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2019年11月15日 (金) 19:50:00

世界経済減速の影響を受けて年末ボーナスは減ってしまうのか?

先週から今週にかけて、例年のシンクタンク4社から2019年年末ボーナスの予想が出そろいました。いつもの通り、顧客向けのニューズレターなどのクローズな形で届くものは別にして、ネット上でオープンに公開されているリポートに限って取りまとめると以下のテーブルの通りです。ヘッドラインは私の趣味でリポートから特徴的な文言を選択しましたが、公務員のボーナスは制度的な要因で決まりますので、景気に敏感な民間ボーナスに関するものが中心です。可能な範囲で、消費との関係を中心に取り上げています。より詳細な情報にご興味ある向きは左側の機関名にリンクを張ってあります。リンクが切れていなければ、pdf 形式のリポートが別タブで開いたり、あるいは、ダウンロード出来ると思います。"pdf" が何のことか分からない人は諦めるしかないんですが、もしも、このブログの管理人を信頼しているんであれば、あくまで自己責任でクリックしてみましょう。本人が知らないうちに Acrobat Reader がインストールしてあって、別タブでリポートが読めるかもしれません。なお、「公務員」区分について、みずほ総研の公務員ボーナスだけは地方と国家の両方の公務員の、しかも、全職員ベースなのに対して、日本総研と三菱リサーチ&コンサルティングでは国家公務員の組合員ベースの予想、と聞き及んでおり、ベースが違っている可能性があります。注意が必要です。

機関名民間企業
(伸び率)
国家公務員
(伸び率)
ヘッドライン
日本総研38.7万円
(▲0.8%)
68.4万円
(▲3.6%)
賞与支給総額は、同+0.9%の増加となる見込み。一人当たり支給額は減少するものの、支給労働者数の増加が下支え。
第一生命経済研(▲1.5%)n.a.冬のボーナスの悪化が見込まれることは、今後の個人消費にとって痛手だ。10月から始まった消費増税による負担増にボーナス減少という重荷が加わることで、消費への逆風はさらに強まる。消費増税に備えて様々な対策が実行に移されていることから、家計の実質的な増税負担額は14年と比較してかなり小さく、消費増税発の景気失速は避けられるとみられるが、リスクは明らかに下振れである。
三菱UFJリサーチ&コンサルティング38.8万円
(▲0.4%)
79.0万円
(▲1.3%)
ボーナスの支給総額は16.9兆円(前年比+1.5%)に増加する見通しである。一人当たり支給額は減少に転じるものの、ボーナスが支給される事業所で働く労働者数が大きく増加することが支給総額の増加に寄与しよう。冬のボーナスの支給労働者数は4,344万人(前年比+2.0%)に増加し、支給労働者割合も84.8%(前年差+0.1%ポイント)に上昇すると見込まれる。ボーナスの支給総額の増加は、消費増税後の落ち込みからの回復を期する今後の個人消費にとってプラス材料である。
みずほ総研38.2万円
(▲2.1%)
74.9万円
(▲2.7%)
懸念されるのは、こうした所得の伸び悩みにより、消費増税後の個人消費が下押しされることだ。消費増税後の落ち込みについては、政府の所得支援策などにより、一定程度抑制されるとみられるものの、所得環境は伸び悩みが続いており、消費の基調は力強さに欠ける展開が予想される。今冬のボーナス伸びの大幅鈍化は、ますます消費の基調を弱めることになりかねない。海外経済の減速や企業収益の弱含みが雇用・所得環境を通じて消費に波及していくリスクは継続しており、今後の消費動向は要注意だ。


ということで、こぞって1人当たりボーナス額が減少する一方で、ボーナス支給対象雇用者が増加することから、1人当たり額に支給対象者数を乗じたボーナス支給総額は増加すると予想しています。シンクタンクによっては、1人当たりの減額を受けて消費にマイナスとする見方がある一方で、支給総額がプラスなので消費を下支えするという意見もあります。先行き景気は世界経済の動向に左右される部分が大きいんですが、私自身の見方としては、かなり不透明感がある中で、恒常所得ではないボーナスは消費に回る比率、限界消費性向はそれほど大きくないことから、いずれにせよ、消費に大きな影響をもたらすほどのインパクトはなく、10月からの消費税率引上げによる下押し圧力の方が上回り、消費はさえない展開が続くと予想しています。景気失速ないし景気後退につながるかどうかは、消費よりも世界経済の動向、あるいは、それに起因する我が国の輸出動向に左右される部分が大きいとは思いますが、雇用から消費への波及ももちろん無視できません。景気局面はビミョーな段階に入ったと考えるべきです。
下の画像は、日本総研のリポートから賞与支給総額(前年比)を引用しています。

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