2021年11月13日 (土) 10:00:00
今週の読書は経済の学術書と新書の計4冊!!!
今週の読書は、あまり一般社会人であるビジネスパーソンにはオススメできないながら、学術書の経済書2冊に加え、経済と環境に関する新書2冊の計4冊、以下の通りです。それから、いつもお示ししている本年の読書の進行ですが、このブログで取り上げた新刊書だけで、1~3月期に56冊、4~6月も同じく56冊、7~9月で69冊と夏休みの時期があって少しペースアップし、さらに、先週までの10~11月分が21冊と、すでに、11月初旬に200冊を超え、本日取り上げた4冊を加えて、合計205冊になりました。
まず、焼田党ほか[編著]『新型コロナ感染の政策課題と分析』(日本評論社) です。編著者は、日本応用経済学会の会長をはじめとする経済学の研究者であり、本書は仁保膿瘍経済学会の2020年度春季大会(オンライン)で開催された特別セッションに寄稿された論文を収録しています。2部構成となっており、第1部が政策課題、第2部は経済分析です。いうまでもありませんが、完全な学術書であり、一般ビジネスパーソンにはやや敷居が高いかもしれません。私も専門外ですので、チンプンカンプンな論文がたくさんありました。この1冊で17章の論文が詰め込まれています。冒頭は政策課題ということで、日本では決定的にPCR検査が遅れて後手を踏んだという分析結果がいくつか示されています。1年ほど前までは新型コロナウィルス感染症(COVID-19)という病気は、ワクチンや特効薬がなく、感染力が強い上にデータは少ないものの致死率がそれなりの水準に達するおそれがあったわけであり、このCOVID-19の脅威から国民の生命を守るためには、ハッキリいって、ソーシャル・ディスタンシングしか手段がなかったわけです。しかも、特に若年層の間では無症状夜や軽症状のケースも少なくなく、感染拡大防止の決め手は検査と隔離であったにもかかわらず、検査が進まなかったのは、非正規雇用が極めて多数に上って検査のための休暇取得が困難であった点とともに、実は、キャパの問題であったにもかかわらず、PCR検査の信頼性という虚偽のPRを広めて検査数を抑え込んだ政権の罪は大きいとの結論が示されています。そして、理論的なモデルからも、検査については精度よりも震度を重視して、多数の対象に頻度高く検査を実施すべきである、との結論が示されている論文も見受けました。私もまったく同感です。その安倍政権は突然の辞任で逃げ切って、菅内閣を人身御供にして東京オリンピックとパラリンピックを強行開催し、大きな感染拡大を招き、結局、1年で内閣を交代させて総選挙を乗り切った、という戦略を許してしまったのは残念至極という気がします。本筋に戻ると、本書では、基本的に、SIRIモデルを基にしていくつかのシミュレーション結果や定量的な分析結果が示されています。第2部では、特に経済的なダメージの大きかっら観光産業、犯罪発生、財政問題、などとともに、より長期的な人的資本の蓄積への影響なども分析されています。さらに、こういった分析の多くが定性的な方向性を示すだけでなく、定量的な結果を持って説得力ある結論を導いています。EBPMの必要性が高まる中で、やや怪しい論文があるのも事実ながら、力の入った分析論集だと私は受け止めています。
次に、小川英治[編]『グローバルリスクと世界経済』(東京大学出版会) です。著者は、一橋大学の名誉教授であり国際金融論が専門です。本書は、日本経済研究所の元会長だった下村治博士の生誕100年記念の特別研究の成果を取りまとめています。出版社からしても、一般ビジネスパーソン向けではなく学術書と考えるべきです。ということで、今世紀に入ってからでも、2008年の米国のサブプライム・バブル崩壊後の金融危機、2010年のギリシアの債務危機、2016年の英国のEU離脱、いわゆるBREXIT、あるいは、米国のトランプ大統領当選もそうかもしれませんし、極めつけは、2020年からのコロナ危機といえます。本書は必ずしも十分に新型コロナウィルス感染症(COVID-19)の経済的影響を十分に取り込んでいるわけではありませんが、一部に言及されています。