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2018年03月02日 (金) 20:42:00

ほぼほぼ完全雇用を示す1月の雇用統計からデフレ脱却を考える!

本日、総務省統計局の失業率や厚生労働省の有効求人倍率などの雇用統計が公表されています。いずれも1月の統計です。失業率は前月から大きく▲0.3%ポイント低下して2.4%を示した一方で、有効求人倍率は前月と同じ1.59倍となっています。まず、日経新聞のサイトから記事を引用すると以下の通りです。

1月の完全失業率2.4% 24年9カ月ぶり低水準
完全雇用状態続く

総務省が2日公表した労働力調査によると、1月の完全失業率(季節調整値)は2.4%で1993年4月以来24年9カ月ぶりの低い水準となった。雇用環境の改善で失業者が減った。前月比0.3ポイント改善し、総務省は「非常に大きな改善となった」としている。厚生労働省が同日発表した1月の有効求人倍率(季節調整値)は前月と同水準の1.59倍だった。
完全失業率は働く意欲のある人のうち、職がなく求職活動をしている人の割合を指す。求人があっても職種や年齢などの条件で折り合わずにおきる「ミスマッチ失業」は3%程度とされる。1月は3%を大きく割り込み、働く意志のある人なら誰でも働ける完全雇用状態にあるといえる。
失業率の内訳をみると、失業して仕事を探している完全失業者数は前年同月比で38万人と大幅に減った。減少幅は14年8月以来約3年ぶり。
ハローワークで仕事を探す人1人あたり何件の求人があるかを示す有効求人倍率は、1974年1月以来の高水準だ。労働需要は依然として高い。就業者数は6562万人で前年同月比で92万人増加した。
就業者を産業別にみると、飲食・宿泊サービス業で前年同月比23万人増加した。そのほか教育・学習支援業(18万人増)や情報通信業(10万人増)で増加が目立った。
企業は人材の確保が難しく、人手不足が深刻になっている。求人に対して実際に職に就いた人の割合を示す充足率(季節調整値)は14.7%だった。ハローワークを通さない求職は含まないが「7人雇おうとしても採用できるのは1人」という計算になる。
将来の人手不足を見越して長期間雇える正社員の雇用を増やす企業も多い。正社員の有効求人倍率(季節調整値)は1.07倍で前月と同様、高水準だった。


いつもながら、包括的によく取りまとめられた記事だという気がします。続いて、雇用統計のグラフは以下の通りです。いずれも季節調整済みの系列で、上から順に、失業率、有効求人倍率、新規求人数をプロットしています。影をつけた期間は景気後退期です。

photo


上に並べた3枚のグラフについて、失業率が景気動向に対して遅行指標、有効求人倍率が一致指標、新規求人が先行指標と、多くのエコノミストは認識しており、先行指標の新規求人数が大きく下げたのはやや気がかりですが、私がこのブログで示している新規求人数は下げた一方で、新規求人倍率をチェックすると上のグラフほどは下げていませんから、やや先行きに懸念を残しつつも、失業率の大きな下げに注目する論調が現時点では主流ではないかという気がします。ということで、失業率はもちろん、有効求人倍率もかなりタイトな労働需給を示しています。加えて、グラフは示しませんが、正社員の有効求人倍率も前月と同水準で1.07倍と1倍を上回って推移しています。ただし、今日の雇用統計には含まれていませんが、繰り返しこのブログで指摘している通り、毎月勤労統計などを見る限り、まだ賃金が上昇する局面には入っておらず、賃金が上がらないという意味で、まだ完全雇用には達していない可能性がある、と私は考えています。ですから、失業率が、引用した記事に見られる通り、ホントに3%が完全雇用なのだとすれば賃金上昇が生ずるハズですし、有効求人倍率がまだ上昇を続けているのも事実です。要するに、まだ遊休労働力のスラックがあるということで、グラフは示しませんが、性別年齢別に考えると、高齢男性と中年女性が労働供給の中心となっています。もっとも、定量的な評価は困難ながら、そのスラックもそろそろ底をつく時期が迫っているんではないかと思います。特に、採用しやすい大企業に比べて、中小企業では人手不足がいっそう深刻化する可能性もあります。少なくとも、失業率が2%台前半に入ったということは、かなりその遊休スラックの限界に近づいた事実を示している可能性があります。加えて、1人当たりの賃金の上昇が鈍くても、非正規雇用ではなく正規職員が増加することから、マクロの所得としては増加が期待できる雇用状態であり、さらに、雇用面の不安や懸念が大きく軽減されていることから、株高ほどではないとしても、それなりに消費者マインドを下支えしているのではないかと私は考えています。ただし、賃上げは所得面で個人消費をサポートするだけでなく、デフレ脱却に重要な影響を及ぼしますから、マクロの所得だけでなく今春闘では個人当たりの賃上げも何とか実現して欲しいと思います。
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