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2018年12月12日 (水) 20:12:00

9月の自然災害からのリバウンドが物足りない機械受注と上昇幅が縮小した企業物価(PPI)!

本日、内閣府から10月の機械受注が、また、日銀から11月の企業物価 (PPI) が、それぞれ公表されています。機械受注のうち変動の激しい船舶と電力を除く民需で定義されるコア機械受注は、季節調整済みの系列で見て、前月比+7.6%増の8632億円を示しています。また、PPIのヘッドラインとなる国内物価の前年同月比上昇率は+2.3%と前月の+3.0%から上昇率が大きく縮小したものの、引き続き、高い上昇率を継続しています。まず、日経新聞のサイトから記事を引用すると以下の通りです。

10月の機械受注7.6%増、2カ月ぶり増も基調判断は下方修正
内閣府が12日発表した10月の機械受注統計によると、民間設備投資の先行指標である「船舶・電力を除く民需」の受注額(季節調整済み)は前月比7.6%増の8632億円だった。増加は2カ月ぶり。製造業、非製造業ともに受注額が増えたが、QUICKがまとめた民間予測の中央値(10%増)を下回った。
内閣府は「3カ月移動平均でならしてみると、2カ月連続で減少している」として、基調判断を「持ち直しの動きがみられる」から「持ち直しの動きに足踏みがみられる」に下方修正した。基調判断を下方修正するのは今年6月以来、4カ月ぶり。「受注額は高い水準にあるが、10月の戻りが弱く、方向感としては足踏みがみられる」(内閣府)という。
10月の受注額は製造業が12.3%増の4226億円だった。増加は2カ月ぶり。17業種のうち12業種が増加した。石油製品・石炭製品の受注が増えたほか、自動車・同付属品で工作機械などの受注が増えた。
非製造業も2カ月ぶりに増え、4.5%増の4537億円だった。電力業で発電機などの受注が増えた。前年同月比での「船舶・電力を除く民需」の受注額(原数値)は4.5%増だった。
11月の企業物価指数、前月比で8カ月ぶり下落 原油下落の影響
日銀が12日発表した11月の国内企業物価指数(速報値、2015年平均=100)は102.1で、前年同月に比べて2.3%上昇した。23カ月連続で前年同月を上回ったが、10月確報値(3.0%上昇)からは鈍化した。前月比では0.3%下落と、8カ月ぶりに下落に転じた。
10月から11月にかけて原油相場が下落した影響が出た。米中間の貿易摩擦に対する懸念も重荷となった。
品目別では、石油・石炭製品が前年同月比14.8%上昇したが、10月確報値(24.9%上昇)から大幅に鈍化した。また、非鉄金属が前年比3.6%下落したことも影響した。
今後の企業物価動向について、日銀は「原油価格の下落が続けばより広範囲で下押ししやすいほか、米中貿易摩擦の影響が出始めており、注視したい」(調査統計局)との見方を示した。


長くなりましたが、いつもながら、包括的によく取りまとめられた記事だという気がします。次に、機械受注のグラフは以下の通りです。上のパネルは船舶と電力を除く民需で定義されるコア機械受注とその6か月後方移動平均を、下は需要者別の機械受注を、それぞれプロットしています。色分けは凡例の通りであり、影をつけた部分は景気後退期を示しています。

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まず、引用した記事にもある通り、日経・QUICKによる市場の事前コンセンサスは電力と船舶を除く民需で定義されるコア機械受注の季節調整済みの前月比で見て+10.3%増でしたので、やや物足りない結果と私も受け止めています。9月は台風や豪雨といった自然災害による供給制約や物流停滞のため、前月比で▲17.8%減でしたからリバウンドもやや弱い気がします。ただ、いわゆる「挽回生産」がもう少し続く可能性もありますので、統計作成官庁である内閣府で基調判断を「持ち直しの動きがみられる」から「持ち直しの動きに足踏みがみられる」に半ノッチ下方修正したのは、そこまでする必要があるか、という気がしないでもありません。もちろん、上のグラフの上のパネルに見られる通り、私の計算による6か月後方移動平均で見たトレンドでもまだ下向きですし、引用した記事にもある通り、3か月移動平均でもご同様のようです。他方で、10~12月期のコア機械受注見通し+3.6%については、9月実績の発射台がかなり低い点を別にすれば、10月の滑り出しはまずまずと評価できます。月曜日に公表された7~9月期GDP統計では設備投資が前期比マイナスに振れましたが、先行きについては、少なくとも来年10月からの消費増税までは緩やかな増加が期待できるだけに、機械受注も堅調に推移すると考えるべきです。

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続いて、企業物価(PPI)上昇率のグラフは上の通りです。一番上のパネルは国内物価、輸出物価、輸入物価別の前年同月比上昇率を、真ん中は需要段階別の上昇率を、また、一番下は企業物価指数のうちの円建て輸入物価の原油の指数そのものと前年同月比上昇率を、それぞれプロットしています。色分けは凡例の通りであり、上2つのパネルの影をつけた部分は景気後退期を示しています。ヘッドラインの国内物価を前年同月比で見ると、7月から10月まで+3.0%を4か月連続で記録した後、11月は+2.3%と上昇幅を縮小させています。大きな要因は国際商品市況における石油価格の動向なんですが、国内物価のコンポーネントで1,000分の59.5のウェイトを持つ石油・石炭製品の前年同月比上昇率は10月の+24.9%から11月は+14.5%と、まだ2ケタの上昇率であるものの大きく低下しています。季節調整されていない原系列の指数の前月比ながら、石油・石炭製品に加えて、化学製品や金属製品などの素材についても下落を示しています。ただし、円建て輸入物価の石油・石炭・天然ガスは10月上昇率の+36.7%から11月の+35.2%にしか上昇幅が縮小しておらず、やや不思議な気もします。それはともかく、こういった石油価格やそれに連動する財の価格とともに、引用した記事の最後のパラにあるように、日銀では米中貿易摩擦の影響も出始めている、と指摘しており、物価の基調が弱いのであれば、金融政策で何らかの追加緩和が模索される可能性も否定できません。ただ、私がかねてからこのブログで主張しているように、我が国の物価動向は、日銀金融政策よりも国際商品市況における一次産品の価格動向により敏感に反応するような気がしないでもありません。
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