2018年02月09日 (金) 21:43:00

来週公表予定の2017年10-12月期1次QE予想やいかに?

先週水曜日1月31日の鉱工業生産指数(IIP)をはじめとして、ほぼ必要な統計が出そろい、来週の2月14日に昨年2017年10~12月期GDP速報1次QEが内閣府より公表される予定となっています。すでに、シンクタンクなどによる1次QE予想が出そろっています。いつもの通り、顧客向けのニューズレターなどのクローズな形で届くものは別にして、web 上でオープンに公開されているリポートに限って取りまとめると下の表の通りです。ヘッドラインの欄は私の趣味でリポートから特徴的な文言を選択しています。可能な範囲で、足元の1~3月期から2018年の景気動向を重視して拾おうとしています。明示的に取り上げているシンクタンクはかなり多く、特にみずほ総研は詳細でしたので超長めに引用しています。もう1機関、三菱UFJリサーチ&コンサルティングも長めの引用となっていますが、その理由については後ほど取り上げます。いずれにせよ、より詳細な情報にご興味ある向きは一番左列の機関名にリンクを張ってありますから、リンクが切れていなければ、pdf 形式のリポートが別タブで開いたり、ダウンロード出来たりすると思います。"pdf" が何のことか分からない人は諦めるしかないんですが、もしも、このブログの管理人を信頼しているんであれば、あくまで自己責任でクリックしてみましょう。本人が知らないうちにAcrobat Reader がインストールしてあって、別タブが開いてリポートが読めるかもしれません。

機関名実質GDP成長率
(前期比年率)
ヘッドライン
日本総研+0.3%
(+1.0%)
2018年1~3月期を展望すると、食料品やエネルギー価格の上昇による消費者マインドの悪化などが下押し要因となるものの、高水準の企業業績を背景に、工場新設や機械投資などが下支えすることで、緩やかな回復基調が持続する見込み。
大和総研+0.3%
(+1.0%)
先行きの日本経済は、基調として足下の緩やかな拡大が継続するとみている。個人消費を中心とした内需は一進一退ながら堅調な推移が続くと同時に、世界経済の回復を背景とした外需の拡大が日本経済の成長を支えるだろう。ただし、FedやECBの出口戦略に伴う外需の下振れリスクには警戒が必要である。
みずほ総研+0.2%
(+1.0%)
2018年の日本経済を展望すると、海外経済の回復を背景に輸出の増加が続くとともに、内需も底堅く推移し、日本経済は緩やかな回復基調を維持するとみている。項目別にみると、輸出は、新型iPhoneによる大きな押し上げ効果は期待薄となったものの、データセンターや車載向け半導体、半導体製造装置等の需要拡大が引き続き押し上げ要因となるだろう。実際、機械輸出に先行する傾向のある海外からの機械受注は、昨春以来高い伸びを維持している。設備投資は、五輪関係や都市再開発関連の案件が進捗すること、人手不足の深刻化を背景に省力化・効率化投資の積み増しが見込まれることから、回復基調を維持するだろう。個人消費については、堅調な雇用・所得情勢や株高が追い風となろう。ただし、このところ食料品やガソリンといった生活必需品の価格が上昇していることから、家計の節約志向の強まりには注意が必要だ。
リスク要因に目を向けると、世界的な資産価格の調整や円高の進行など金融市場が大きく変動すれば、不確実性の上昇を通じて実体経済に悪影響を及ぼすことになるだろう。中国における構造改革(不動産投機の抑制や過剰債務の調整)の進展も、その舵取り次第では景気が下振れする可能性がある。北朝鮮情勢の悪化など、地政学リスクにも引き続き留意が必要だ。
ニッセイ基礎研+0.2%
(+0.8%)
先行きについても、海外経済の回復に伴う輸出の増加、企業収益の改善を背景とした設備投資の回復が続くことが予想される。一方、名目賃金の伸び悩みや物価上昇に伴う実質所得の低迷から家計部門は厳しい状況が続きそうだ。当面は企業部門(輸出+設備投資)主導の経済成長が続く可能性が高い。
第一生命経済研+0.2%
(+0.8%)
先行きについても、景気は好調に推移するとみられる。米国を中心として海外経済が回復傾向を続けるとみられるなか、輸出は増加基調で推移する可能性が高いことに加え、設備投資も企業収益の増加や高水準の企業マインドを受けて増加傾向が続き、景気を押し上げる。1-3月期以降は再び成長率が高まることが予想される。
伊藤忠経済研+0.2%
(+0.8%)
10~12月期は内閣府が試算する潜在成長率1.1%を下回ることになるが、既に需給ギャップは7~9月期時点で需要が供給力をGDP比0.7%上回っており、10~12月期においてもGDP比0.6%程度の需要超過状態が見込まれる。したがって、デフレ脱却に向けて前進はしないが後退したわけでもない。
三菱UFJリサーチ&コンサルティング+0.0%
(+0.0%)
ゼロ成長となる原因は、第一に、個人消費が小幅ながら2四半期連続で前期比マイナスとなることである。10月に天候不順の影響で落ち込んだ後は持ち直しているが、落ち込みを埋めるまでには至っていない。また、物価が上昇していることも、実質値の押し下げに寄与したとみられる。第二に、住宅投資、公共投資がすでにピークアウトしており、いずれも2四半期連続で前期比マイナスとなると見込まれる。さらに、スマートフォンなど情報通信機械を中心に輸入が堅調に増加すると予想される。最後に、在庫投資の寄与度が7~9月期に急拡大した反動により、マイナス寄与に転じる可能性がある。
三菱総研+0.1%
(+0.4%)
2017年10-12月期の実質GDPは、季節調整済前期比+0.1%(年率+0.4%)と8四半期連続のプラス成長を予測する。外需は若干のマイナス寄与となるものの、内需は消費・設備投資を中心に底堅く推移した。