そして、基本的に、本書の各論文に共通しているのは、Baker, Bloom and Davis (2016) "Measuring Economic Policy Uncertainty" において提唱された政策不確実性指数、あるいは、これを基に新たに計測された経済産業研究所による日本の政策不確実性指数を用いた定量的な分析を多く示しています。基本的には、この指標はテキスト・マイニングを基に作成されていて、米国のシカゴ市場におけるインプライド・ボラティリティから計算されるVIX指数と少し違った動き方をしている気が私はしています。本書も2部構成であり、第Ⅰ部では大規模な脅威として、米中貿易戦争、金融における中国のバブル崩壊のリスク、そして、BREXITをはじめとする欧州経済のリスクを各章で取り上げ、第Ⅱ部ではより細かな視点に基づく分析として、米国から新興国への資金フロー、アジア諸国に対する直接投資、グローバルリスクの株価への影響が分析されています。特に、私にとって興味深かったのは、新型コロナウィルス感染症(COVID-19)のリスクについてキチンと整理されていて、まず、世界的な供給ショックがあり、中国からの輸入が途絶えた点が出発点となっています。次に、国内の正の需要ショックが発生し、まあ、マスクはやや徒花としても、食料品やマスク以外の衛生用品に正の需要ショックが生じて、高齢者が極めてしばしばスーパーに買物を繰り返すという行動が見られたことも事実です。テレワークのためのIT関連製品も品薄になりました。そして、第3段階として最後に、極めて大きな負の需要ショックが発生しました。例えば、対人接触の大きな外食産業や宿泊業などの需要は「蒸発」したとさえいわれました。こういったリスクが、主要紙に対するテキスト・マイニングでどこまで正確に把握できるのかについては、私は専門外なのでよく判りませんが、20年ほど前に日本がデフレに陥ったころにも、国内要因だけでなく、国際的な需給ギャップへの反応という点が議論されたことも私は記憶しており、グローバル化がここまで進み、サプライチェーンやバリューチェーンが広がりを見せているわけですので、国内にとどまらない国際的なリスク分析も必要であることはいうまでもありません。
次に、宮崎勇・本庄真・田谷禎三『日本経済図説 第5版』(岩波新書) です。著者は、大臣経験もあり、個人ながら、官庁エコノミストの大先輩である宮崎勇をはじめとして、大雑把に大和総研グループと考えてよさそうです。私は誠に不勉強ながら、「第5版」にして初めて手にとって読みました。ということで、実は、昨年も学生諸君に「年末年始の読書案内」として、新書をいくつかピックアップしようと試みているのですが、これもその一環として読んでみました。各ページ見開きで、右の偶数ページに説明文が展開されている一方で、左の奇数ページに図表が並んでいます。そして、構成としては、11章から成っていて、歴史を概観した後、日本経済の構造とその変化のその1とその2、情報通信の発展と情報化社会、雇用・労働、金融・資本市場、財政、国際収支、国民生活、日本経済の展望、となっています。確証に10項目ですから、計110項目なのだと思います。ひとつだけ、難をいえば「環境」が抜けているのですが、その分、というわけでもないながら、最近時点でのコロナの記述はそれなりに充実している気がします。環境が抜けているとはいいつつ、少なくとも、日本経済を学ぶ際には軽く歴史を概観しておく必要がある、という点を実践していることはオススメのポイントです。中には、辞書的に必要な項目を拾い読みする向きもありそうですし、それも十分有益な読書といえますが、やはり、全体を通して読むのがオススメです。というのは、自分の興味ある分野は詳しく読む一方で、ついつい、興味ない分野は飛ばし読みすることがある私としては、日本経済を深く学ぶためには、やはり、歴史を含めて全体像を把握するほうがいいのではないか、と考えています。基礎的な理論をある程度把握している読者を考えれば、圧倒的な情報量ですし、キチンと図表の出典も明記されていますから情報をアップデートすることも容易です。ですから、学生諸君への読書案内に入れておこうと考えています。
