2014年07月27日 (日) 13:11:00
今週のジャズはソニー・ロリンズ「ワークタイム」

今週のジャズは新譜ではなく、60年近く前に録音されたソニー・ロリンズ「ワークタイム」です。1955年の録音ですから、ステレオではなくモノラルだったりします。収録曲は以下の通りわずかに5曲で、演奏時間は30分余りです。
- ショウほど素敵な商売はない
- パラドックス
- レインチェック
- ゼア・アー・サッチ・シングス
- イッツ・オールライト・ウィズ・ミー
ジャズファンの間では、この時期のロリンズのアルバム、特に、プレステッジに吹き込んだ3部作、すなわち、「サキソフォン・コロッサス」、「ワークタイム」、「テナー・マドネス」の3枚や「ウェイアウト・ウェスト」などの評価が高いんですが、プレステッジ3部作の中でも「サキソフォン・コロッサス」の評価が飛び抜けています。ロリンズの代表作というだけでなく、ジャズのアルバムとしてもナンバーワンと評価するファンや評論家も少なくないと私は受け止めています。単に中身の音楽だけでなく、切り絵風のシルエットをあしらったシンプルなジャケットのセンスも抜群で、収録されている曲の中でも「モリタート」は名曲の名演奏として知れ渡っています。また、「テナー・マドネス」はわずか1曲だけとはいえ、ロリンズとコルトレーンが表題曲のブルーズを共演しており、非常に貴重かつ希少なセッションを含んでいます。
それなのに、私がどうして「ワークタイム」を好きかといえば、最初の「ショウほど素敵な商売はない」がいいからに尽きます。私のジャズの曲の好みはかなり標準的だと考えているんですが、ロリンズとコルトレーンだけは少し違っていて、ロリンズはこのアルバムの「ショウほど素敵な商売はない」が一番ですし、コルトレーンも通常は「セルフレスネス」に収録されている「マイ・フェイバリット・シングス」の評価が高いんですが、私は「ライヴ・アット・ザ・ヴィレッジ・ヴァンガード」の2曲めに収録されている「朝日のようにさわやかに」をもっとも高く評価しています。まあ、単純に好みだというだけです。もっとも、コルトレーンの最高作のアルバムということになれば、「至上の愛」に指を屈せざるを得ない点については、大方の理解を得られそうな気もします。
そうそう新譜のジャズ・アルバムを聞くわけでもないので、今日の記事の「今週のジャズ」は古い古いソニー・ロリンズのアルバムのご紹介でした。
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