ということで、下の方にある三菱系2機関を別とすれば、引き続き、+1%もしくはそれに近い成長率で、8四半期連続のプラス成長を記録するものと見込まれています。需要項目別に詳しく見ても、昨年2017年7~9月期にマイナスを記録した消費もプラスに戻り、設備投資もプラスを続ける、という形で、内需中心の成長という望ましい姿が示されているように思います。ただ、成長率そのものは2017年4~6月期や7~9月期のような年率+2%超からは大きく縮小するものの、我が国経済の潜在成長率からみれば十分な伸びを確保するとの見込みです。かなり多くのエコノミストのコンセンサスは以上のようなものではないか、と私は考えていますが、実は、私自身はそれほどプラス成長に自信を持っているわけではありません。さすがに、大きなマイナス成長とは思いませんが、かなりゼロ成長に近い、もしくは、マイナス成長の可能性も排除できない、と考えています。理由はそれぞれに薄弱なんですが、第1に消費がどこまでの伸びを示すか自信がありません。野菜などの値上がりで実質消費がマイナスになった可能性すら考えられないでもない、と婉曲な表現ながら、消費が前期からの反動も含めて増加を示すかどうかに疑問を持ちます。第2に住宅投資のマイナス幅が大きい可能性です。あまり根拠ありません。第3に在庫がマイナスになる可能性です。これも、あまり根拠ありません。もっとも、在庫がマイナスになるのは在庫調整がさらに進展するという評価も出来るのではないかと思います。いずれにせよ、繰り返しになりますが、それほど強い根拠ではないですし、著名なシンクタンクに所属するエコノミストであれば躊躇するような異端の見方かもしれませんが、ゼロないし小さなマイナス成長の可能性もあり得る点は忘れるべきではない、と私は考えています。その意味で、三菱UFJリサーチ&コンサルティングのヘッドラインを少し長めに引用してあります。ご参考まで。
最後に、下のグラフは、いつもお世話になっているニッセイ基礎研のリポートから引用しています。たぶん、仕上がりはこんなもんだろうという気はします。

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