最後に、森川潤『グリーン・ジャイアント』(文春新書) です。著者は、産経新聞や週刊ダイヤモンドなどでの勤務経験のあるジャーナリストです。つい最近のロンドンでのCOP26については、グレタ・トゥーンベリ女史の評価と同じで、私はハッキリと失敗だったと受け止めていますが、それでも、気候変動や温暖化防止のための活動は続くわけで、SDGsはアカデミックな世界よりもビジネスの世界で極めて重視されていることは間違いありません。そういった産業界、経済界における脱炭素ビジネスについて、広範に取りまとめています。例えば、冒頭では、石油メジャーとして有名な超巨大企業であるエクソンを株式総額で一瞬にせよ追い抜いたネクステラという企業を紹介しています。フロリダにある地方電力会社ながら風力発電や太陽光発電などの再生可能エネルギーのシェアが高く、この10年で株式価格が10倍に値上がりしたと指摘されています。その他にも、イタリアのエネルやスペインのイベルドローラなど、私なんぞの意識低い人間は聞いたこともない企業が数多く取り上げられています。政府首脳が集まっては失敗を繰り返しているCOPの世界会合に比べて、世界の産業界や経済界はSDGsとともにグリーン産業に大きくシフトしようとしています。我が国政府は化石賞をちょうだいするほどの遅れぶりですし、産業界もまだまだ気候変動や温暖化防止に積極的ではないような印象を私は持っています。経済的な格差を拡大する新自由主義的な政策を世界標準として、積極的に取り入れた我が国政府も、あるいは、我が国の経済かも、こういった世界の潮流を把握して、脱炭素化を進めグリーン・ジャイアントの育成に積極的に取り組まなければ、またまた、世界から取り残されるガラパゴス化の憂き目に合うことにもなりかねません。こういった点で、我が国経済界、あるいは、学界もそうですが、政府とともに国際経験の不足が露呈しているような気もします。本書はそういう意味で、世界の脱炭素の進み具合と日本の政府や経済界、あるいは、ひょっとしたら、暗示的に学界も、それぞれのポジションを明らかにしていて、ひとつの出発点としてとても有益な読書だった気がします。オススメです。
まず、焼田党ほか[編著]『新型コロナ感染の政策課題と分析』(日本評論社) です。編著者は、日本応用経済学会の会長をはじめとする経済学の研究者であり、本書は仁保膿瘍経済学会の2020年度春季大会(オンライン)で開催された特別セッションに寄稿された論文を収録しています。2部構成となっており、第1部が政策課題、第2部は経済分析です。いうまでもありませんが、完全な学術書であり、一般ビジネスパーソンにはやや敷居が高いかもしれません。私も専門外ですので、チンプンカンプンな論文がたくさんありました。この1冊で17章の論文が詰め込まれています。冒頭は政策課題ということで、日本では決定的にPCR検査が遅れて後手を踏んだという分析結果がいくつか示されています。1年ほど前までは新型コロナウィルス感染症(COVID-19)という病気は、ワクチンや特効薬がなく、感染力が強い上にデータは少ないものの致死率がそれなりの水準に達するおそれがあったわけであり、このCOVID-19の脅威から国民の生命を守るためには、ハッキリいって、ソーシャル・ディスタンシングしか手段がなかったわけです。しかも、特に若年層の間では無症状夜や軽症状のケースも少なくなく、感染拡大防止の決め手は検査と隔離であったにもかかわらず、検査が進まなかったのは、非正規雇用が極めて多数に上って検査のための休暇取得が困難であった点とともに、実は、キャパの問題であったにもかかわらず、PCR検査の信頼性という虚偽のPRを広めて検査数を抑え込んだ政権の罪は大きいとの結論が示されています。そして、理論的なモデルからも、検査については精度よりも震度を重視して、多数の対象に頻度高く検査を実施すべきである、との結論が示されている論文も見受けました。私もまったく同感です。