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2020年04月15日 (水) 18:00:00

現下のコロナウィルス不況は1930年代の大恐慌に匹敵するのか?

今週末に予定されているIMF世銀の春季総会を前に、昨日4月14日に国際通貨基金(IMF)から「世界経済見通し」 World Economic Outlook, April 2020 が公表されています。2008年秋のリーマン証券破綻に端を発するサブプライム・バブル崩壊後の景気後退には、Great Recession と名付けたIMFですが、今回の新型コロナウィルス(COVID-19)の影響に起因する景気後退は Great Lockdown と呼んでいます。「大封鎖」とでも邦訳するんでしょうか。見通しのヘッドラインとなる世界経済の成長率は、昨年2019年の実績が+2.9%と、そもそもやや物足りなかったんですが、今年2020年は大きく落ち込んで▲3.0%とマイナス成長が見込まれている一方で、来年2021年はそのリバウンドもあって+5.8%成長が予測されています。IMFのブログサイトに基づきつつ、いくつかグラフやテーブルなどを引用して簡単に見ておきたいと思います。

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まず、IMFのブログサイトから成長率見通しの総括表を引用すると上の通りです。ご覧の通りで、先進国は軒並み2020年はないマス成長と見込まれており、日本の▲5.2%というのは、昨年10月から消費税率を引き上げたにしては、先進国の中でもっともマイナス幅が小さく、その意味で、日本は経済パフォーマンスがいい、とすら表現できそうな気がします。もっとも、その分、2021年のリバウンドの成長率は低くなっています。新興国・途上国もマイナス成長の国が並んでいますが、インドや中国で何とか+1%成長を維持しているといったところです。アジアではASEAN5か国ですらマイナス成長です。来年2021年は部分的にリバウンドが始まって、世界経済はプラス成長に回帰しますが、新興国と途上国が回復の中心で、先進国では2020年▲6.1%のマイナス成長の後、2021年のリバウンドも+4.5%にとどまります。そして、IMFのブログサイトのタイトルが The Great Lockdown: Worst Economic Downturn Since the Great Depression となっているように、今回の景気後退は1930年代の大不況以来の落ち込みであり、リーマン証券破綻後の2009年の景気後退を上回る、と指摘しています。例えば、IMFのブログサイトから2つのグラフ、すなわち、2020年から2021年にかけ世界のGDPの損失は合計約9兆ドルに達するとするグラフと先進国と新興国・途上国に分け、さらに、米日欧と中国・インドの国別で2009年の成長率及び2020年の成長率見通しとしてプロットしたグラフを引用して結合すると下の通りです。

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加えて、「次に何が起こるかの不確実性が極めて大きい」 "tremendous uncertainty around what comes next" との指摘は当然で、今年2020年後半には現在のパンデミックが収束して、徐々に経済活動の正常化が始まるというベースラインに対して、「今年後半もパンデミックが後退せず、感染拡大を防止するための封じ込め期間が長期化し、金融環境が悪化し、グローバル・サプライチェーンがさらに途絶する可能性もある」"The pandemic may not recede in the second half of this year, leading to longer durations of containment, worsening financial conditions, and further breakdowns of global supply chains." との懸念を表明し、そのようなケースでは、今年2020年が▲3%ポイント、来年2021年は▲8%ポイントの成長率下振れすら生じる可能性があるとの試算結果を明らかにしています。このため、政府としても「例外的な政策行動」"exceptional policy actions" を取る必要があるとし、経済政策に注目すると、「多くの政策当局者が大規模、タイムリーかつ対象を明確にした財政、通貨、金融政策をすでに実行しており、それらには債務保証、流動性対策、債務の支払猶予、失業保険の拡充、社会給付の拡充、減税などが含まれており、これらは家計や企業の命綱である」"The large, timely, and targeted, fiscal, monetary, and financial policies already taken by many policymakers-including credit guarantees, liquidity facilities, loan forbearance, expanded unemployment insurance, enhanced benefits, and tax relief-have been lifelines to households and businesses." と指摘しています。

この週末に何が話し合われて、どのような結論を得るんでしょうか。また、それらが日本にどのように応用されるんでしょうか。私は今回ばかりは何とも理解がはかどりません。
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