国際日本文化研究センターや防衛大学校の名誉教授です。本書では、昭和期の指導者として6人、すなわち、浜口雄幸、近衛文麿、東条英機、吉田茂、中曽根康弘、そして、昭和天皇を取り上げ、現代に最も近い中曽根康弘から時代をさかのぼる形で比較・や分析を試みています。加えて、補論として宇垣一成についても議論を展開しています。もっとも、宇垣の場合は、将来の指導者と目されつつ、ついにトップの地位にたどり着けなかったため、補論になっているんだろうと私は想像しています。昭和初期の太平洋戦争開戦までの時期は、あれだけの我が国近代史上まれにみる激動期であったにもかかわらず、というか、激動期であったがゆえに、かもしれませんが、なぜ、指導力や統率力を欠くリーダーしか登場しなかったのか、を著者は問い、その原因が分かれば現代のヒントにもなると指摘しています。しかし、通り一遍でうわべだけの指導者像をもとに議論するのでは、ハッキリいって、モノになるとは思えませんが、指導者としての意図だけでなく、政治のトップとしての結果責任も含めて、著者からこれら6人の指導者に対して、時には厳しく、時には暖かい視線を送って分析を進めています。特に、優柔不断で軍部の専横を許したとの批判が根強い近衛文麿総理と、何といっても太平洋戦争開戦の最大の責任者である東条英機総理に対しては、世間一般の見方より大きく好意的な評価が下されている気がします。私には理解できないところです。
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