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2019年04月10日 (水) 19:25:00

足踏み続く機械受注と石油価格に連動する企業物価(PPI)上昇率!

本日、内閣府から2月の機械受注が、また、日銀から3月の企業物価 (PPI) が、それぞれ公表されています。機械受注のうち変動の激しい船舶と電力を除く民需で定義されるコア機械受注は、季節調整済みの系列で見て、前月比+1.8%増の8367億円を示し、PPIのヘッドラインとなる国内物価の前年同月比上昇率は+1.3%と前月の+0.9%から上昇率が拡大し、引き続き、プラスの上昇率を継続しています。まず、日経新聞のサイトから記事を引用すると以下の通りです。

2月の機械受注は1.8%増 4カ月ぶり増加 市場予想は下回る
内閣府が10日発表した2月の機械受注統計によると、民間設備投資の先行指標である「船舶・電力を除く民需」の受注額(季節調整済み)は前月比1.8%増の8367億円だった。増加は4カ月ぶり。QUICKがまとめた民間予測の中央値は2.7%増だった。
製造業で船舶の内燃機関の大型案件があったことなどが上昇に寄与した。内閣府は基調判断について「足踏みがみられる」で3カ月連続で据え置いた。
製造業の受注額は前月比3.5%増の3881億円だった。4カ月ぶりに増加した。製造業17業種のうち8業種で増加した。造船業での大型案件や化学機械、工作機械の受注増が寄与した。
半面、非製造業は0.8%減の4510億円と、2カ月連続で前月を下回った。情報サービス業やリース業での電子計算機などの受注が低調だった。
前年同月比での「船舶・電力を除く民需」の受注額(原数値)は5.5%減だった。受注総額は同3.1%減の2兆3558億円。外需の受注額は同1.9%減の9850億円だった。
機械受注は機械メーカー280社が受注した生産設備用機械の金額を集計した統計。受注した機械は6カ月ほど後に納入され、設備投資額に計上されるため、設備投資の先行きを示す指標となる。
3月の企業物価指数、前年比1.3%上昇 原油高などで
日銀が10日発表した3月の国内企業物価指数(2015年平均=100)は101.5で前年同月比で1.3%上昇した。上昇は27カ月連続で、上昇率は2月の確報値の0.9%から拡大した。原油価格の上昇や米中貿易交渉の進展期待を背景にした非鉄金属市況の改善などで、企業物価指数は上昇した。
前月比では2カ月連続のプラスとなり、上昇率は前月と同じ0.3%だった。日銀の調査統計局は3月の物価指数上昇について「米中貿易交渉の進展期待や中国経済の減速懸念が和らいだことが背景にある」との見方を示した。
円ベースでの輸出物価は前年比で0.2%上昇し、4カ月ぶりのプラスとなった。前月比では0.8%上昇した。輸入物価は前年比で2.5%、前月比では1.6%それぞれ上昇した。
あわせて発表した18年度の企業物価指数は2.2%上昇した。上昇は2年連続。


長くなりましたが、いつもながら、包括的によく取りまとめられた記事だという気がします。次に、機械受注のグラフは以下の通りです。上のパネルは船舶と電力を除く民需で定義されるコア機械受注とその6か月後方移動平均を、下は需要者別の機械受注を、それぞれプロットしています。色分けは凡例の通りであり、影をつけた部分は景気後退期を示しています。

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機械受注のうち変動の激しい船舶と電力を除く民需で定義されるコア機械受注の季節調整済みの系列を見ると、昨年2018年11月から今年2019年1月まで3か月連続で前月比マイナスを記録していますので、4か月振りの前月比プラスということになります。しかし、引用した記事にもある通り、日経・QUICKによる市場の事前コンセンサスでは前月比+2%を超えていましたが、実績は下回りましたし、3か月連続マイナスからの戻りは弱くて力強さに欠ける印象です。上のグラフを見ても、太線の6か月後方移動平均はまだ下向きだったりします。簡単に業種別に概観しておくと、製造業が前月比プラスの非製造業がマイナスとなっていて、このところのトレンドとは逆の方向が示されています。機械受注の今後の方向については、世界経済の減速により製造業では足踏み、ただ、非製造業では人手不足などから底堅い動き、というのが予想されるところであり、これらを総合すれば全体としては緩やかな減少という予想がエコノミストの間では多いんではないかと私は考えています。先々月の2018年12月統計公表時に明らかにされた今年2019年1~3月期の見通しが前期比で▲0.9%減ですから、ちょうどこれくらいのペースではなかろうかと想像しています。統計作成官庁である内閣府でも基調判断を「足踏み」で据え置いています。この基調判断は3か月連続です。

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続いて、企業物価(PPI)上昇率のグラフは上の通りです。一番上のパネルは国内物価、輸出物価、輸入物価別の前年同月比上昇率を、真ん中は需要段階別の上昇率を、それぞれプロットしています。色分けは凡例の通りであり、上2つのパネルの影をつけた部分は、機械受注のグラフと同じで、景気後退期を示しています。基本的に、国際商品市況における石油価格に連動した動きと考えています。すなわち、季節調整していない原系列ながら、国内物価の前月からの上昇幅+0.3%に対する寄与度で見て、石油・石炭製品が+0.18%、非鉄金属が+0.04%、スクラップ類が+0.03%、電力・都市ガス・水道が+0.02%、などとなっており、エネルギー価格と中国をはじめとする新興国経済の減速懸念が和らいだ点を背景とした価格上昇の色彩が強いと私は受け止めています。

なお、IMF・世銀総の春季会合に合わせて国際通貨基金(IMF)から「世界経済見通し」の見通し編が日本時間の昨夜公表されています。日を改めて取り上げたいと思います。
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