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2019年10月18日 (金) 23:00:00

上昇率が縮小した9月の消費者物価(CPI)について考える!

本日、総務省統計局から9月の消費者物価指数 (CPI) が公表されています。季節調整していない原系列の統計で見て、CPIのうち生鮮食品を除く総合で定義されるコアCPIの前年同月比上昇率は前月から少し縮小して+0.3%を示しています。まず、日経新聞のサイトから記事を引用すると以下の通りです。

消費者物価、9月0.3%上昇 2年5カ月ぶり低水準
総務省が18日発表した9月の全国消費者物価指数(CPI、2015年=100)は、生鮮食品を除く総合指数が101.6と前年同月比0.3%上昇した。プラスは33カ月連続だが、上昇率は同じく0.3%上昇だった2017年4月以来、2年5カ月ぶりの低水準だった。菓子類など生鮮を除く食料品の値上げが指数を押し上げた一方、ガソリン価格や携帯電話通信料の下落が物価の下げ圧力となった。
QUICKがまとめた市場予想の中央値は同じく0.3%上昇だった。人件費などが上昇している外食が、物価上昇に寄与した。電気掃除機など家庭用耐久財も上昇した。
伸び率は前月(0.5%上昇)よりも鈍化した。ガソリンや都市ガス代などエネルギー構成品目の下落幅が拡大したことが物価にマイナスに寄与した。携帯電話の通信料も6月に大手各社が値下げした影響が引き続き表れた。
生鮮食品を除く総合では297品目が上昇した。下落は168品目、横ばいは58品目だった。総務省は「2年5カ月ぶりの低水準となったものの、プラスで推移している」と指摘し「緩やかな上昇が続いている」との見方を据え置いた。今後については「10月の消費増税の影響や原油価格の動向を注視したい」(総務省)と話した。
生鮮食品とエネルギーを除く総合指数は101.7と前年同月比0.5%上昇、生鮮食品を含む総合は101.9と0.2%上昇した。生鮮食品は、天候不順などの影響でぶどうや梨などの生鮮果物が上昇した一方、トマトやネギなどの生鮮野菜は値下がりした。


いつもながら、包括的によく取りまとめられた記事だという気がします。続いて、いつもの消費者物価(CPI)上昇率のグラフは以下の通りです。折れ線グラフが凡例の色分けに従って生鮮食品を除く総合で定義されるコアCPIと生鮮食品とエネルギーを除くコアコアCPIそれぞれの上昇率を示しており、積上げ棒グラフはコアCPI上昇率に対する寄与度となっています。寄与度はエネルギーと生鮮食品とサービスとコア財の4分割です。加えて、いつものお断りですが、いずれも総務省統計局の発表する丸めた小数点以下1位の指数を基に私の方で算出しています。丸めない指数で計算している統計局公表の上昇率や寄与度とはビミョーに異なっている可能性があります。統計局の公表数値を入手したい向きには、総務省統計局のサイトから引用することをオススメします。さらに、なぜか、最近時点でコアコアCPIは従来の「食料とエネルギーを除く総合」から「生鮮食品とエネルギーを除く総合」に変更されています。ですから、従来のコアコアCPIには生鮮食品以外の食料が含まれていない欧米流のコアコアCPIだったんですが、現時点では生鮮食品は含まれていないものの、生鮮食品以外の食料は含まれている日本独自のコアコアCPIだということが出来ます。

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ということで、引用した記事にもある通り、日経・QUICKによる市場の事前コンセンサスは+0.2~+0.3%のレンジで中心値が+0.3%でしたので、ジャストミートしたといえます。上のグラフから明らかなように、紺色の折れ線で示したコアCPI上昇率、すなわち、生鮮食品を除く総合で定義されるコアCPI上昇率は今年2019年上半期の4月の前年同月比上昇率+0.9%をピークに、ジワジワと上昇幅を縮小させ、8月には+0.5%に、そして、9月にはとうとう+0.3%まで縮小したわけですが、生鮮食品とエネルギーを除くコアコアCPI上昇率、上のグラフで赤い折れ線については、同じように4月の+0.6%が高いといえば高いんですが、5月から直近統計が利用可能な9月まで+0.5~0.6%の上昇が続いており、コアCPIの▲0.6%ポイントの縮小幅に比較して、ほとんど上昇幅は縮小していません。要するに、9月統計までのコアCPI上昇率の縮小はエネルギー価格の影響が大きい、ということになります。ですから、先々月月7月統計ではエネルギーの前年同月比上昇率は+0.6%とギリギリながらプラスだったんですが、先月の8月統計では▲0.3%の下落と、とうとうマイナスに転じ、本日公表の9月統計では▲1.9%の下落と下落幅を拡大させています。9月統計の品目別の前年同月比で見ても、ガソリンの▲6.9%下落、灯油の▲2.6%下落などが目につきます。エネルギー全体では、繰り返しになりますが、9月統計の前年同月比で▲1.9%の下落、寄与度でも▲0.15%の大きさとなっています。
エネルギー価格の動向については、国際商品市況における石油価格の影響が大きく、私ごとき定年退職した元エコノミストにはまったく予想もつきません。ですから、利用可能な他の分野の専門家のリポートを読んだりするんですが、みずほ証券による10月17日付けのリポート「マーケット・フォーカス 商品: 原油」では、「当面は1バレル=50ドル台での下値固めを想定する」と結論されているようです。何ら、ご参考まで。

先行きの物価上昇については、当然ながら、10月1日からの消費税率引き上げや幼児教育などの無償化の影響が現れ始めます。今年2019年7月の日銀「展望リポート」では、p.4 の脚注6で、消費税率引上げがフルに転嫁されると、コアCPI上昇率を+1.0%ポイント引き上げ、また、教育無償化政策は、2019年度と2020年度のコアCPI上昇率をそれぞれ▲0.3%ポイント、▲0.4%ポイント押し下げる、と試算しています。
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