その安倍政権は突然の辞任で逃げ切って、菅内閣を人身御供にして東京オリンピックとパラリンピックを強行開催し、大きな感染拡大を招き、結局、1年で内閣を交代させて総選挙を乗り切った、という戦略を許してしまったのは残念至極という気がします。本筋に戻ると、本書では、基本的に、SIRIモデルを基にしていくつかのシミュレーション結果や定量的な分析結果が示されています。第2部では、特に経済的なダメージの大きかっら観光産業、犯罪発生、財政問題、などとともに、より長期的な人的資本の蓄積への影響なども分析されています。さらに、こういった分析の多くが定性的な方向性を示すだけでなく、定量的な結果を持って説得力ある結論を導いています。EBPMの必要性が高まる中で、やや怪しい論文があるのも事実ながら、力の入った分析論集だと私は受け止めています。
次に、小川英治[編]『グローバルリスクと世界経済』(東京大学出版会) です。著者は、一橋大学の名誉教授であり国際金融論が専門です。本書は、日本経済研究所の元会長だった下村治博士の生誕100年記念の特別研究の成果を取りまとめています。出版社からしても、一般ビジネスパーソン向けではなく学術書と考えるべきです。ということで、今世紀に入ってからでも、2008年の米国のサブプライム・バブル崩壊後の金融危機、2010年のギリシアの債務危機、2016年の英国のEU離脱、いわゆるBREXIT、あるいは、米国のトランプ大統領当選もそうかもしれませんし、極めつけは、2020年からのコロナ危機といえます。本書は必ずしも十分に新型コロナウィルス感染症(COVID-19)の経済的影響を十分に取り込んでいるわけではありませんが、一部に言及されています。そして、基本的に、本書の各論文に共通しているのは、Baker, Bloom and Davis (2016) "Measuring Economic Policy Uncertainty" において提唱された政策不確実性指数、あるいは、これを基に新たに計測された経済産業研究所による日本の政策不確実性指数を用いた定量的な分析を多く示しています。基本的には、この指標はテキスト・マイニングを基に作成されていて、米国のシカゴ市場におけるインプライド・ボラティリティから計算されるVIX指数と少し違った動き方をしている気が私はしています。本書も2部構成であり、第Ⅰ部では大規模な脅威として、米中貿易戦争、金融における中国のバブル崩壊のリスク、そして、BREXITをはじめとする欧州経済のリスクを各章で取り上げ、第Ⅱ部ではより細かな視点に基づく分析として、米国から新興国への資金フロー、アジア諸国に対する直接投資、グローバルリスクの株価への影響が分析されています。特に、私にとって興味深かったのは、新型コロナウィルス感染症(COVID-19)のリスクについてキチンと整理されていて、まず、世界的な供給ショックがあり、中国からの輸入が途絶えた点が出発点となっています。次に、国内の正の需要ショックが発生し、まあ、マスクはやや徒花としても、食料品やマスク以外の衛生用品に正の需要ショックが生じて、高齢者が極めてしばしばスーパーに買物を繰り返すという行動が見られたことも事実です。テレワークのためのIT関連製品も品薄になりました。そして、第3段階として最後に、極めて大きな負の需要ショックが発生しました。例えば、対人接触の大きな外食産業や宿泊業などの需要は「蒸発」したとさえいわれました。こういったリスクが、主要紙に対するテキスト・マイニングでどこまで正確に把握できるのかについては、私は専門外なのでよく判りませんが、20年ほど前に日本がデフレに陥ったころにも、国内要因だけでなく、国際的な需給ギャップへの反応という点が議論されたことも私は記憶しており、グローバル化がここまで進み、サプライチェーンやバリューチェーンが広がりを見せているわけですので、国内にとどまらない国際的なリスク分析も必要であることはいうまでもありません。
