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2020年07月28日 (火) 18:00:00

上昇率が拡大した6月統計の企業向けサービス価格指数(SPPI)やいかに?

本日、日銀から6月の企業向けサービス価格指数 (SPPI)が公表されています。季節調整していない原系列の統計で見て、ヘッドラインSPPIの前年同月比上昇率は+0.8%でした。2月統計の+2.1%まで+2%台をキープした後、3月統計の+1.5%や4月統計の+0.9%から5月統計は+0.5%まで、新型コロナウィルス感染症(COVID-19)の影響で一気に上昇率が縮小しましたが、6月統計では+0.8%の上昇とやや上昇幅を拡大しています。国際運輸を除く総合で定義されるコアSPPIの前年同月比上昇率も同じように縮小していましたが、前年同月比上昇率としては5月統計を底に、6月統計ではわずかながら上昇幅が拡大して+0.9%を記録しています。いずれも、消費税率引上げの影響を含んでいます。まず、ロイターのサイトから記事を引用すると以下の通りです。

企業向けサービス価格、6月税除き前年比-1.0% 経済再開で低下幅縮小
日銀が28日に発表した6月の企業向けサービス価格指数(消費増税除くベース)は前年比1.0%低下した。5月確報は同1.3%低下。緊急事態宣言の解除により、経済活動が再開されたことで需要が戻り、マイナス幅は縮小した。
6月総平均(消費税除くベース)の主な内訳をみると、広告が前年比11.9%低下(5月は14.4%低下)した。4-5月は緊急事態宣言による経済活動の停滞で広告出稿が減少していたが、6月は経済活動の再開を受けて、5月は11.1%低下していた新聞広告が同2.2%の上昇に転じた。インターネット広告は同9.7%低下(5月は13.6%低下)だった。
店舗賃貸などを含む「その他の不動産」は同6.7%低下で、5月の同9.1%低下からマイナス幅は縮小した。
情報通信は同0.2%低下で、ポータルサイト・サーバ運営費を含む「インターネット付随サービス」が同4.0%低下(5月は同4.7%)だった。前月までは飲食店を紹介するウェブサイトの掲載単価が大きく下落していたが、緊急事態宣言の解除によって需要が戻った。


いつもは日経新聞から引用することが多いんですが、日経新聞のサイトの記事が会員限定で、加えて、極めて素っ気ないものですから、ロイターのサイトから引用してみました。包括的によく取りまとめられた記事だという気がします。続いて、企業向けサービス物価指数(SPPI)のグラフは下の通りです。上のパネルはヘッドラインのサービス物価(SPPI)上昇率及び変動の大きな国際運輸を除くコアSPPI上昇率とともに、企業物価(PPI)の国内物価上昇率もプロットしてあり、下のパネルは日銀の公表資料の1枚目のグラフをマネして、国内価格のとサービス価格のそれぞれの指数水準をそのままプロットしています。財の企業物価指数(PPI)の国内物価よりも企業向けサービス物価指数(SPPI)の方が下がり方の勾配が小さいと見るのは私だけではないような気がします。いずれも、影を付けた部分は景気後退期なんですが、直近の2018年10月を景気の山として暫定的にこのブログのローカルルールで勝手に景気後退局面入りを認定しています、というか、もしそうであれば、という仮定で影をつけています。もう少しすれば、今年2020年5月が底だった、という暫定的な同定をするかもしれません。

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繰り返しになりますが、消費税を含んだベースの企業向けサービス価格指数(SPPI)の前年同月比上昇率は、昨年2019年10月の消費税率引上げに伴って+2%に達した後、今年2020年に入って2月+2.1%まで+2%台を続けた後、3月+1.5%、4月+0.9%、5月+0.5%とCOVID-19の影響により一気に上昇幅を縮小した後、直近で利用可能な6月統計では+0.9%を記録しています。ただし、3月統計では消費税の影響を除くベースの前年同月比上昇率が▲0.3%とマイナスに転じた後、6月統計の▲1.0%までマイナスが続いています。いうまでもなく、SPPIの上昇率縮小は新型コロナウィルス感染症(COVID-19)による影響と考えるべきです。サービス価格について、SPPIはもちろん、CPIのコンポーネントでも、人手不足に起因して堅調と考えられていましたが、雇用がかなり怪しくなり始めた印象もありますし、宿泊サービスのように需要が「蒸発」すれば、需給ギャップに従って価格が弱含むのは当然です。もちろん、宿泊サービスだけでなくCOVID-19の影響により、さまざまな分野のサービスへの需要が低迷しており、本日公表の6月統計のSPPIのコンポーネントである大類別について、消費税の影響を除くベースの前年同月比▲1.0%に対する寄与度を見ると、景気に敏感な広告が▲0.59%、さらに、不動産が▲0.20%、情報通信が▲0.06%、リース・レンタルが▲0.05%、諸サービスが▲0.04%、などとなっています。なお、最後の諸サービスに宿泊サービスが含まれています。政府がムリヤリに始めた東京都を除くGoToキャンペーンで、宿泊サービスの価格水準は少しくらい戻ったりするんでしょうか?

本日公表された企業向けサービス価格指数(SPPI)の前年同月比上昇率もそうですし、いろんな指標を見ても、2020年5月が景気の谷であったのではないかというエビデンスが積み上がりつつあります。景気動向指数を待ちたい気もしますが、景気動向指数と連動性が極めて高い明後日公表の鉱工業生産指数(IIP)もひとつの判断材料にして、暫定的な景気の谷を同定するかもしれません。
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