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2018年02月15日 (木) 19:58:00

2017年12月統計で大きな減少を示した機械受注の先行きをどう見るか?

本日、内閣府から昨年2017年12月の機械受注が公表されています。変動の激しい船舶と電力を除く民需で定義されるコア機械受注の季節調整済みの系列で見て前月比▲11.9%減の7926億円と大きなマイナスを記録しています。まず、日経新聞のサイトから記事を引用すると以下の通りです。

17年12月の機械受注、前月比11.9%減 17年は5年ぶり減少
内閣府が15日発表した2017年12月の機械受注統計によると、民間設備投資の先行指標とされる「船舶・電力を除く民需」の受注額(季節調整値)は前月比11.9%減の7926億円だった。減少は3カ月ぶり。QUICKがまとめた民間予測の中央値(2.9%減)を大きく下回った。製造業と非製造業がともに減少した。内閣府は基調判断を「持ち直しの動きがみられるものの、12月の実績は大きく減少した」とした。
製造業の受注額は3648億円と前月比13.3%減少した。減少は2カ月連続。原子力原動機の反動減などによる「非鉄金属」が大幅な減少が響いた。非製造業は7.3%減の4457億円。3カ月ぶりに減少した。運搬機械など「卸売業・小売業」などが減少した。前年同月比での「船舶・電力を除く民需」の受注額(原数値)は5.0%減だった。
併せて公表した2017年10~12月期の船舶・電力を除いた民需の受注額は2兆5427億円と前期比0.1%減少した。内閣府が前月時点で示していた17年10~12月期見通しは3.5%減だった。
17年の船舶・電力を除いた民需の受注額は10兆1431億円と前年比1.1%減少した。減少は5年ぶり。非製造業は5.1%減の5兆6817億円と3年ぶりに減少した。一方で製造業は4.2%増の4兆4828億円と2年ぶりに増加した。
18年1~3月期の船舶・電力を除いた民需の受注額は0.6%増の見通し。製造業が5.7%減、非製造業が7.4%増とみている。


いつもながら、包括的によく取りまとめられた記事だという気がします。次に、機械受注のグラフは以下の通りです。上のパネルは船舶と電力を除く民需で定義されるコア機械受注とその6か月後方移動平均を、下は需要者別の機械受注を、それぞれプロットしています。色分けは凡例の通りであり、影をつけた部分は景気後退期を示しています。

photo


引用した記事にもある通り、日経・QUICKによる市場の事前コンセンサスの中心値は前月比で▲2.9%減であり、レンジの下限でも▲7.5%減でしたので、2ケタ減はかなり大きいと受け止めています。ただ、報道などでは明らかではありませんが、統計作成官庁である内閣府が基調判断を「持ち直しの動き」と総括しつつ、12月統計のイレギュラーさを浮き彫りにした表現を加えていますから、何らかの特殊要因で大幅減がもたらされたのかもしれません。です。いずれにせよ、2017年12月統計の大幅減をどう見るかには、いくつかの解釈が可能かと受け止めています。加えて、その先行きをどう予想するか、もいくつかの見込みがあり得ます。第1に、単純にイレギュラーな特殊要因による大幅減として、基調は「持ち直しの動き」で変わりないとの解釈です。根拠のひとつは2018年1~3月期のコア機械受注の見通しが前期比で+0.6%と増加を示している点です。第2に、為替要因を重視し、特に、足元での円高傾向から先行きを悲観視する見方です。根拠のひとつは、12月統計の前期比でコア機械受注のうち、船舶・電力を除く非製造業が▲7.3%減を示したのに対し、製造業は▲13.3%減であったからであり、2018年1~3月期見通しでも、製造業は前期比マイナス、船舶・電力を除く非製造業はプラスと見込まれています。第3に、足元は楽観しつつ、2019年以降くらいに消費増税の実施と資本ストックの循環要因から設備投資が減速する、という見方です。実は、私自身はこの第3の見方にやや近く、2019年10月の消費増税と2020年の東京オリンピック・パラリンピック開催後の設備投資は明らかに減速すると予想しています。2019年後半よりはもう1年オリンピック・パラリンピックで需要が支えられる可能性が高いものの、2020年後半には明らかに設備投資は減速すると考えるべきです。ただ、足元や目先については、為替要因が小さいならば、まだ一進一退ないし横ばい圏内の動きを続けるものと考えています。もちろん、為替要因はかなり大きい可能性もあります。それなりのボラティリティを持つ相場モノの予想は私には出来ません。

最後に、四半期データが利用可能になりましたし、先行き四半期である2018年1~3月期見通しも明らかにされています。いつもでしたら、四半期データである達成率のグラフをお示しするんですが、引き続き、エコノミストの経験則である景気転換ラインである90%は超えていません。2017年7~9月期99.0%の後、10~12月期には103.1%となっています。念のため。
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