次に、宮崎勇・本庄真・田谷禎三『日本経済図説 第5版』(岩波新書) です。著者は、大臣経験もあり、個人ながら、官庁エコノミストの大先輩である宮崎勇をはじめとして、大雑把に大和総研グループと考えてよさそうです。私は誠に不勉強ながら、「第5版」にして初めて手にとって読みました。ということで、実は、昨年も学生諸君に「年末年始の読書案内」として、新書をいくつかピックアップしようと試みているのですが、これもその一環として読んでみました。各ページ見開きで、右の偶数ページに説明文が展開されている一方で、左の奇数ページに図表が並んでいます。そして、構成としては、11章から成っていて、歴史を概観した後、日本経済の構造とその変化のその1とその2、情報通信の発展と情報化社会、雇用・労働、金融・資本市場、財政、国際収支、国民生活、日本経済の展望、となっています。確証に10項目ですから、計110項目なのだと思います。ひとつだけ、難をいえば「環境」が抜けているのですが、その分、というわけでもないながら、最近時点でのコロナの記述はそれなりに充実している気がします。環境が抜けているとはいいつつ、少なくとも、日本経済を学ぶ際には軽く歴史を概観しておく必要がある、という点を実践していることはオススメのポイントです。中には、辞書的に必要な項目を拾い読みする向きもありそうですし、それも十分有益な読書といえますが、やはり、全体を通して読むのがオススメです。というのは、自分の興味ある分野は詳しく読む一方で、ついつい、興味ない分野は飛ばし読みすることがある私としては、日本経済を深く学ぶためには、やはり、歴史を含めて全体像を把握するほうがいいのではないか、と考えています。基礎的な理論をある程度把握している読者を考えれば、圧倒的な情報量ですし、キチンと図表の出典も明記されていますから情報をアップデートすることも容易です。ですから、学生諸君への読書案内に入れておこうと考えています。
最後に、森川潤『グリーン・ジャイアント』(文春新書) です。著者は、産経新聞や週刊ダイヤモンドなどでの勤務経験のあるジャーナリストです。つい最近のロンドンでのCOP26については、グレタ・トゥーンベリ女史の評価と同じで、私はハッキリと失敗だったと受け止めていますが、それでも、気候変動や温暖化防止のための活動は続くわけで、SDGsはアカデミックな世界よりもビジネスの世界で極めて重視されていることは間違いありません。そういった産業界、経済界における脱炭素ビジネスについて、広範に取りまとめています。例えば、冒頭では、石油メジャーとして有名な超巨大企業であるエクソンを株式総額で一瞬にせよ追い抜いたネクステラという企業を紹介しています。フロリダにある地方電力会社ながら風力発電や太陽光発電などの再生可能エネルギーのシェアが高く、この10年で株式価格が10倍に値上がりしたと指摘されています。その他にも、イタリアのエネルやスペインのイベルドローラなど、私なんぞの意識低い人間は聞いたこともない企業が数多く取り上げられています。政府首脳が集まっては失敗を繰り返しているCOPの世界会合に比べて、世界の産業界や経済界はSDGsとともにグリーン産業に大きくシフトしようとしています。我が国政府は化石賞をちょうだいするほどの遅れぶりですし、産業界もまだまだ気候変動や温暖化防止に積極的ではないような印象を私は持っています。経済的な格差を拡大する新自由主義的な政策を世界標準として、積極的に取り入れた我が国政府も、あるいは、我が国の経済かも、こういった世界の潮流を把握して、脱炭素化を進めグリーン・ジャイアントの育成に積極的に取り組まなければ、またまた、世界から取り残されるガラパゴス化の憂き目に合うことにもなりかねません。こういった点で、我が国経済界、あるいは、学界もそうですが、政府とともに国際経験の不足が露呈しているような気もします。本書はそういう意味で、世界の脱炭素の進み具合と日本の政府や経済界、あるいは、ひょっとしたら、暗示的に学界も、それぞれのポジションを明らかにしていて、ひとつの出発点としてとても有益な読書だった気がします。オススメです。
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