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2010年11月08日 (月) 19:56:00

景気動向指数の一致指数が1年半振りに前月比マイナスに突っ込む!

本日、内閣府から9月の景気動向指数が発表されました。ヘッドラインとなるCI一致指数は前月から▲1.3ポイント低下して102.0となり、昨年2009年3月を谷とする現在の景気回復局面で、1年半振りに初めて前月比マイナスを記録しました。もっとも、CI先行指数は3か月連続でマイナスとなっています。いずれにせよ、CI一致指数の3か月後方移動平均の前月差が17カ月ぶりに▲0.13ポイントのマイナスに転じたことから、内閣府は基調判断を「足踏みの動きもみられる」とただし書きを付け、1年11か月振りに下方修正しました。まず、いつもの日経新聞のサイトから記事を引用すると以下の通りです。

景気一致指数1年半ぶり悪化 9月、基調判断を下方修正
内閣府が8日発表した9月の景気動向指数(CI、2005年=100、速報)によると、景気の現状を示す一致指数は前月比1.3ポイント低下の102.0と、1年6カ月ぶりに悪化した。エコカー補助金終了の影響や輸出の勢いが鈍化していることを受け、生産関連や消費関連の指数が低下した。
基調判断は「改善を示している。ただし、CI一致指数の3カ月後方移動平均の前月差が17カ月ぶりにマイナスに転じており、足踏みの動きもみられる」とただし書きを付け、1年11カ月ぶりに下方修正した。CI一致指数の3カ月後方移動平均は0.13ポイント低下した。
記者会見した和田隆志内閣府政務官は「必要以上に神経質になる必要はないが、マイナスの要因分析をしっかりしながら政策に反映することが必要だ」と説明。一方で「景気がいわゆる足踏み状態に入っているのだろうと実感せざるをえない。少し心配な状況になっている。しっかりと資金の回転を得るための経済対策を打っていく」とも語った。
数カ月後の景気の先行きを示す先行指数は0.6ポイント低下の98.9と3カ月連続で低下した。景気に数カ月遅れる遅行指数は1.0ポイント上昇の88.4と2カ月ぶりに上昇した。


つぎに、いつものグラフは以下の通りです。上のパネルはCI、下がDIです。CIは赤が一致指数、水色が先行指数を表しています。DIは一致指数だけです。上下のパネルとも影を付けた部分は景気後退期です。

景気動向指数の推移

景気動向指数を見る限り、エコカー補助金の終了に加えて世界経済の減速と円高などに伴う輸出の停滞から、足元で景気指標は8月がピークだった可能性があります。もちろん、四半期でならしてみれば7-9月期まで景気は回復期にあったことは明らかですが、少なくとも、10-12月期にはエコカー補助金打切りと輸出停滞に加えて、たばこ買いだめ需要の反動や家電エコポイントの制度変更なども加え、GDPベースで大きなマイナス成長を記録することは明らかです。月次で見れば8月が、四半期で見れば7-9月期が足元のピークになる可能性があります。もちろん、そのまま景気後退局面に移行するとまで単純に考えているわけではありませんが、マイナス成長が10-12月期のみで終わるとはとても思えず、来年前半くらいまで日本経済は低迷する可能性が高いと受け止めるべきです。

私は来年年央くらいから緩やかに日本経済は回復軌道に復帰するものと楽観していますが、政策要因で景気が振れているだけに、政策効果が剥落した時に日本経済の基調がどうなっているのか、それほどの自信はありません。現時点で考えて、もっとも警戒すべきポイントは為替レートの水準であろうと私は予想しています。
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